コンゴ中部で、150万人の子供たちが「恐ろしい虐待」の危険にさらされている

150万人以上の子供たちが身体的虐待、誘拐、レイプ、処刑など「恐ろしい虐待」を受けやすい状況になっていると警告した。

コンゴの首都キンシャサのボンデコ遺体安置所の外で泣く少女。2016年10月31日撮影。

国連は4月21日、コンゴ民主共和国のカサイ地方周辺で残虐な暴力行為が横行しており、150万人以上の子供たちが身体的虐待、誘拐、レイプ、処刑など「恐ろしい虐待」を受けやすい状況になっていると警告した。

コンゴ中部の貧困地域では約60万人の少年少女がすでに自宅からの避難を余儀なくされている。この地域では政府軍と部族勢力の間で緊張が高まっている。

中央カサイ州と東カサイ州での紛争は、部族勢力の首長カムウィナ・ンサプ(別名ジャンピエール・ムパンディ)氏が蜂起を開始した2016年夏から激化している。2016年6月、ンサプ氏は任期が終わっても辞任しないジョゼフ・カビラ大統領の退陣を求めて武装蜂起した。

8月、ンサプ氏は中央カサイ州で政府の治安部隊に対する攻撃を指揮しているときに殺害された。報道によると13歳未満の戦闘員も何人か含まれるというンサプ氏の民兵組織は、軍事行動を激化させている。さらに、他の現地住民と現地住民以外の集団同士で衝突が報告され、すでに増加している住民の避難に拍車をかけている。

この1週間だけでも、暴力とコミュニティの間に生じた混乱でカサイ州内の約6万2000人が避難を余儀なくされた。この地域に関する国連の近況報告によると、国内避難民の総数は109万人になった。

カザイ州での暴力行為で、1万1000人以上のコンゴ人がアンゴラに保護を求めている。

国連児童基金(ユニセフ)のタジュデン・オイワレ氏はカナンガ市を最近訪問したとき、14歳から17歳までの元民兵たちと話す機会があった。

「最も衝撃的だったのは、(暴力にさらされた)子供たちとのやりとりでした」と、オイワレ氏はハフポストUS版に語った。「子供たちは、今社会復帰することへの恐れや葛藤、民兵を離脱した後の受け入れについて不安があると語ってくれました」

「今とは違う人間になりたい、と願っているのがわかりました」と、オイワレ氏は続けた。会話を交わした10代の若者たちは、激しい地域紛争の影響で、危機が収束した後もずっとメンタルヘルスの問題を抱え続けるかもしれないという。「さまざまな辛い経験を乗り越えて、前に進むのは困難です」

ユニセフは、カサイ地域で拘留されていた、あるいは民兵に登録されていた384人の子供たちを解放したと報告しているが、いまだ約2000人の子供が戦闘員として駆り出されていると指摘している。

国際人権団体の推定でも、この地域の何百人もの子供たちが暴力によって重傷を負い、数千人が家族と引き離され、350以上の学校が破壊されている。

カサイ州の一部の親たちは、子供たちを学校に行かせず、安全のために正規の教育を犠牲にしていると地元メディア「Radio Okapi」は伝えている。

3月12日に国連調査官マイケル・シャープ氏とザイダ・カタラン氏、そしてコンゴ人通訳ベツ・ツシンテラ氏が拉致され、3月末、カサイ州で遺体となって発見された。2人はコンゴ軍と地元の民兵組織による大規模な人権侵害の疑惑を調査していた。コンゴ政府は、カムウィナ・ンサプ民兵組織によるものだと非難した。

4月19日、国連はカサイ州で新たに17カ所の集団墓地を発見した。この地域ではあわせて40カ所にのぼる。国連の調査員たちは、コンゴ軍が3月のカムウィナ・ンサプ民兵組織との戦闘で100人以上殺害し、これらの墓地の一部を掘ったとして告発している。死者の中には何十人もの子供たちが含まれていた。

ゼイド・ラアド・アル・フセイン国連人権高等弁務官はコンゴ政府に、独立した透明性のある調査を実施するよう求めた。

「さらに多くの集団墓地が発見され、暴力と虐待の報告が相次いでいる。過去9カ月の間にカサイ州で広がった恐怖が浮き彫りになっている」と、アル・フセイン氏は述べた。「もし国が事実を調査しないのであれば、私は国際機構による調査を国際社会が支援するよう求める」

ユニセフはこの危機に対処するため、国際社会に2600万ドルの資金拠出を要求している。オイワレ氏は、カサイ州の事態の悪化を止めるために緊急支援が不可欠だと強調した。

「私たちは初期資金をいくらか集めることができましたが、危急的な対策が必要だ」と、オイワレ氏は訴えた。「子供たちには時間がない」

ハフポストUS版より翻訳・加筆しました。

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