キャサリン妃、育児ストレスについて語る 「"完璧な親でいなければならない"という圧力が存在する」

「お母さんたちが抱える不安の中には、『完璧な親でいなければならない』という圧力が、根本に存在しています。お母さんたち全員が完璧に子育てを行い、充実しているように見せかけようとしてしまいます」
LONDON, ENGLAND - MARCH 23: Catherine, Duchess of Cambridge meets a mother, Kirsty Francois, 21, and her daughter Teegan-Mia, 2, during a meeting with a parent support group at the launch of maternal mental health films ahead of mother's day at Royal College of Obstetricians and Gynaecologists on March 23, 2017 in London, England. The educational films have been created by Best Beginnings, a charity partner of the Heads Together Campaign. (Photo by Heathcliff O'Malley - WPA Pool/Getty Images)
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LONDON, ENGLAND - MARCH 23: Catherine, Duchess of Cambridge meets a mother, Kirsty Francois, 21, and her daughter Teegan-Mia, 2, during a meeting with a parent support group at the launch of maternal mental health films ahead of mother's day at Royal College of Obstetricians and Gynaecologists on March 23, 2017 in London, England. The educational films have been created by Best Beginnings, a charity partner of the Heads Together Campaign. (Photo by Heathcliff O'Malley - WPA Pool/Getty Images)

イギリスのウィリアム王子の妻・キャサリン妃が3月22日、慈善団体「ベスト・ビギニングス(Best Beginnings)」の映画上映会で、親が抱えるメンタルヘルスについてスピーチした。キャサリン妃は育児に関するストレスや悩みをオープンに話し合うことの重要性や、子育て世代が抱える「完璧な親でいなければいけない」というプレッシャーについて語った。

「母親になることは大変素晴らしい経験です」

3歳児のジョージ王子と1歳児のシャーロット王女の母親であるキャサリン妃は、こう前置きした。「しかし時には、難題になることもあるのです。多くの母親たちが受けていないような支援を受けている、幸運な私のような人間でさえそうなのですから」

「母になる直前まで、いかに心構えをしていようと、実際にはその心構えは役に立たないくらいです。母親になる瞬間は、喜びや極度の疲労、愛情、心配などあらゆる感情が入り混じった複雑な感情が溢れているのです。自分のアイデンティティは、一夜にして突然変わります。自分自身がまず"個人"であるという認識から、出産をした瞬間から、真っ先に"母親"に変わるのです」

「それにも関わらず、"母親"であることのルールブックは一切なく、正しい答えも間違った答えもありません。家族の世話をするために最善を尽くすだけです。何が正しいのかわからない状態で、私を含む多くの母親たちは時に自信を喪失し、自分が無知だという感情に苛まれることになるのです」

キャサリン妃は、妊娠中と出産後に抱えるメンタルヘルスの問題と直面する女性の数に関する統計値を引用し、いかに精神的なストレスを感じている母親が多いか主張した。その上で、「どうすればいいかわからない」と伝えることを恥ずかしく感じるために、悩みをはっきり伝えられない母親がたくさんいると指摘した。

「母親たちが抱える不安の中には、『完璧な親でいなければならない』という圧力が、根本に存在しています。彼女たちは完璧に子育てをこなし、毎日が充実しているように見せかけようとしてしまいます。母性を素晴らしいものとして語ることは間違っていませんが、母親たちが抱える『ストレスや重圧』について語ることも、また必要なのです。これは簡単なことではありません。けれど、助けを求めることは弱さの証だと思ってはいけません」

ストレスを感じた時は、親や友人など自分の信用している人々に頼ったり、日常生活でメンタルヘルスに関する話し合いをすることを、キャサリン妃は提案した。

「もし誰かが妊娠中に熱を出せば、病院へ行くでしょう。メンタルヘルスを改善するために協力を求めることは、これと同じです。子どもたちがいるからこそ、私たちはメンタル面でもしっかり自分自身の体の面倒をみて、必要な支援を受けるべきなんです」

ウィリアム王子とキャサリン妃は、メンタルヘルスに関する話し合いを続け、この問題への間違った認識や偏見を払拭することを目指している。2016年、同夫妻は「Heads Together」という取り組みを開始し、メンタルヘルスの支援を続ける団体をたびたび訪問している。

またキャサリン妃は、スピーチの最後に3月22日に発生したロンドンテロ事件についても言及した。

「国会議事堂で発生したテロで、不幸にも犠牲になってしまった人々、被害にあった人々に私たちの思いと祈りを届けます。私がこの場でメンタルヘルスという重要な問題について話していても、犠牲者とそのご家族のことを思うと、それだけで頭が一杯になってしまうほど悲しんでいます」

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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