マレー選手、記者の女性差別?発言を正す。「尊敬する」と称賛の声も【ウィンブルドン】

ウィンブルドンで、試合後の記者会見に臨んだアンディ・マレー選手(イギリス)が、記者の女性差別とも取られかねない発言を正す一幕があった。
Tennis - Wimbledon - London, Britain - July 12, 2017 Great Britainâs Andy Murray during a press conference after losing his quarter final match against Sam Querrey of the U.S. REUTERS/Joe Toth/Pool
Tennis - Wimbledon - London, Britain - July 12, 2017 Great Britainâs Andy Murray during a press conference after losing his quarter final match against Sam Querrey of the U.S. REUTERS/Joe Toth/Pool
POOL New / Reuters

ウィンブルドンの試合後の記者会見で、アンディ・マレー選手(イギリス)が記者の女性差別とも取られかねない発言を正す一幕があった。

2016年の覇者で世界ランク1位のマレー選手は、7月12日の準々決勝でサム・キーリー選手(アメリカ)に破れた。

BBCが投稿した動画によると、記者がキーリー選手に対する評価を尋ねようとした際に、「2009年以降アメリカ人で初めて4大大会で準決勝に進出した選手ですが」と話すと、マレー選手はすかさず「男子選手の中で」と付け加えた。

聞き取れなかった記者が聞き返すと、「男子選手の中での話でしょう」と繰り返した。記者が「そうですね。男子アメリカ人選手で初めてです」と言い直した上で、「その通りだ」と続けると、周囲からは笑い声も漏れたが、マレー選手は顔色一つ変えなかった。

その後、記者は改めて「彼の調整具合や試合ぶりをどう評価しますか」と本来の質問に戻った。

オーストラリアの「news.com」によると、アメリカ人選手では、女子のセリーナ・ウィリアムズ選手が2009年以降、4大大会で12回優勝しているほか、姉のビーナス選手も昨年、今年とウィンブルドンの準決勝に進んでいる。

この記者に‘差別的’な意図があったかどうかはともかく、マレー選手の言動は女子選手に対する尊敬の想いが表れていた。

男子選手に限ると、ウィンブルドン2009年大会のアンディ・ロディック選手以来で、8年ぶりとなる。

マレー選手の振る舞いに対して、Twitter上では「よくやった」「尊敬する」などと称賛の声が相次いだ。

マレー選手の出身地スコットランドのニコラ・スタージョン首相も「コートの中でも外でもなんてスターなんだろう」とツイート。マレー選手の母親・ジュディさんも「これが私の愛する息子だ」と褒め称えた。

マレー選手は、これまでもたびたびテニス界で男女平等を訴えてきたことで知られている。

7月11日にも、マレー選手はウィンブルドン側に“女性軽視“を是正するよう求めた

ウィンブルドンでは、センターコート(メイン会場)で毎日3試合が行われているが、慣習的に男子が2試合、女子が1試合となっている。この不平等な慣習に対して、マレー選手は女子のビーナス・ウィリアム選手とともに、1日4試合にして不均衡を是正するよう要求している。

ウィンブルドン側は、これに対して否定的な反応を見せている。

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