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栄村大震災とは? 3.11翌日の震度6強 「忘れられた被災地」の現状は

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地震の影響で倒壊した建物(2011年3月12日午後、長野・栄村青倉地区)

2011年に起きた、もう一つの大震災を覚えているだろうか。

3月12日の午前3時59分、震度6強の強い揺れが長野県北部の栄村を襲った。マグニチュード6.7の直下型大地震。日本有数の豪雪地帯に位置する人口2300人の山あいの村は、甚大なダメージを受けた。秋山地区を除く村内全域の804世帯2042人に避難指示が出た。

しかし、当日は未曾有の被害となった東日本大震災の翌日、津波や福島第一原発の事故被害などの報道が優先され、栄村の報道は少なく、「忘れられた被災地」となった。この長野県北部地震の被害を村では「栄村大震災」と呼んだ。


■秋山地区以外の97%に何らかの被害

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避難先で給水を受ける人たち(2011年3月12日午後、長野・栄村の老人福祉施設)

関東財務局の資料によると人的被害は死者3人、軽傷10人。建物の被害は、全壊33棟、半壊169棟、一部損壊は486棟に上ったという。秋山地区を除く全世帯の97%に何らかの被害が出た。道路や橋は175カ所で損壊、田畑や農道、水路などの被害は1000カ所以上。住宅を除く被害総額は55億円で、村の予算規模20億円の倍以上になった。

同年5月5日に、仙谷由人官房副長官が現地視察した。時事通信によると「雪が地震とともに複合的に災害の原因となる怖さを改めて実感した」「国は(信越地震も)忘れていない」と記者団に述べ、支援に全力を挙げる考えを強調した。2012年7月には天皇、皇后両陛下が栄村の仮設住宅を訪問。同年中に「震災復興住宅」31戸が建設された。

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長野県北部地震の横倉農村広場仮設住宅の住民に声をお掛けになる天皇、皇后両陛下=2012年7月9日午後、長野県栄村 

同年10月に震災復興計画が策定され、復旧から復興への本格的な取り組みが始まった。この計画が2017年3月末に期限を迎えるのを機に、栄村の復興推進委員会が、3月8日までに評価をまとめた。信濃毎日新聞によると推進委は「復興計画に沿ってインフラ整備は早く進んだ」と総括する一方、「財源の使い方がハードに傾斜し、(ソフト面での事業効果が)広く村民に行き渡らなかった」と指摘。

推進委の鈴木敏彦委員長(70)は、「平成の大合併」の動きの中、村が合併せずに自立の道を選んだことを踏まえ「復旧に向けた取り組みは比較的うまくいき、自立の村の良さが出た。村民生活に密着した支援をさらに進めていってほしい」と話していたという。

村では、大地震の記憶を風化させないために2013年、栄村震災記録集「絆」を発刊した。公式サイトで全ページを公開している


■関連スライドショー(東日本大震災から2カ月後の気仙沼市)

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東日本大震災2カ月後の気仙沼市内の様子
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