【フランス総選挙・第2回投票】マクロン新党は過半数獲得も予想より議席減か。他政党の潰走にも歯止め

マクロン大統領の新党「共和国前進」が過半数を大きく超える見通しが立ち、今後5年間にわたる政権運営の安定した基盤を確保したかに見えるが、その議席獲得数はおそらく一時の事前予想よりも低いものになるとされている。
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逆流か。6月18日にフランス総選挙(国民議会選挙)・第2回投票の投開票が行われた。マクロン大統領の新党「共和国前進」が過半数を大きく超える見通しが立ち、今後5年間にわたる政権運営の安定した基盤を確保したかに見えるが、その議席獲得数はおそらく一時の事前予想よりも低いものになるとされている。

世論調査機関イプソス・ソプラ・ステリアの調査によると、第2回投票の結果「共和国前進」と連合政党「民主運動」が合わせて361議席を獲得する見通しで、国民議会(下院)の定数577の過半数である289を大きく超えるとされている。しかしこうした見通しが確実になったとしても、マクロン大統領にとって申し分ないかに見えるこの結果は、失望をもって受け取られかねない。というのも、6月11日に投開票された第1回投票の結果と、今回の第2回投票までに行われた予想では、マクロン陣営が最高で470議席を獲得すると見込まれていたからだ。

■他政党は潰走に歯止めがかかる

同じくイプソスの調査によると、マクロン陣営以外の政党はたしかに弱体化したが、その程度は恐れていたよりひどくはなかったという。第一の反対勢力である共和党-民主独立連合の右派連合は崩壊に歯止めをかけ、128議席を獲得した。それでもこの議席獲得数が、国民議会選挙で共和党史上最悪のものであることには変わりない。同党のフランソワ・バロワン選挙対策委員長は、敗北を認めながらも、今回の結果を「我々の信念の価値を広めるには十分な多さだ」とし、党員の活躍を労った。

社会党と連合政党は50議席とやはり振るわなかったが、25議席という事前の大敗予想は免れた。「左派の敗北は無視できないもの。社会党の潰走は決定的だ」と、同党のジャン=クリストフ・カンバデリス第一書記はTwitter上でコメントした。カンバデリス氏はすでに第1回投票で落選しており、第一書記からの退陣を発表した

「左派の敗北は無視できないもの。社会党の潰走は決定的だ」

逆にジャン=リュック・メランション氏率いる「服従しないフランス」とフランス共産党の極左勢力の結果は非常にポジティブなものだったと言ってよく、30議席を獲得する見込みだ。またマリーヌ・ルペン氏率いる「国民戦線」は8議席の獲得で、国民議会でのグループ形成が見込めないため、失望が広がっている。

ハフポスト・フランス版より翻訳・加筆しました。

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