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百戦錬磨の「銀座のママ」が伝授 成功する男の「身だしなみの5箇条」とは?

成功する人の第一条件は「臭くない人」

「できる人とできない人の違いは、ほんのちょっとしたこと。もったいないな……と感じる方もいらっしゃいます」

そう話すのは銀座の高級クラブ「クラブ由美」オーナーの伊藤由美さん。(以下、由美ママ)数多くの同業種が軒を連ねる一等地で35年目を迎えたお店には、政財界の大物が数多く訪れているという。そう耳にすると、「偉くなった人だけが行ける場所だろう」と思うかもしれない。しかし、由美ママは「そういう方もいらっしゃいますけれど、若い時から頑張って偉くなられた方が多いですね」と話す。

その地位にまで駆け上がる人とは一体どんな人なのだろうか。由美ママは、名刺だけなら5万枚は交わしてきたというほど、クラブという場で様々な人と接し、数々のビジネスマンたちを見つめ続けてきた。そんな由美ママに、「できる男」「一流の人」に成長した人の共通点を伺った。

銀座「クラブ由美」でオーナーをされている伊藤由美さん。通称『由美ママ』

はじめに、伊藤由美さんの口から何度も語られた、成功する人が前提にすべき「3つの配りもの」を紹介しよう。

「気配り、心配り、それからお金配り。この3つができる人は、どんどん人の輪も広がって、いい人脈を築けます。シンプルに言えば『思いやり』ですね。そういう方は、常に紳士的で、節度と礼節をわきまえていらっしゃる。自分の仕事に誇りを持ち、それをひけらかすことなく謙虚で、常に『人としてどうあるべきか』に心を砕いています」

「相手の立場になって考え、気遣いができる」。このシンプルでありながら奥が深い話は、できる男に共通する「身だしなみの5箇条」にも当てはまってくる。

■できる男に共通する『身だしなみの5箇条』

1.足元にも「手入れ」を行き届かせる

「まず、靴は見てしまいます。ただ、たとえば営業職の方なら歩き回る時間も長いと思いますから、履き古されていてもいいんです。大切なのはどんな靴を履いているかよりも、きちんと手入れが行き届いているかどうか。足元は大事です」

2.襟元や袖口は「生活が透けて見える」からこそきれいに

「襟元や袖口がよれてしまっていると、たとえば奥様と良いコミュニケーションが取れていないのかな、ご自身でアイロンがけをしているのかなと、家庭や暮らしの侘しさを感じさせられますね。逆に、襟元と袖口が清潔でパリッとしている人は、公私ともにきちんとしている印象があります」

3.爪の垢はNG。指先まで抜かりなく

「やはり指先がきれいでないとエレガントではないですね。それは接客する私たちも同じです。お酒をお出しする際、指先にささくれができていたり、マニキュアがはげていたりするのはNGです。だから、ついお客様の指も見てしまいます。男の人なら、爪先がキレイに切りそろえられていたらいいと思います。爪が垢などで黒く汚れてたりするとだらしなく感じてしまいますね」

4.汗をかいたならせめて「ハンカチ」はきれいなものを

「季節によっては汗を流しながらご来店される方もいらっしゃいますが、まずは自分で汗を拭いていただきたいですね。そこできれいなハンカチを取り出して拭いてらっしゃる方は好感が持てます。“汗っかき”は体質もあるので仕方のないことですが、それをご自分できちんと自覚されて、周りに気を遣えているかどうかだと思います」

5.「臭い」のはマナー違反。ニオイまで気配りを

「臭うということは周りへの配慮が足りない、自己管理能力の欠如だと感じます。たとえばニオイが気になるお客様には、『今日はちょっと暑かったですよね。どこかへお出かけでしたか?』『冷たいおしぼりをお持ちしましょうか?』とさりげなく教えて差し上げます。それだけ言えば、気遣いができる人はだいたい察してくださいますね。成功した人や地位のある人に『臭い』と感じさせられたことはないです」

■成功する人の第一条件は「臭くない人」

実は、由美ママは著書『スイスイ出世する人、デキるのに不遇な人』の中で、出世する人の1番目の項目に「臭くない人」を挙げている。そこには35年のキャリアで培った人間観察力が見抜いた納得の分析があった。

「臭っていても気にならない、周りを不快にさせていることに気がつかない、そういう周りへの気遣いができない人からは、人も離れていってしまいます。誰だって臭う人とは一緒にいたくないし、出歩くのも遠慮したいですよね。そして、人の意見に耳を貸さずに我が道を行くタイプの人なのかな、とも思ってしまいます。おそらく誰かに一度くらいは『臭う』と言われたことがあると思うんですよ。それでも治そうとしない、周りのために自分を変えようとは思わない、そういう性格の表れなのかなと。自分の体質を知って対策する、周りの人が快適かどうかに気を配る、そういうスメルマネジメントまでできていることが、出世する人の共通点だと思います」

