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東芝の株主総会「三流以下の会社」と経営陣を責める声 半導体事業の売却見通し立たず

2017年06月28日 19時08分 JST | 更新 2017年06月28日 19時53分 JST
時事通信社

経営再建中の東芝は6月28日、千葉市の幕張メッセで株主総会を開いた。綱川智社長は2017年3月期決算が報告できない異例の事態となったことを謝罪したが、株主からは厳しい意見があがった。

東芝を含め3月期決算の企業は、通常この時期に開く定時株主総会で昨年度の決算を報告する。ところが東芝は、アメリカの原発子会社の巨額損失を巡り監査法人「PwCあらた」と対立。同法人の承認を得られず、まだ決算を発表できていない。

綱川氏は総会の冒頭で、「本来なら年度の決算を報告すべきなのに、できてません」と株主に謝罪した。


最高財務責任者(CFO)の平田政善氏は、2016年度の決算について「8月10日までに監査手続きを終え、臨時株主総会で説明する。改めて深くお詫びします、全力で取り組むのでご支援をいただきたい」と述べたが、現状では8月10日までに決算が発表されるかは不透明だ。

東芝株の2部降格、綱川社長「お詫び申し上げます」


綱川社長は、東芝株の東証2部降格が決まったことについても「株主はじめステークホルダーの皆様には改めてお詫び申し上げます」と陳謝した。


また、綱川氏は2017年3月期の有価証券報告書の提出を延期することを発表した。

この有価証券報告書は6月末が提出の法定期限。東芝は2016年10~12月期の四半期報告書でも、提出延期を繰り返した。朝日新聞デジタルは「2015年に発覚した不正会計問題を受け、東芝の上場維持を審査している東証の心証にも悪影響が出そうだ」と指摘する。

「東芝は三流以下」株主から厳しい指摘


冷蔵庫・洗濯機・カラーテレビを日本で初めて発売し、日本の暮らしをリードしてきた「東芝」。そんな大メーカーも、2015年に不正会計が発覚したことやアメリカの原発事業を巡る債務超過などで、いまや会社存続すら危ぶまれる事態となった。

こうした混乱を受けて、株主からは「東芝もいよいよ三流以下の会社になりつつある」といった厳しい声があがった。

株主「東芝もいよいよ三流以下の会社になりつつある。危機感を持っていただきたい。役員の方々は口では危機感を持っていると言うだろうが、けっしてそうはみえない。まず会場にきて思ったのは、役員が多すぎる点だ。きょう発言していない役員は基本的にいらないと思う。そう考えないと従業員、株主、世間は納得しない。そういう見える改革をしてほしい。役員の数を4分の1以下にしてほしい」

牛尾文昭専務「執行役員は社長、副社長を中心とする執行役人事委員会が選任し、取締役が決めている。適正に人選を行っているので、どうかご理解いただきたい」

【東芝株主総会詳報(3)】日米韓連合に韓国メーカー参画 株主から「技術流出の心配ないか」(5/7ページ) - 産経ニュースより 2017/6/28 14:05)

その一方で、東芝に対する株主の「熱気」が下がってきているのではないかという分析もある。

東芝の株主総会は2003年以降、全ての株主総会で1000人以上の株主が出席。両国国技館で開催された2016年の定時株主総会には2089人が参加したが、今回の株主総会の出席株主数は984人。1000人を割りこんだ。

日経ビジネスは、悪天候による歩止まりや、会場が都心から離れた「幕張メッセ」であったことを考慮しても「寂しい結果だ」と指摘する



経営再建の柱は「半導体事業」の売却 でも、先行きは…


東芝はアメリカの原子力事業で7125億円の損失を計上。5月、東芝は監査法人の意見がつかない2017年3月期の連結業績概要で、5400億円の債務超過に陥ったと発表。前期の最終損益は最終損益は9500億円の赤字となる見通しとした。

2年連続で債務超過に陥った場合、東芝は上場廃止となる。東芝は経営再建を進めているが、その柱となるのが、主力の半導体事業を担う子会社「東芝メモリ」の売却だ。

だが、その雲行きも不透明さを増している。

東芝の半導体事業をめぐっては、2016年8月に「シャープ」を買収した台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業なども意欲を見せているが、東芝は日本政府(経済産業省)が主導する「日米韓連合」を優先交渉先に選び、契約の締結に向けた作業を進めてきた。

綱川社長は23日の記者会見で「28日の株主総会までに合意できる」と自信を見せていた

ところが、東芝は株主総会の開始直前に「複数の当事者による調整に時間がかかっており、現時点で合意にいたっていない」と発表した

半導体事業を共同経営をするアメリカの「ウエスタン・デジタル(WD)」は、日米韓連合への売却に反発している。WD側は、半導体事業売却の暫定差し止めを求め、カリフォルニア州地裁に提訴している

これに対し東芝は、半導体事業の売却を妨害したとしてWDを提訴。総額1200億円の損害賠償を求めている。また、不正競争行為の差し止めを求める仮処分命令も申し立てた。東芝とWDの対立は泥沼の訴訟合戦へともつれ込み、先行きは全く見えない状況だ。

東芝は2018年3月までに債務超過が解消されなければ上場廃止となる。

【東芝の歴史】

1930年 前身の「芝浦製作所」が日本初の電気冷蔵庫・電気洗濯機を発売

1939年 芝浦製作所と東京電気が合併

    ⇒「東京芝浦電気株式会社」)が誕生

1960年 日本初のカラーテレビを発売

1984年 「東芝」と改称

1985年 「世界初のラップトップパソコン」として「T1100」を発売(ノートPCの原型)

2006年 アメリカの原発事業会社「ウエスチング・ハウス(WH)」を買収

     ⇒成長戦略の柱として位置付ける

2008年 2007年度に史上最高売上高の7兆6681億円を達成

2011年 東日本大震災

    ⇒アメリカで原発安全性が強化される

     ⇒建設工期が大幅に伸び、コストも数倍に

      ⇒東芝は撤退せず

2015年 不正会計が発覚

2017年3月 東芝、ウエスチング・ハウスの破産手続き

      ⇒アメリカ原発事業損失7000億超え

2017年5月 債務超過5000億超と発表

2017年8月 東芝、東証2部に降格

2018年3月 債務超過が解消できなければ上場廃止

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