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韓国で初めて「同性愛反対」を宣言した大学がある

2017年07月13日 00時51分 JST | 更新 2017年07月13日 00時52分 JST

台湾の司法最高機関にあたる司法院大法官会議は5月24日、「同性同士での結婚を認めない民法は憲法に反する」という判断を下した。その同じ日に、韓国の軍事裁判所は、同性と性行為を行ったとの理由で、陸軍のA大尉に有罪判決を下した

同じ東アジアで、性的少数者に対して相反する判決が出た中で、韓国・南東部にある韓東大学が「同性愛と同性婚に反対する」宣言を行った。このような宣言をしたのは、韓国の大学としては韓東大学が初めてだ。

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韓国の「アジア経済」によると、韓東大学は5月25日、「同性愛と同性婚に対する韓東大学の神学的立場」という宣言文を発表した。宣言文は「同性愛行為は、聖書の真理と倫理観に反するもので、根本的に個人とコミュニティに害と病気をもたらす」と主張した上で、「同性愛を治すように導くことが、真の人権回復であると信じる」としている。

学内の独立メディア「ニューダム」によると、この宣言文は、チェ・ジョンフン校牧(宗教教育)室長が学内のイントラネットを通じて発表したものだ。背景にはチャン・スンフン総長の同意があった。

チェ校牧室長は、「私と副総長、学生処長、大学新聞を担当する機械制御工学部のチェ・ヤンギュ教授が協議した上で作り、最終的にチャン総長が許可した。これが我が校の立場だ」と経緯を明らかにした。総学生会(学生自治会)の合意は得られていないと伝えられたが、総学生会はニューダムの取材に「公式の解答は難しい」と答えるにとどまった。

宣言が出される前、大学新聞「韓東新聞」の5月2日付紙面には、チェ・ヤンギュ教授のコラム「同性愛合法化の問題点」という記事が掲載されていた。

その中でチェ教授は、ソウルのある中学校で教師が授業時間に同性愛の問題点について話したところ、生徒にソウル市教育庁に通報されたという話を取り上げ、同性愛が合法化されれば、同性愛に反対している多くの国民の良心、表現、宗教、学問の自由が抑圧されると主張している。

また、エイズ感染が急速に拡散し、その治療費を国民の税金で負担することになると述べた上で、同性愛は先天的なものではなく、自己選択によるものである、性少数者という言葉は間違いだと主張した。

ニュースエンジョイ」の報道によると、5月16日には、学生の会議にある教授が現れ、「同性愛合法化の問題点」というタイトルの文書を配布した。中身はというと、「同性愛反対はヘイトではない」「同性愛の性的自由は人権ではない」「同性愛者は社会的マイノリティではない」などといったものだった。

さらに、「美しい結婚と家庭を夢見る青年の集い」というグループは25日、学内で「同性愛について正しく知る」という名前の「ホモフォビア講演会」を開催した

これに対して、性的少数者ヘイトに反対する韓東大学学生の会は、「同性愛に対する反対は、存在に対する否定であり、表現の自由ではない」と強く批判している

プロテスタント系大学として知られる韓東大学だが、公式ホームページには「韓東スタンダードについての案内」という一文が掲載されている。その中には、同性愛を禁じる項目も含まれている。

1.アルコールの購入、所持、使用
2.婚前性交、同棲、セクシャル・ハラスメント、ポルノ、同性愛行為
3.言語、服装、公演、展示などにおけるわいせつ表現
4.妊娠中絶
5.試験不正行為、論文の盗作など学問的不正行為
6.麻薬の販売と使用、窃盗、暴力、賭博などの違法行為

韓東大学の宣言文全文は以下の通りだ。

【同性愛と同性婚に対する韓東大学の神学的立場】

0.現代における同性愛と同性婚の問題の深刻さ

同性愛と同性婚の合法化は、現代社会に対する強力な挑戦だ。さらに衝撃的なのは、キリスト教の一部の指導者と信者は、同性愛合法化を支持し、それが、キリスト教の倫理として正当であると教えていることだ。しかし、聖書の教えと基準に忠実であろうとする福音主義教会と指導者たちは、深い憂慮の念を持ち、同性愛の合法化が反聖書的で反キリスト教的であると宣言している。聖書の教えを重視する韓東大学は、これらの福音教会と信仰観を共有し、我々の立場を次のように宣言する。

1.我々は、同性愛行為が聖書の真理と倫理観に反すると信じる

聖書によると、性的機能が男女の夫婦が一つになるために与えられたものであることは明確である(創世記2:24)。それが性を中心とした神の創造の秩序であると信じる。したがって、聖書ははっきりと同性愛行為を性の歪みとして断罪し、禁じている。これらの断罪と禁止は、旧約聖書に記されており(レビ記18:22、20:13)、新約聖書にもそれが伝えられている(ローマ人への手紙1:26-27、コリント人への第一の手紙6:9-10)。旧約聖書で示されたいくつかのおきては、新約聖書では廃止されているが、同性愛禁止はなくなっていない。

2.我々は、文化の大きな流れよりも、聖書の教えを基準とすることに明確にする

文化の中の価値は、聖書で示された価値と衝突するものもあれば、そうでもないものある。同性愛は、聖書の教えに背く文化的傾向として、たとえ文化の大きな流れがそれを支持しても、我々は聖書の教えに基づいて、それが創造の秩序に反したものであることを宣言する。

3.我々は、同性愛行為が根本から人間個人とコミュニティに害と病をもたらすと信じる。

我々は、聖書が断罪し、禁じているのは単に無意味な断罪と禁止ではなく、それが人間の個人的、共同体的、社会的な健康と直結したものである故に断罪し、禁じていると信じる。神の創造の秩序に反する同性愛は「産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ(創世記1:28)」とした神様の命令に背くものであり、長期的には、神様がお与えになった聖書的な家庭制度とそれを中心に動く社会構造に害と病をもたらすと信じる。

4.我々は同性愛者が治癒されるよう導くことこそが真の人権保護であると信じる

我々は同性愛者も、神様の形象として人権を持つ人々であり、大韓民国の国民としての権利は尊重するが、同性愛が治癒されるよう導くことこそが、真の人権の回復であることを信じる。

<参考 聖書の文言(日本聖書協会より)>

創世記 1:28

神は彼らを祝福して言われた。「産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ。海の魚、空の鳥、地の上を這う生き物をすべて支配せよ。」

2:24

こういうわけで、男は父母を離れて女と結ばれ、二人は一体となる。

レビ記 18:22

女と寝るように男と寝てはならない。それはいとうべきことである。

20:13

女と寝るように男と寝る者は、両者共にいとうべきことをしたのであり、必ず死刑に処せられる。彼らの行為は死罪に当たる。

ローマ人への手紙 1:26

それで、神は彼らを恥ずべき情欲にまかせられました。女は自然の関係を自然にもとるものに変え、

1:27

同じく男も、女との自然の関係を捨てて、互いに情欲を燃やし、男どうしで恥ずべきことを行い、その迷った行いの当然の報いを身に受けています。

コリント人への第一の手紙 6:9

正しくない者が神の国を受け継げないことを、知らないのですか。思い違いをしてはいけない。みだらな者、偶像を礼拝する者、姦通する者、男娼、男色をする者、

6:10

泥棒、強欲な者、酒におぼれる者、人を悪く言う者、人の物を奪う者は、決して神の国を受け継ぐことができません。

ハフポスト韓国版より翻訳・加筆しました。

(翻訳:植田祐介)