籠池理事長の「安倍首相から100万円寄付」物証は? 首相は「ありえない」【森友学園】

籠池氏と安倍首相側の主張が真っ向から食い違っている。
時事通信社

森友学園の籠池泰典理事長が3月16日に「安倍首相から100万円の寄付を受けた」と発言したことを巡って、籠池氏と安倍首相側の主張が真っ向から食い違っている。

衆参の予算委員会は3月17日、籠池理事長を23日に証人喚問することを議決した。野党側は国有地の売買に絡み、籠池理事長や迫田英典・前理財局長(現・国税庁長官)らの参考人招致を求めていた。与党側は拒否していたが、16日の籠池理事長の発言を受けて「首相に対する侮辱だ」(竹下亘・自民国対委員長)と、与党が偽証罪に問える証人として喚問することで合意した

■いつ、誰が、どうやって?

3月16日に建設中の小学校予定地を訪問した参院予算委員会のメンバーは、籠池理事長がこう語ったと時事通信など報道陣に伝えている。

2015年9月に首相夫人の昭恵氏が私どもの講演会に来た時に「どうぞ、これをお使いください」と(寄付金を渡された)。「どなたからですか」と尋ねると、夫人は「安倍晋三からです」と言った。「領収書はどうしましょうか」と尋ねると、夫人が「いや、それはもう結構でございます」ということで、頂いた。

安倍昭恵夫人が、森友学園が運営する「塚本幼稚園」で講演したのは、2015年9月5日のことだ。

ノンフィクション作家の菅野完氏は、Yahoo! 個人で、予算委の現地視察前日に籠池理事長と面会し、以下のような話を聞いたとしている。

「昭恵さんから、封筒に入った札束を、『これ、主人から』と言われた。」

「領収書は?と聞いたら『いや、まあ、それは』とおっしゃった。」

「土曜日やし、もっとくの怖いし、我慢せなしゃない。月曜日に自分らで入金した」

「ようわからんようになるから、安倍晋三名義で入金しようとしたけど、会計の人に止められたんで、森友学園の名義で入金した」

そして、9月7日付で100万円を銀行に入金したとする寄付者名簿や、「安倍晋三」という手書きの文字を修正テープで消した形跡のある振り込み票の写真を公開している。ただ、いずれも決定的な証拠にはなりえない。

■安倍首相「あり得ない話」

安倍晋三首相は17日の衆院外務委員会で、重ねて籠池氏の主張を否定した。

「妻は名誉校長になっていたので確認したが、領収書もなく、寄付は行っていないとのことだった」「籠池氏とは、1対1でお目にかかったことはなく、個人的な関係もない。そうした方にこれだけ多額の寄付をするのは、あり得ない話だ」

真実はどこにあるのか。23日の証人喚問の発言が注目される。

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