NHKが発達障害を1年間特集 「当事者の生きづらさ、少しでも減らせたら」

NHKは2017年5月から2018年4月までの1年間、「発達障害」を特集する。

「変わった人」「空気が読めない人」などと誤解されがちな発達障害の当事者や家族、支援者のあり方を、NHKが1年間にわたって特集する。

発達障害をめぐっては、2015年にモデルの栗原類さんが、NHK『あさイチ』の生放送中に自らも発達障害であることをカミングアウトし話題になった。同番組ではこの回を含め発達障害を3度特集しており、どの放送でもメールやFAXが通常の2倍以上届くなど、視聴者から大きな反響を得た。

同時に障害が誤解されている実態も浮き彫りになり、今回の特集を手がける齋藤真貴チーフ・プロデューサーが「より多くの人に、当事者の声や最新の研究知見を伝えたい」と他番組の担当者に持ちかけた。

NHKでは、『あさイチ』『ETV特集』『ハートネットTV』など、形式や放映時間帯の異なる複数番組で発達障害を取り上げる。

プロジェクトの皮切りとなる『NHKスペシャル』(総合テレビ、5月21日午後9時)では、脳研究の最新成果をリポートし、多くの人にとっては何でもない日常空間を耐えられないほどまぶしく感じたり、小さな物音が大音量に聞こえてパニックに陥ったりする発達障害特有の認知機能について解説。発達障害の当事者もスタジオに登場し、自らの実体験や感覚を伝えるほか、視聴者からEメールやFAXで意見も募集する。

『NHKスペシャル』では、発達障害に関する脳機能研究の最新結果も紹介する

齋藤チーフ・プロデューサーはハフポスト日本版の取材に対し、「発達障害の当事者やご家族には、周囲の無理解で悩む人も多い。1年間のプロジェクトを通じて、当事者や家族に少しでも『生きづらさ』が減ったと感じてもらえたら」と狙いを語った。

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