「安倍昭恵夫人の証人喚問求める」と蓮舫氏 夫人秘書のFAXめぐり【森友学園】

民進党の蓮舫代表が、安倍昭恵・首相夫人の証人喚問を政府に要求していくと述べた。
YouTube・民進党/Reuters

民進党の蓮舫代表は3月23日の定例会見で、安倍昭恵・首相夫人の証人喚問を政府に要求していくと述べた。この日は衆参両院の予算委員会で学校法人「森友学園」の籠池泰典理事長の証人喚問が行われたが、籠池氏の言い分が一方的すぎると感じたためだという。

籠池氏は衆院での証人喚問で、昭恵夫人の秘書(夫人付きの官僚)の谷査恵子氏からの2015年11月15日付FAXを提出した。国有地の借地契約を巡り、籠池氏は2015年10月に「助けをいただこう」と考えて安倍昭恵夫人に電話し、留守電を残したことや、翌11月に谷氏から「現状では希望に沿う事はできない」「本件は昭恵夫人にもすでに報告している」などの内容のFAXが来たなどと証言した。

蓮舫氏は、このFAXの2枚目に、「具体的に予算措置をする方向で調整している」、「工事費の立て替え払いを予算化する」などと書かれていたことを疑問視。「これは、総理夫人が、口利き・あっせんしたと思われる内容にもとれます」「総理夫人が介在をして、予算措置化を動かしたのではないか」などと述べた。

さらに蓮舫氏は、「昭恵夫人が実際にどのように関わっておられるのかは、今日の籠池証人の話は一方的すぎますので、やはり双方向で確認をさせて頂く意味でも、昭恵夫人に国会に同じ条件でフェアに証人喚問でお越しいただいて話していただきたいと政府に要求をしていきます」と、昭恵夫人の証人喚問を求める考えを示した。他の野党にも働きかけるという。

蓮舫氏は、これまでは自身も昭恵夫人の国会における証人喚問について言及していなかったという。その理由については、次のように述べた。

「(昭恵夫人を国会へ招くことについては)いったい何が真実なのか、順を追って、担当・関係者から話を聞いた上で、世論の皆様方の『なぜ』という疑問が高まったときに、考えるべきものだと思っておりましたが、今日の籠池証人の話を聞いていますと、あるいは、お出しになられたFAX、予算措置化の一つの問題を見ましても、やはりこれは総理夫人が関与していた、しかも総理大臣がこれまで、『我々は全く関与していない、こういうことを指摘する野党が印象操作をしている』と、逆に国会の場所で私たちを批判してされておられましたので、ならば同じ条件のもとで冷静に与党も野党も事実なのかどうなのかの確認をする場所を設けるべきではないかと」

一方、菅義偉官房長官もこの日、午後の記者会見で、谷氏からのFAXを記者団に配布。谷氏のFAXは籠池氏側から来た陳情書に回答したもので、昭恵夫人による口利きやあっせんにあたるものではないとの考えを示した。

菅氏は「事実関係は、籠池氏の証言と異なる」などとコメント。財務省に確認したところ、FAXは籠池氏から昭恵夫人側に問い合わせた内容への回答ではなく、籠池氏側から夫人秘書に10月26日付の陳情書が送られ、その内容に対応したものだったと説明した。

FAXには、夫人秘書が財務省に問い合わせ、それに対する財務省の回答内容も添付されている。財務省側は回答について、「法令や規約に基づく対応を説明したものであり、何れにせよ国有財産に対する一般的な内容であり、籠池氏から直接問い合わせがあっても、同様の対応をする」と説明したという。

蓮舫氏はこの菅氏の発言について、「籠池氏からの陳情書であれば、なぜ『本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいています』と書かれているのでしょうか」と指摘。さらに、FAXに書かれていた工事費の立て替え払いの予算化について、「陳情に対しての事務的なお答えと言う割には、11月の段階で27年度予算に入れられるかどうか努力をしたと読めるような言い振りですし、そこで予算化できなかったから28年度の予算措置を行う方向で調整中。これは一般に対する陳情の答えとしては、官房長官の説明はなかなかそうですかと素直には納得できません」などと述べた。

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