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プーチン大統領、オリバー・ストーン氏と名作「博士の異常な愛情」を鑑賞。「今でも起こりうる危険」と語る

2017年06月13日 19時04分 JST | 更新 2017年06月13日 19時04分 JST
POOL New / Reuters
Russian President Vladimir Putin delivers a speech during a business roundtable session "Russia - USA" at the St. Petersburg International Economic Forum (SPIEF), Russia, June 2, 2017. REUTERS/Mikhail Metzel/TASS/Host Photo Agency/Pool EDITORIAL USE ONLY.

ロシアのプーチン大統領とアメリカの映画監督オリバー・ストーン氏が、故スタンリー・キューブリック監督の映画「博士の異常な愛情」を一緒に鑑賞していたことが明らかになった。

6月12日にアメリカの衛星テレビ「ショウタイム」で放送された、ストーン氏制作のドキュメンタリー番組で紹介された。

ストーン氏は2年以上かけてプーチン氏に密着し、ドキュメンタリー作品「THE PUTIN INTERVIEWS」(プーチン・インタビュー)を制作。その初回が12日夜に放送された。

oliver stone

オリバー・ストーン監督


作品制作の過程で、ストーン氏がプーチン氏にキューブリック監督の映画を一緒に見ることを提案した。

「博士の異常な愛情」は1964年に公開。アメリカ空軍の将軍が精神異常となり、爆撃機を出撃させてソ連(ロシアの前身)に核攻撃するよう命じるフィクションだ。

アメリカ政府は核攻撃を阻止しようとソ連にも協力を仰ぐが、ソ連側は、攻撃を受けた場合、自動的に地球上の生物を全滅させる爆弾を配備していることが発覚。結局、核攻撃は阻止できず、人類滅亡を予感させるシーンで終わる。

当時は米ソ冷戦のただ中で、「キューバ危機」など、核戦争が現実味を帯びていた。

インタファクス通信によると、映画を見終わった後、プーチン氏は「当時と今とでは状況はあまり変わっていない。兵器のシステムがより複雑になったということぐらいで、『報復のための兵器システム』という根本思想は変わっていない」と感想を述べた。

また、「そのようなシステムはある時点からは制御不能であり、それは今日においても実際に起こりうる。そして現代ではより複雑に、危険になっている」と語った。

ストーン氏が「アメリカとロシアが戦争したらアメリカが勝つか?」と問うと、プーチン氏は「誰も生き残っていないと思う」と答えた。一方で、「希望は常にある。まだ私たちは白装束を着て墓に連れてこられてはいない」と話した。

ロシア国営のノーボスチ通信によると、この日の放送の中で、プーチン氏はソ連崩壊についても振り返った。「ソ連崩壊は遺憾だったと言うとしばしば批判されるのだが、崩壊によって2500万人のロシア人が一夜にしてロシア以外の(旧ソ連の)国の人になったのだ。これを20世紀の惨事と言わずして何というのか」と話した。

その上でプーチン氏は「(ソ連崩壊後に誕生した)国の中には、大規模な内戦が起きたところもある。そうした経緯をはっきりと私は見てきた。連邦保安庁長官として」とも述べた。

ソ連最後の指導者となったミハイル・ゴルバチョフ氏について問われると、プーチン氏は「彼と彼の側近たちは、体制が移行するにあたって何が必要か理解していなかった。変化が不可欠だと彼が感じたことは確かに功績だし、実際社会の仕組みを変えようとしたのだろうが、それは役に立たなかった」と否定的な評価をしてみせた。

一方、インタファクス通信によると、ロシア初代大統領のボリス・エリツィン氏から「後継指名」されたことについては、「理由は分からない」とした上で、その前段となる首相職への就任要請を一度は断ったことも明かした。その理由についてこう説明した。

「官僚になれば、まして要職ともなれば、普通の人生、例えば友人の家に遊びに行ったり、映画や劇場に行ったり、友人と自由に語り合ったり、そんな個人的なことは国で起きている事や、国民の命運の前には持ち出せないことになる。ロシアに対して責任を持つ。それは簡単なことではない」

それでも最終的にエリツィン氏の意向を受け入れたことについては「もしそれが運命なのであれば、最後まで突き進む必要があると決心した。これからも大統領でいるのかは100パーセントわからないし、誰も知らない」と答えた。

政府の要人になるにあたって、一番の心配事が家族のことだったという。「心配したのは子どもたちをどこにかくまうか、ということだった。ほら、解任されたときのことを想像して欲しい。警護はいない。何もない。どうしたらいい?どう生きていく?どう家族の安全を守る?」とプーチン氏は話した。

また、ストーン氏が普段の生活について聞くと、「夜は午後12時か午前1時か2時に寝て、朝は7時に起きる。いつも6時間は寝るようにしている」と明かした。

プーチン・インタビューは15日までの4夜連続で放送される予定だ。


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