文在寅氏のひそかな改革か 韓国・青瓦台が大統領への「敬語」をやめる?

韓国大統領府・青瓦台のブリーフィングで、大統領に対して使う表現が変わったと話題になっている。

韓国・文在寅(ムン・ジェイン)政権が発足して2週間が過ぎる。新政権の動向が注目されているなか、大統領府(青瓦台)の報道官らが、過去2代の大統領について言及する時に使っていた「尊敬語」をやめたことが明らかになった。理由はわかっていないが、国民目線に立つことをアピールしていた新大統領の文在寅氏の意向が働いている可能性がある。

韓国社会では、同じ会社・組織や家族について対外的に話す場合、対象が自分より目上の立場であるならば、必ず尊敬語を使って言及するのが普通だ。それは、過去2代、李明博・朴槿恵前大統領に言及する際の大統領府でも同じだ。

文大統領の就任直後は、大統領府の関係者は「文在寅大統領が(께서)〜なさいました(하셨습니다)」などと記者らに説明していたが、最近「文在寅大統領が(이)〜しました(했습니다)」になった。

韓国キー局SBSが5月18日に放送した「チュ・ヨンジンのニュースブリーフィング」にて紹介されたが、キャスターのチュ・ヨンジン氏が大統領秘書官に確認したところ、具体的な返答は得られなかったという。Twitter上で、尊敬語を使うようにユーザーから求められた政府の公式アカウントは「国民の皆さんとの対話で大統領を立てるよりは、国民の皆さんを立てる方がより合っているのではないかと判断しました」と投稿。国民目線を強調する文氏の「政治改革」の一歩とも取れそうだ。

番組に参加していたキム・テヒョン弁護士は「放送局は視聴者が最優先なので視聴者に尊敬語を使うが、報道官にとって大統領は目上の人間なので尊敬語を使うことも考えられる。国民との(意思)疎通を強調し、以前のような権威的ではなく、目線を下げようという話を(大統領が)したので、(変更後の)この表現が合っていると考える」とコメントした。

それでは、当該の動画を見てみよう。

まずは、国民疎通首席秘書官(広報担当)のユン・ヨンチャン氏。

12日(0:36~)にはこう述べた。

대통령께서는 국정기획 자문위원회 설치를 서둘러 줄 것을 지시하셨습니다.

大統領において(中略)指示なさいました。

それが17日(0:43~)にはこうだ。

문재인 대통령은 소위 돈봉투 만찬 사건에 대한 감찰을 법무부와 검찰청에 지시했습니다.

文在寅大統領は(中略)検察庁に指示しました。

次に青瓦台のスポークスマンのパク・スヒョン氏。

16日(0:59~)にはこう述べていた。

취재진이 퇴장한 이후에 비공개 세션에서 문재인 대통령은 이렇게 말씀하셨습니다.

取材陣が退場した後、非公開セッションで文在寅大統領はこのように仰りました。

17日(1:08~)にはこう変わった。

문재인 대통령은 공직기강비서관에 김종호 감사원 공공기관감사국장을 임명했습니다.

文在寅大統領は(中略)任命しました。

15日、政府政策広報のTwitterアカウントに「文在寅大統領は~しました(했습니다)」という表現が掲載された。あるTwitterユーザーが「尊敬語を使って欲しい」と意見すると、次のような返答が返ってきた (もちろん、政府レベルで表現を統一すると合意したのかは未だにはっきりしていない)。

ユーザー : 政府公式アカウントですか?それならば、尊敬語を使ってくださればもっと良いですね。


公式アカウント:政府公式アカウントです^^ 国民のみなさんとの対話で、大統領を立てるよりは、国民のみなさんを立てる方がより合っているのではないかと判断しました。

文在寅大統領は就任式で「低姿勢で働きます。国民と目線を合わせる大統領になります」と語ったところからも、些細な言葉遣いからも改革を進めていこうとする意志が感じられる。

밝은 표정으로 산책 나서는 문재인 대통령 일행

문재인 정부 청와대

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