「違い」こそが、イノベーションを生み出す。私たちがダイバーシティを目指す理由

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「ダイバーシティ/多様性」の重要性が叫ばれる現代。グローバル化が進んだ社会では、それぞれのバックグラウンドを持った人々が、お互いの文化や特性を尊重し合って協働していくことが求められている。

そんな社会の実現に向けて課題解決に取り組んでいるNPOと、あるグローバル企業が、新たな形でコラボレートした。

■心のバリアフリーを目指す“ピープルデザイン”という概念

NPO法人ピープルデザイン研究所は、“単なる障害者施策ではなく、年齢、国籍、職業、身体、精神のギャップをこえて、共感・共存できる街づくり”を目指して活動する NPO法人。代表理事である須藤(すどう)シンジ氏は、障害のある息子を育てる中で、現在の福祉や社会に違和感を抱くように。「一人ひとりの“気持ちのデザイン”」 の重要性に気づいた。

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須藤シンジ氏(以下、須藤):「私たちは、『心のバリアフリー』の実現を目指しています。障害者や高齢者といった“マイノリティ”と呼ばれる人たちは、一般的な社会から切り離された存在として捉えられていることが、少なくありません。そして多くの人は、無意識下に『自分と彼らは違う』という“心のバリア”を持っています。私たちは、この心のバリアをクリエイティブに取り除いていくための思考と方法論を、『ピープルデザイン』と定義しています」

心のバリアフリーを推進するために、ピープルデザイン研究所はこれまでに多数のプロジェクトを展開してきた。機能性とデザイン性を兼ね備えた“カッコいい・ヤバい”福祉機器を展示する「超福祉展」の開催や、行政と連携を取りながら“クリエイティブなダイバーシティのまちづくり”を実行する「ピープルデザイン川崎プロジェクト」など、その活動は多岐にわたる。

須藤:「ピープルデザインでは、展開領域を障害者、LGBT、認知症の高齢者、子育て中の母親、外国人という5つのカテゴリに分けています。このカテゴリに当てはまる皆さんが、課題をクリエイティブに、オシャレに、カッコよく超えていく活動を企画しているんです」

■「違い」を肯定し多様性を重んじる、レノボの思想「Different is better」

テクノロジー・カンパニーのレノボは、ピープルデザイン研究所の活動のコンセプトに共感し、彼らへの寄付を絡めた企画「Heart with YOGA BOOK」を実施した。

このプロジェクトでは、2016年の12月から大阪、東京、福岡に特設ブースを設置し「世代や人種、性別、LGBT、ハンディキャップなど、様々な違いを持った人々が、お互いに尊重しあえる社会にしよう!」とのメッセージを掲げた。そして、このメッセージに賛同した参加者が、レノボの新製品『YOGA BOOK』を使ってハートを1つ描くごとに、ピープルデザイン研究所に100円が寄付されることとなった。

レノボ・ジャパン株式会社マーケティング統括本部・統括本部長の能戸理英(のと・のりあき)氏は、「Heart with YOGA BOOK」の企画背景について、次のように語ってくれた。

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能戸理英氏(以下、能戸):「レノボは現在『Different is better』をコンセプトに、様々なお客様のニーズに応えるべく、多様性を重んじた製品開発を積極的に展開しています。今回は、新製品のプロモーションに、私たちと同様に『Different is better』のスピリットを持ったNPOへのドネーションを絡めようというアイデアから、この『Heart with YOGA BOOK』が生まれました」

能戸氏はピープルデザイン研究所の活動や、その根底にある理念が「まさに、これからの社会に求められるマインドだ」と語る。

能戸:「私たちが『Heart with YOGA BOOK』の寄付先を選定するうえで大切にしたのは『マイノリティではなく、ダイバーシティを支援している団体であること』という基準でした。 “LGBT”や“障害者”といった個別のフレームではなく、それらを包括するような活動が望ましい、と考えたのです。その基準を満たし、『違いこそが、イノベーションに繋がる』という弊社の思想とも合致していたのが、ピープルデザイン研究所でした」

