トランプ大統領の娘婿クシュナー氏、「黒幕」バノン氏外しに一役買う

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BANNON KUSHNER
ジャレッド・クシュナー氏(左)とスティーブ・バノン氏 (Photo credit should read MANDEL NGAN/AFP/Getty Images) | MANDEL NGAN via Getty Images
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ドナルド・トランプ大統領は4月5日、安全保障の政策決定機関「国家安全保障会議」(NSC)から、保守系ニュースサイト「ブライトバート」元会長で首席戦略補佐官のスティーブ・バノン氏を常任メンバーから外した。この背景には、トランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏が助言していた。

この更迭人事は、トランプ氏が署名したイスラム圏からの入国を禁止する大統領令が相次いで差し止めとなり、健康保険制度改革法(オバマケア)撤廃が失敗したことを受けて、ホワイトハウス内でバノン氏の影響力が弱まったことが理由と考えられていた。

しかし政治ニュースサイト「ポリティコ」が複数の匿名情報筋から得た情報によると、バノン氏の左遷劇の裏の立役者はクシュナー氏だったという。

そもそも初めから、バノン氏のポピュリズム的政治手法と、「行政国家を解体する」という願望を公言してはばからない姿勢は、政権運営に関して比較的官僚的な姿勢のクシュナー氏と対立状態にあった。

クシュナー氏は最近ホワイトハウスの同僚に、「バノン氏の国家主義的な思想がトランプ氏にダメージを与えている」と語っていたとされる。さらにバノン氏の極右的思想が、トランプ氏が持つ資質のなかでも最悪の部分を引き出していることを懸念しているという。

トランプ氏は就任後最初の10週間で政権運営に弾みを付けようとしたが、ホワイトハウス高官の陰謀、選挙陣営とロシアとの接触に関する度重なる捜査、目玉政策の失敗がたたり、行き詰まっている。

「国家主義者と『ホワイトハウス内部の民主党員』の間で激しい主導権争いが起きている」と、ある政府高官はポリティコに語った。

バノン氏が衝突した相手はクシュナー氏だけではない。ゲーリー・コーン経済担当大統領補佐官も同様に対立している。コーン補佐官は、ゴールドマン・サックスの前社長でクシュナー氏とは親しい間柄だ。

マイク・ペンス副大統領もバノン氏とは距離を置いた動きをしている。3月に共和党が提出した健康保険制度改革法案(トランプケア)をめぐり、バノン氏は下院共和党の保守派「下院自由議員連盟」(フリーダム・コーカス)の議員に、「いいか諸君。これは話し合いではない。討論でもない。この法案に賛成票を投じる以外、君たちに選択肢はない」と、高圧的に最後通告を突きつけたが、裏目に出て保守派の離反を招いた。するとペンス氏は、連邦議会に出向き、溝を修復しようと折衝を重ねた。

バノン氏自身は、ホワイトハウス内で非主流派に甘んじるというそぶりはまだ一切見せていない。それどころか、「NSCに出席できなくなったら辞めてやる」と脅しをかけたという噂が数多く流れている。

ホワイトハウス内のバノン氏支持派は、「バノン氏は元々NSCには数カ月だけ留まるつもりだった」「NSCのメンバーに任命されたのは、大統領補佐官を辞任したマイク・フリン元陸軍中将を監視するためだ」などと、彼がNSCの常任メンバーから外されたことを正当化する言い訳を続けている。

「スーザン・ライス(バラク・オバマ大統領の国家安全保障補佐官)が、オバマ前政権時にNSCを機能不全に陥れた」と、バノン氏は5日の声明で述べた。「私がフリン将軍とNSCに加わったのは、適切に機能するよう元に戻すためだった。マクマスター将軍がNSCに戻り、適切に機能するようになっている」

バノン氏が、ライス元補佐官がNSCを「機能不全にした」と述べた時、その具体的な根拠は示さなかった。したがって、バノン氏がNSCの「機能を回復する」ために何をしたのかは謎だ。

フリン氏の辞任に伴い、トランプ大統領はH.R.マクマスター陸軍中将を新たに国家安全保障補佐官に任命した。マクマスター氏は就任直後から、フリン氏が連れてきたメンバーをNSCから追放した。追放されたメンバーたちは、クシュナー氏よりバノン氏との関係が強かった。

中国の習近平国家主席が訪米したことで、バノン氏とクシュナー氏が再び衝突することになりそうだ。バノン氏のポピュリズム的思想こそが、トランプ氏の過激な発言の源泉となっている。2016年の大統領選で、トランプ氏が「アメリカが中国の貿易政策に翻弄されている」と演説した内容に、バノン氏の思想が大きく反映されている。

一方クシュナー氏は、ホワイトハウスと中国側との関係構築で中心的な役割を果たしてきている。クシュナー氏も、フロリダ州パームビーチにあるトランプ大統領所有のリゾート施設「マール・ア・ラーゴ」での米中首脳会談に同席した。

ハフィントンポストUS版より翻訳・加筆しました。

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