蛍光を発するカエル、アルゼンチンで世界初の発見

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カエルの世界に、新たな光が投げかけられた。

アルゼンチン国立自然科学博物館の研究チームは3月13日、アメリカ科学アカデミーの機関誌「アメリカ科学アカデミー紀要」(PNAS)に論文を発表し、世界で初めて自然に蛍光を発する両生類を発見したと報告した。夜行性のごく小さなブチアマガエル(学名 Hypsiboas punctatus)は紫外線をあてられると、赤っぽい斑点を持つ暗い黄緑色から蛍光色に変化する。

「これは驚くべき発見だ」と、論文の共著者でブラジル・サンパウロ大学の化学者ノーベルト・ペポリン・ロペス氏はハフィントンポストUS版に語った。「長波長紫外線のライト(ブラックライト)をブチアマガエルの標本にあてると、全身から青緑色の強い光を発した」

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生物蛍光(biofluorescence)はサンゴ数種の魚シャコサメウミガメなど海の生物で見つかっているが、陸生の動物では極めて珍しい。

これまでに発光性を持つと知られていた動物は、オウムのほか、チョウサソリ、そしてクモのような一部の節足動物だけだった。生物発光(bioluminescence)では化学反応を通して光を生み出して放出する。一方、生物蛍光では、皮膚・羽またはそれ以外の器官の表面で短波長の電磁放射線を吸収して、より長い波長の光として再放出する。

蛍光を発するこのカエルの場合は、3つの分子(ハイロイン-L1、ハイロイン-L2、ハイロイン-G1)が独特に集まることによって光を発しているようだ、と研究グループは話した。

この分子はカエルのリンパ組織、皮膚や腺分泌物中で見つかり、環状構造と1本の炭化水素鎖を含んでいる。動物の蛍光を引き起こす既知の他の分子とは異なる驚くべき配列だと、ロペス氏は公共放送ラジオ局NPRに語った。

「これは新しい化学構造です」と、ロペス氏は語った

知られている中でもっとも近い化合物は植物で見つかっている。

研究チームによると、3つの分子は、おびただしい量の光を放出する能力も持っていることが明らかになった。満月の約18%に相当する可視光を発するという。


ブチアマガエルの生息地は、エクアドル・ペルー・ボリビア・ブラジルのアマゾン盆地、オリノコ盆地、パラグアイとアルゼンチンのグランチャコ(大平原)の森林だ。

「コロンビアとベネズエラでも見つかるかもしれない」と、ロペス氏は語った。研究チームによると、ブチアマガエルがなぜ蛍光を発する能力を持っているのかは明らかになっていない。しかし、1つの可能性として、コミュニケーション、特に求愛(オスがメスを引きつける)目的で使われるかもしれないという。

ロペス氏によると、次のステップは、このカエルの視覚を調べ、自分自身の蛍光を見ることができるかどうか明らかにすることだという。研究グループはまた、既存の他の両生類の中で、同じように暗闇で光る能力を持つ種がいないかどうか調べようとしている。

「研究結果によって、両生類の前例のない色素形成源と、陸生環境の視覚に蛍光が関係する可能性が明らかになりました」と、ロペス氏は強調した。

論文の共著者でブエノスアイレス大学の爬虫類・両生類学者ジュリアン・ファイヴォビッチ氏は科学誌「ネイチャー」に対し、他に蛍光を発する両生類がいないかどうか研究を進めたいと述べた。可能性のある候補として、ブチアマガエルのように半透明な皮膚を持つ、樹上性のカエルが250種いるという。

「他の研究者たちがこの現象に関心を持っています。彼らは紫外線のライトを持ってフィールドを探し始めるでしょう」と、ファイヴォビッチ氏は述べた。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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