この企画に対して、須藤氏もまた「『Different is better』というコンセプトに強く共感している」と話す。

須藤:「違いを持った人や、ハンディキャップのある環境には、次世代を明るくするイノベーションの可能性が秘められているんです。私たちはそれを、丁寧にすくい上げていきたいと考えています。レノボが掲げている『Different is better』は、まさに私たちが追い求めているコンセプトのど真ん中を突く言葉でした」

■違いを認め合うことが、よりクリエイティブな世界に繋がる

人々が多様なままでいられる社会の必要性を重んじ、よりよい未来を見すえているピープルデザイン研究所とレノボ。両者が手を取り合った「Heart with YOGA BOOK」プロジェクトは、全国5カ所でブースを展開し、数多くのハートが描かれた。

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「YOGA BOOK」を使ってハートを描く参加者。ハートが1つ描かれるごとに、レノボからピープルデザイン研究所に100円が寄付される。

能戸:「『Heart with YOGA BOOK』プロジェクトは非常に好評で、予想以上の人々に来場していただけました。企業やNPOなどが持続的にアプローチしていけば、社会は動いていくと思います」

持続可能であること――これは、ピープルデザインの須藤氏も、自身の活動に対して重視している要素だ。

須藤:「“同情”からの寄付・協賛は、単発で終わってしまうことが少なくありません。だからこそ、私たちは“企業の利益の最大化”に本気でコミットしています。ピープルデザインと協働することで、その企業の売り上げに繋がったり、パブリシティコストが下がったり……そうした本業での実益、マーケティング上のプラスになることを、私たちは“前提”として考えています。お互いのメリットを担保することで、持続可能な活動になる。サステナブルになると、活動は点から線になり、やがて円になって広がっていくのです」

多様であることの意義、素晴らしさを伝える持続的なアプローチの先に、「Different is better」な社会が実現されると考える両氏。違いを認め合い、誰もが住みよい世界を目指すために、私たち個人ができることは、何かあるのだろうか。

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須藤:「まずは家族やパートナー、友達など、身の回りの人の悩み事に気づいてあげること。誰もがみな、自分や世間の当たり前かとは少し違う悩みを抱えているんですよ。その悩みを知って、一緒にどうすればいいか考え、解決するために動くことが大切だと思っています」

須藤氏は、身近な人たちのために何かをする“主体性”を持つことこそが、社会を動かしていく原動力になると主張する。

須藤:「主体性は、『他人事ではなく、自分事として捉える力』を育みます。他人の悩み、痛み、ハンディキャップを自分事として考えられるようになれば、自然と多様な価値観・考え方を受容できるはず。違いを尊重し合えることが、親切や思いやりにも繋がっていきます。世界や国を一気に変えることはできなくても、一人ひとりが誰かの課題解決に、主体的にコミットするようになれば、社会は少しずつ変わっていきます。違いを主体的に捉えたとき、 そこには新しいイノベーションのヒントが溢れていると思うんです」

この須藤氏の話を受けて、能戸氏は「『Different is better』の重要性をあらためて確認できた」と語る。

能戸:「違いを理解し合うことは、仕事上でも大切なことだと感じています。常にちょっと引いて『自分のやっていることと、他の人がやっていることは、何が違うのか』と観察してみると、思わぬ発見ができたりする。クリエイティブな発想は、ちょっとした“違い”の気づきから芽生えるものです。多様なことが良しとされる社会になれば、たくさんの豊かな“違い”から、もっと世の中を楽しく、明るくするアイデアが生まれてくるはず。私たちも製品やサービスを通じ、様々な角度から『Different is better』のメッセージを世の中に発信していきたいと思います」

身近な人の違いを認め、彼らが抱えている課題に目を向けてみる。一人ひとりがもたらす変化は小さくても、その小さな変化がやがては大きなうねりとなり、世界を動かすこととなるだろう。

(取材・文:西山武志 / 撮影:西田香織)


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