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「生きることは自由を懸けた戦い」ホセ・ムヒカ氏、N高入学式で魂の祝辞(全文)

2017年04月05日 20時46分 JST | 更新 2017年04月07日 17時20分 JST
PABLO PORCIUNCULA via Getty Images
Uruguayan former President and guerrillas Jose Mujica speaks during the shooting of an interview by director Emir Kusturica at Mujica's home in Montevideo on December 12, 2016. Kusturica shoots the last scenes of his documentary about Mujica. / AFP / Pablo PORCIUNCULA (Photo credit should read PABLO PORCIUNCULA/AFP/Getty Images)

学校法人角川ドワンゴ学園が運営するインターネットを通じた通信制高校「N高等学校(N高)」が開いた4月5日の入学式で、ウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領がVTRメッセージで出演した。

現役当時「世界一貧しい大統領」として注目を集めていたムヒカ氏は新入生に向けて「生きることは、自由を懸けた闘いでもあります」「勉学に励み、その知識を人類のために役立ててください」と、新入生に祝辞を送った。

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会場内のLEDビジョンに映し出されたホセ・ムヒカ氏

以下にムヒカ氏の祝辞全文(和訳)を紹介する。

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若者の皆さん、地球の裏側にある、はるか南の片隅から、お礼を言わせてください。

日本を訪れ、その歴史を垣間見られたことは喜ばしい経験でした。

皆さんは今、人生の門出を迎えています。

覚えていてほしいのは、人間は集団で暮らす社会的動物だということです。

1人では生きられません。

だからこそ人類は文明を築いてきました。

文明は先人の残してくれた最大の遺産です。

教育は私達にヒントを与えてくれます。

先人たちが築いた文明や、まいてくれた種を受け取るためのヒントです。

今度は私たちが教育を通じて成熟し、何らかの種を残す番です。

地球の未来と未来の世代のために……。

人生には自らのエゴとの闘いがつきまといます。

自分や大切な人を守るためにエゴは必要ですが、忘れないでください。

人間は社会を必要とし、他者なしでは生きられないということを。

そして覚えていてください。

生きている奇跡こそが最大の幸福だということを。

命は大切に扱い、守らねばなりません。

そして、毎日を精一杯生きてください。

痛みや試練を伴ってもなお人生の美しさは褪せません。

生きるということは、転んでは立ち上がり、前に進むことの積み重ねなのです。

生きることは、自由を懸けた闘いでもあります。

フランス革命のような大げさな意味ではありません。

もっと本能的でささやかな自由です。

すなわち人生の一定の時間を好きなことに使う自由です。

この世はビジネスや経済ばかりではありません。

愛情を育むためのゆとりを持つべきです。

愛する人や友人のために。

急いで生きる必要はありません。

焦る必要はないのです。

日々、人生の喜びを少しずつ味わってください。

欲に溺れてはいけません。

人は裸で生まれ、裸で死んでいくのですから。

友人や子供たち、大切な仲間のために。

なぜなら、愛のない人生など無意味だからです。

一方で、私たちは市場に圧迫されています。

市場は次々と物を買うよう私たちを駆り立てます。

そして時間を奪います。

皆さんが払うのはお金ではありません。

あなたの人生の貴重な時間です。

その代金を稼ぐために費やした時間なのです。

ですから、分別と節度を持ち、無駄遣いをしないでください。

そうすれば人生の自由な時間を失わずに済みます。

古代ギリシャの格言にもあります。

紀元前6世紀頃の言葉です。

“過剰の中の無“(多くを求めるな)

歴史は多くのヒントを与えてくれます。

日本の歴史にも、振り返り立ち戻るべき教訓があるはずです。

古来より続く皆さんの国には、たくさんの知恵と独自の歴史があるからです。

厄介なことに、人間というのは口で言われてもなかなか学びません。

実際に経験して、ようやく学ぶものなのです。

日本はとても現代的で技術の発達した国です。

でもロボットには、人間のような感情はありません。

だからこそ、学校生活や今の時間を有意義に過ごしてください。

大切なのは学び方を学ぶことです。

年齢を重ねるにつれ、多くのことを学びます。

でも、その度に悟るのです。

どんなに学んでも学び足りないと。

一生のうちに学べることは限られています。

あいにく、人間の命には限りがありますが、愛に限界はありません。

ですから、世の中に広めていきたいのです。

人間の能力は巨大なビルを建てたり、月に行ったり、深い海の底に潜ったり、遺伝子を操作することだけはないのだと。

自覚を持ち、助け合えば、世界は変えられます。

たとえどんな困難があろうとも、よりよい世界を築けるのです。

憎しみや戦争のない世界を。

そのためには、世界から過酷な貧困を取り除くこと。

そして、浪費をやめることです。

これらの問題は、人間が足ることを知らず、無駄遣いを繰り返した結果です。

世界では1分当たり200万ドルもの大金が軍事費につぎ込まれています。

それなのに、資金がないと言ってアフリカの飢餓は放置している。

人類発祥の地であるアフリカを見捨てるなど、恥ずべき振る舞いです。

皆さん、勉学に励み、その知識を人類のために役立ててください。

自分だけでなく、みんなのために。

南の大地より、感謝とハグを。

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