セブンイレブン誕生90周年、小さな氷屋さんがこうして世界に広がった #セブンイレブンの日

スラッピーと名付けられたフローズンドリンクは、今では世界的企業になったセブンイレブンの飛躍のきっかけになった飲み物として知られている。

7月11日は「セブンイレブンの日」。

日本でも抽選でプレゼントが当たるキャンペーンが実施されているが、アメリカでは、2017年はブランド誕生90周年に当たるため、お祝いしようとフローズンドリンクの無料配布キャンペーンが行われ、人々を熱狂させている。

提供は午前7時〜午後11時までだが終わり次第終了という。全米で900万食の提供が予定されているという。

Twitter上には、行ける範囲全てのセブンイレブンを入念にチェックしている熱狂的なファンも現れている

スラッピーと名付けられた、このフローズンドリンクは、今では世界的企業になったセブンイレブンの飛躍のきっかけになった飲み物として知られている。

アメリカの同社の公式サイトによると、元々は1965年に「アイシー」の名前で登場し、その後「スラッピー」の名前に変わって再発売された。60年代には、スラッピーがセブンイレブンの代名詞となるほどの人気だったという。

この成功を土台に、コーヒーなど別のドリンク販売も大ヒット。セブンイレブン自体も大きな人気を獲得していったという。

日本でもすっかり欠かせない存在となったセブンイレブン、公式サイトや過去の報道から、その歴史を振り返ってみたい。

始まりは「アンクルジョニー」の氷屋さん

セブンイレブンの始まりは、1927年、テキサス州・サウスランドの氷製造会社で働いていた「アンクル・ジョニー」と呼ばれた男、ジェファーソン・グリーン氏が始めた小さな店だった。


公式サイトより

まだ、家庭用冷蔵庫が一般的でなく、生鮮品を冷やすためにブロック状の氷が売られていた頃、ジョニーは氷を販売する小売店で、ミルクとパン、卵を扱う業態を始めた。そして、それらの商品は、他の生鮮食品店が店を開けていない、夜と日曜日に特に売れたという。

消費者が求めるものを、必要な時に提供する。アンクル・ジョニーのこのアイディアに可能性を感じたジョー・C・トンプソンJr(後にセブンイレブンを運営するサウスランド社の創業者の一人)は、他の氷販売の小売店でも生鮮品を売ることを考えた。当時、同社は8つの製氷工場と、21の氷販売小売店を展開していた。

こうして、世界初のコンビニエンスストアが誕生した。10年間で店舗は60に拡大した。

1928年にガソリンスタンド併設の業態を開始

自動車がより一般的になり、人々は燃料を必要とするようになると、サウスランドのコンビニ店は、近くにガソリンスタンドを設置。より便利になったと消費者を喜ばせた。

当時の店は、氷工場で生産した家庭用の氷、食料や日用品、アルコール飲料の複合販売で大きな成功を収めた。

セブンイレブンの名称の誕生

1946年、セブンイレブンの名前がついに誕生する。この時に店の営業時間が長くなり、朝7時〜夜11時まで、週7日間オープンするという業態が定着した。

そして、テキサス州の他の地域にも初めてオープンすることになり、その後、別の州へもどんどん拡大していった。

全米で1000店舗達成、24時間営業店も

1963年には1000店舗を達成するまでに成長。同年にテキサス州・オースティンのテキサス大学近くの店が、フットボールの試合後に繁盛することに気づき、毎週末24時間営業を開始した。その他でも24時間営業をする店が出始めた。

国際展開へ

1969年末までに、アメリカではフランチャイズ業務に参入することなどによって、3500店舗を展開するまでに拡大。カナダにも出店し国際化を果たした。

1974年、日本上陸

1974年に世界5000店舗に到達したセブンイレブンは、日本への上陸を果たす。

スーパーマーケットを展開するイトーヨーカ堂(当時)とサウスランド社が提携して、東京都江東区豊洲にセブンイレブンの日本1号店を回転させた。当時激戦区だった中京・関西エリアを避けて、関東を中心に直営・フランチャイズ店の出店を同時に進め、1980年11月末に1000を突破した。(朝日新聞1980年10月29日夕刊など)

40年を迎え、開店当時の写真を手にするセブンイレブン1号店、豊洲店オーナーの山本憲司さん=東京都江東区(撮影日:2014年05月07日)

1990年、日本企業が本家を買収

1990年、イトーヨーカ堂とその子会社のセブン-イレブン・ジャパン(当時)が、経営危機に陥っていたアメリカの本家セブンイレブンを運営していたサウスランド社の株式の69.98%を約4億3000万ドル(当時約560億円)で取得し、買収した。子会社が親会社を買収する異例の展開となった。(朝日新聞1991年03月07日朝刊)

その後、2005年に持ち株会社「セブン&アイ・ホールディングス」を設立、セブン-イレブン・ジャパンは中核としてその傘下入りした。当初はスーパーマーケットが「副業」として始まったコンビニ店だったが、2005年2月期決算では、ヨーカ堂の連結営業利益2119億円のうち9割強をコンビニで稼ぎ出すまでになっていた。(朝日新聞2005年09月01日朝刊、2005年04月21日朝刊)

持株会社セブン&アイ・ホールディングス設立会見で写真に納まる(左から)氏家忠彦取締役、村田紀敏社長、鈴木敏文会長と井坂栄、山口俊郎、浅間謙一各取締役ら(東京・千代田区のイトーヨーカ堂グループ本部) 撮影日:2005年04月20日

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