「共謀罪」法が成立、「究極の強行採決だ」 野党が反発した"中間報告"とは?

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SHINZO ABE
安倍晋三首相 Tokyo, Japan, March 16, 2017. REUTERS/Toru Hanai | Toru Hanai / Reuters
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犯罪を計画段階から処罰できるようにする「共謀罪」の趣旨を含む改正組織的犯罪処罰法が6月15日午前7時46分、参院本会議で自民・公明・日本維新の会などの賛成多数で可決、成立した。

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「テロ等準備罪」法案をめぐっては、与党は今国会の会期末(18日)までに成立させることを目指していた。会期末が迫る中、与党が法案成立を磐石なものとするために用いたのが「中間報告」という手法だった。

これに対して、野党側は「乱暴なやり方だ」と反発。衆院で内閣不信任案を提出するなど、与野党の攻防は15日未明から朝にまで及んだが、最終的には与党側の採決強行で幕を閉じた。

自民党から中間報告の提案を受けた民進党の榛葉賀津也参院国対委員長は、国会審議の否定につながるとして「究極の強行採決だ」と批判した

委員会の採決を省く“禁じ手”とも… 「中間報告」とは?


通常、国会で法案が成立するには、まず各委員会で法案が審議・採決され、その上で本会議において採決される。

ところが、国会法では以下のような規定が定められている。

国会法56条:「特に緊急を要するものは、発議者又は提出者の要求に基き、議院の議決で委員会の審査を省略することができる」

国会法56条の3:「各議院は、委員会の審査中の案件について特に必要があるときは、中間報告を求めることができる」

この手続きを用いれば、与野党で意見が分かれる法案であっても、与党側は委員会での採決を省略できる。これまでの法案審議の経過を委員長が本会議で「中間報告」した上で、本会議で採決を図ることが可能となる。

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国会審議のプロセス。「中間報告」を用いれば委員会採決を省略できる

法案審議の中心である委員会の採決を省くことから、「中間報告」は「禁じ手」とも呼ばれる。

これまで「中間報告」は、野党議員が委員長ポストを握る委員会で、与党側が法案を採決に持ち込むために用いた例が多かった。特に、野党側の委員長が法案の採決実施を拒むなど、与党側の要求に応じない場合に用いられてきた。

ところが、今回「テロ等準備罪」法案が審議された参院法務委員会は、公明党の秋野公造氏が委員長を務める。与党側が委員長ポストを占めているにも関わらず、与党が中間報告の手続きを用いるのは極めて異例だ。

時事ドットコムによると、過去に中間報告が用いられたのは衆院では4例、参院では18例ある。

第1次安倍政権下だった2007年、与党は「改正国家公務員法案」を成立させるため、参院内閣委員会で採決をしなかった藤原正司委員長(民主党)に「中間報告」を強いたが、これには「強引な国会運営だ」といった批判の声もあがった。こうした強行採決は、直後の参院選で自民党が敗れる一因となった