カタールと国交断絶、6カ国に拡大。原因はトランプ氏の中東訪問?

投稿日: 更新:
QATAR
カタールの首都ドーハの中心部=2017年6月5日 | Naseem Mohammed Bny Huthil / Reuters
印刷

中東諸国がカタールと国交を断絶した問題で、国交断絶した国は6カ国に広がった。CNNなどが6月5日報じた。各国はカタールがテロ組織を支援していると非難している。カタールは反発しており、溝は深まるばかりだ。

中東諸国によるカタールとの国交断絶をめぐっては5日、バーレーン、サウジアラビア、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)が発表。それに続くように、イエメンとモルディブも相次いで国交断絶を発表した。



また、ロシア国営のノーボスチ通信によると、統一政府がないリビアでも、東部を支配する世俗主義勢力が断交に踏み切ったという。

国交断絶の理由について、ニューヨークタイムズは、カタールが「テロ組織」を支援し、中東で影響力を広げようとするイランに協力していることを指摘した。同じイスラム教でも、イランはシーア派国家で、スンニ派のサウジアラビアなどとは相いれない。

カタールが支援していると指摘された組織の一つに、「ムスリム同胞団」がある。エジプトを中心に活動するイスラム団体で、貧困家庭などへの支援や社会奉仕活動に取り組むが、一方で原理主義的な側面もあり、各国が警戒している。

また、ニューヨークタイムズによると、カタールが、イスラム過激組織IS(イスラム国)やアルカイダなどがシリアで勢力を拡大していることを黙認しているとみられているという。

カタールを拠点にしている報道機関アルジャジーラによると、カタールの外相は各国が国交断絶を発表したことについて、「このような手法は不正義であり、事実に反した疑念と主張に基づいている」と反発している。

今回の断交劇は、アメリカが原因だったとの見方もある。トランプ大統領は初の外遊先として5月にサウジアラビアを訪問。通常、アメリカの大統領が初めて外国を訪問する場合、隣国のカナダやメキシコ国を選ぶ。それだけに、サウジアラビア訪問は各国から注目された。

トランプ氏は滞在中、サルマン国王と会談し、巨額の武器輸出などで合意するなど緊密さをアピールした。また、大統領就任以来、トランプ氏が「敵視」を続けるイランへの対応についても話し合ったとみられる。

CNN
によると、イラン高官が地元メディアの取材に対し、「アメリカのトランプ政権による中東訪問による副産物だ」と非難しており、トランプ氏の態度がサウジアラビアなど各国に強硬姿勢を取らせるきっかけになった可能性がある。

カタールをめぐる突然の緊張は、各国にも影響を与えそうだ。アメリカはカタールに空軍基地を設け、中東最大級の1万人以上の兵士が駐留させている。一方で、アメリカは伝統的にサウジアラビアなどとも良好な関係を築いており、双方の対立が深まればアメリカの中東戦略に影響が出る可能性がある。

日本にとっても遠い国の問題とは言い切れない事情がある。カタールは液化天然ガス(LNG)や石油の主な供給国であり、国交断絶問題が激化すれば、日本のエネルギー調達にも影響が出かねない。

BBCニュースによると、国交断絶により、各国は自国民のカタールへの渡航禁止や、48時間以内のカタール外交官の国外退去などを決めた。すでに空路は閉鎖しており、観光客やビジネスマンらの移動に混乱が生じている模様だ。

一方で、サウジアラビアは、メッカへの巡礼を目的にしたカタール人の入国は許可する方針という。