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「トーキョーオジサンコレクション」が写真展。なぜ、"オジサン"ばかり撮影したのか?

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2017年3月25〜26日、東京・千代田区のアートスペース「Arts Chiyoda 3331」で"オジサン"の顔写真ばかりを集めた展示「人生に迷う展」が開催された。なぜ"オジサン"の写真展を企画したのか、「人生に迷う」って一体?

主催した「トーキョーオジサンコレクション」のアーティスト3人に聞いた。

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左から:東京芸大(絵画科)4年、仁志麻里恵さん(30)、デザイナーの高仲明彦さん(40)、映像作家の大竹暁さん(41)。

きっかけは自分たちの「悩み」

チームは「プロジェクトスクール@3331」という文化芸術プロデューサーの育成プロジェクトから生まれた。3月の発表に向けて内容を議論しあったが、『自分ごと』といえるテーマがなかなか見つからず、話し合いは難航したという。

メンバーの1人、映像作家の大竹暁さんは、「そのうちに、〝自分たちは人生に迷っている〟という共通の課題にたどりつきました」と話す。「『大人になって学校に来てる自分たち、迷ってるよね』って」。

年齢を重ねた"オジサン"たちからヒントをもらうことで、自分たちの人生の迷いを解決したい。そんな思いで、「街の"オジサン"と対話し、撮影する」というこのプロジェクトがスタートした。

個性豊かな"オジサン"たち

撮影を担当したのは、東京芸大の学生、仁志麻里恵さん。最初に写真を撮らせてもらったのは、新橋のSL広場にいた工事現場の"オジサン"だったという。

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その前に何人もの人に声をかけていたが、ことごとく断られていた。「最後の一人にしよう」と、思い切って声をかけたところで快く撮影の依頼に応じてくれたという。

「写真取るんだったら準備しなきゃ、と言って、ヘルメットをかぶって手袋もしてくれたんです。そこから道が開けました」

そこから、舞台を葛飾区や荒川区に移して、2週間で約150人の"オジサン"に話を聞き、写真を撮った。

"オジサン"との対話と撮影を続ける中で、大竹さんは、「コミュニケーションの化学反応が起きた」と振り返る。「自分はいま悩んでいるんです」と話すことで、自分に対するアドバイスや"オジサン"自身の悩みを話してくれるようになったそうだ。

「迷ったことなんてないよ」という"オジサン"もいれば、「迷っていてもいんだよ」という"オジサン"もいた。

"オジサン"に埋め尽くされる会場

こうして出来上がった写真たちは、会場である展示室の壁を埋め尽くすように展示された。

埋め尽くすという発想は、プロジェクトの過程で調査した秋葉原で若者たちがアイドルグッズなどを大量に取得するという「無限回収」と呼ばれる手法を参考にしたという。

斬新な展示方法には「『気持ち悪い』と言われるのではという懸念もあった」(大竹さん)というが、お客さんからは意外にも「癒された」「感動した」と好評だったという。



「迷い」の行方は...。


写真展の開催を通じて、3人の「迷い」はどうなったのだろうか。3人に改めて聞いてみた。

デザイナーの高仲明彦さんは「あまり変わっていないですね。でも、迷っててもいい、という"オジサン"の言葉がとても新鮮で、目からうろこが落ちた気分になりました」と価値観の変化を語る。

大竹さんは、「迷ってなかったら、スクールなんて通わないだろうし、展覧会という楽しい経験をすることもなかったかもしれない」と振り返る。

もっとも"オジサン"たちと接する機会の多かった仁志さんは「迷っているからこそ、出会えたものもある」と懐かしんだ。

迷うもよし、迷わないもよし。150人もの"オジサン"が、写真を通してそんなメッセージを伝えてくれたようだ。

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ジョディ・スティール足アート
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