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『借りぐらしのアリエッティ』今こそ知りたい名言20 「何としても生き延びなきゃいけない」

2017年07月07日 18時51分 JST | 更新 2017年07月07日 19時27分 JST
ghibli.jp/karigurashi

日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」では7月7日、スタジオジブリ作品「借りぐらしのアリエッティ」(2010年公開)を放送する。

原作は「床下の小人たち」(1952年)というイギリスの児童文学だが、企画・脚本を手掛けた宮﨑駿氏は、物語の舞台を1950年台のイギリスから現代の日本、それもスタジオジブリにほど近い東京・武蔵野に選んだ。制作発表時のメッセージで宮崎氏は、「随分前の作品なのに、今の時代のヒントになると思った」と語っている。

「人間に見られてはいけない。それが床下の小人たちの掟だった」――映画のキャッチコピーが示すように、古い屋敷の床下で小人の3人家族は目立たぬよう暮らしていた。角砂糖や、屋敷の庭に生えているハーブ、人間のものを少しずつ「借り」ながら、小人たちは慎ましく暮らす。

危険を冒しながらも「借り」に出かける父ポッド、心配性ながらも懸命に家事を切り盛りする母ホミリー。そして、類まれな好奇心と感受性をもつ少女アリエッティ。宮﨑氏はこの小人たちを通して「古典的な家族の姿」を描いたと企画書に記した。

一方でアリエッティは、病弱な人間の少年・翔に姿に恋心を抱く。小人と人間、体の大きさが全く違う二人の心の交流を、若くして抜擢された米林宏昌監督は、生き生きとしたアニメーションとみずみずしい草花が生い茂る鮮やかな背景描写で巧みに描いた。

制作にあたって、宮﨑氏はこんな言葉を語っている。

今の日本の国の有り様の中に、何か根本的に好奇心にかけているところがあると思いますね。タレントの私生活がどうのこうのとかではなくて、人が暮らしてきた歴史とか、ものを作るとか、それを使うとか、食べるとか。

いろんなことについて、自分たちの先祖のことも、あるいは同時に今この日本の中でちょっと離れたところではまだやっているような生活についても、本当に好奇心を失ってると思います。何か自分たちで映画を作る土俵を狭くしてる。

――ジブリの教科書『借りぐらしのアリエッティ』文春ジブリ文庫

宮崎氏は本作の企画書の最後に、「混沌として不安な時代を生きる人々へこの作品が慰めと励ましをもたらすことを願って…」と記した。劇中のセリフにも、「今を生きるためのヒント」が込められているのかもしれない。その一部を紹介しよう

■アリエッティの父、ポッド(声:三浦友和)

挑まなくてもいい危険というものもある。

お母さんには黙っているんだよ。心配症だからね。

人間がこの先どう出るか、注意深く見極めてからでも遅くはない。

お前の初めての獲物をお母さんに見せてあげなさい。

我々は、生き延びなければならない。

…済んだことだ。

arietty

作品のイメージボード

■翔(声:神木隆之介)

こわがらないで…。今日、庭で君を見かけたよ。母が、言っていたんだ。小さいとき、この家の庭で小人を見たって。母が見たのも、君なのかな…

君と話がしたいんだよ。

全部、僕のせいだ。

そのうち、君だけになってしまうんだろうね…。君たちは、滅びゆく種族なんだよ…。

これまでにも多くの生き物が絶滅してきた。僕も本でしか見たことがいないけど。美しい種族たちが地球の環境の変化に対応できなくて、滅んでいった。残酷だけど、君たちもそういう運命なんだ。

小さいときから病気で何もできなかったら、君を見たとき守ってあげられたらと思ったんだけど…。やっぱり、だめだった。本当に、ごめん…。

泥棒なんかじゃありません!借りぐらしなんです!…僕も会いたいです。きっと、どこかいにいます。

君のおかげで生きる勇気が湧いてきた。

アリエッティ、君は僕の心臓の一部だ。忘れないよ、ずっと。

■アリエッティ(声:志田未来)

ごめんなさい。自分でなんとかしなきゃと思ったの。

人間がみんな、そんなに危険だとは思わないわ。

運命ですって…?あなたが余計なことをしたから、私達はここを出ていくことになったのよ。

何としても生き延びなきゃいけないって、お父さんも言ってた。だから危険があっても新しいとこに行くの。そうやって私達の種族が、どこかで工夫してくらしているのを、あなた達が知らないだけよ!私たちはそう簡単に滅びたりしないわ!

守ってくれて、嬉しかった…。いつまでも元気でね。さよなら。

■米林監督、初監督の感想は「もう二度とやりたくないうという気持ち(笑)」

2010年7月公開の「借りぐらしのアリエッティ」は、「崖の上のポニョ」などでアニメーターを務めた米林宏昌氏の監督デビュー作となった。米林監督は公開当時37歳。ジブリ映画史上、最年少の監督だった。そんな米林監督は、作品完成後のインタビューでこんな言葉を残している。

――監督という仕事には、再びチャレンジしたいですか?

終わりに近づくにつれて、もう二度とやりたくないという気持ちがむくむくと生まれてきました(笑)本当に大変な仕事なんですよ。(中略)でもアニメーターでいると一緒に仕事できない人達と交わることができて、監督業も楽しかったなという思いもあるんです。

ジブリの教科書『借りぐらしのアリエッティ』文春ジブリ文庫

監督は「もう二度とやりたくない」とこぼしていた米林氏は、2014年に「思い出のマーニー」を手掛けた後、2014年12月に西村義明プロデューサーとともにスタジオジブリを退社。2015年6月、西村氏と共にスタジオポノックを設立した。

7月8日には、米林氏の監督最新作「メアリと魔女の花」が公開される。

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