特に仕事で重要な立場を担うことが多くなってくる30〜40代、いわゆるミドル世代の体臭は、後頭部が発生源になっているとも言われている。

「たしかに以前、一度ゴルフのカートに乗っていた時に、ある人の頭の真後ろでものすごいニオイを感じたことがあります。個室やタクシーなどでもそうですが、どうしてもその場所から抜け出せないシチュエーションでは周りもつらいですよね」

では、百戦錬磨の由美ママは、誰かのニオイを感じた時、どう対応しているのだろうか。

「自尊心を傷つけてしまうこともあるかもしれませんが、なるべくご本人にお伝えするようにしてます。これからの人生を考えたらその方が相手のためになると思いますから。『部屋が少し臭いますね。換気しましょうか』とか『私かもしれないので一緒にスプレーしましょうか』とかなんとなくほのめかします。逆に、すれ違いざまにさりげなくいい香りがする方は魅力的ですね。それだけでつい振り返ってしまうこともありますから」

■「型破り」と「形無し」を勘違いしてはいけない

由美ママが常に大切にしているのは「粋であること」。粋な人と無粋な人は、ちょっとした立ち居振る舞いから分かれて、その差は歳を経るにつれ大きく広がっていくという。

「粋な人は、自分のスタイルを持っていて、周りのすべてに対して気配りができている人。人としてどうあるべきか、自身の生き方やスタンスをわかってらっしゃるんですね。ファッションでいえば、自分に似合う物を知っていて、高いものにこだわらず良質なものを着こなしてらっしゃる。無粋な人は、流行りの物や高級品をひけらかしたり、お金の話をあからさまにしたり……。『型破り』と『形無し』を勘違いしている人が多いと思います。そして何より、粋な人は感謝の気持ちを忘れない。ちょっとした意識や考え方の違いから、心も生き様も違ってくるんですね」

■「最近の若い人は鍛え直したいわ」由美ママから若手世代へのエール

最後に、由美ママは「最近の若い人は徹底的に鍛え直したいわ」と笑いながら、若手世代に愛あるエールを送ってくれた。もっとも働き盛りで仕事の責任も家庭もあって忙しい、と同時に体型や見た目の変化を実感する40代……。そんな40代も由美ママにとっては若手扱いだ。

「40代なんて私に言わせればまだまだおこちゃまです。もう40歳じゃなくて、『まだ40歳』なぜなら人生の折り返し地点にも届いてないんですから。成功する人には、それまでに積み重ねてきたものが50歳を過ぎてやっと花開く人も多いんです。もし、自分に自信が持てない、自分に誇れるものは何もないというのなら、何かひとつ得意なものを徹底的に磨いてみればいい。たとえば映画が好きなら、お客様が観てそうな60〜80年代の名作をすべて観てみるとか。そうすれば“映画好き”と評判になって、好きな映画の話題で盛り上がれますよね」

「最近の若い人達は、目標のために努力したり、志を持って自分を高めたり、自身の周りの姿や美意識を磨いたり……そういう情熱が足りない気がしますね。私の成功の秘訣は、『努力がすべて』の一言に尽きると思います。努力されている方はそこに自信を持っているので、人前でも堂々と語ることができ、それはとても大きな魅力に映ります。男性は男性らしく、女性は女性らしく、をわきまえることも大切ですが、ジェンダーは関係ない。すべては一人の人間として一生懸命生きているかどうかだと思います」

(文:長谷川賢人 撮影:西田香織)

2017-03-16-1489630223-6151777-_DSC2652_Re012.jpg<由美ママ プロフィール>

銀座「クラブ由美」オーナーママ。東京生まれの名古屋育ち。18歳で単身上京、クラブ「紅い花」でデビュー後、19歳で「クラブ宮田」のナンバーワンに。さらに22歳で勝新太郎の店「クラブ 修」のママに抜擢される。1983年4月、23歳でオーナーママとして「クラブ由美」を開店。2015年11月に「シャンパーニュ騎士団」よりフランスの芸術文化勲章オフィシエ(将校)を女性経営者として初叙任。著書:『スイスイ出世する人、デキるのに不遇な人』、『粋な人、無粋な人』、『銀座の矜持(矜持)』、朝日新聞デジタル&Mで【銀座・由美ママ 男の粋は心意気】を連載中

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