【欧州タマゴ問題】殺虫剤成分含む疑いある製品、フランスのスーパーで回収始まる

「例えリスクがないとしても、フィプロニルが入っているかいないかについて、消費者は知る権利があります」
KIM HONG-JI / REUTERS

ヨーロッパ各地で殺虫剤「フィプロニル」に汚染された卵が見つかっている問題で、フランスにも影響が広がり始めている。農業食料省は、殺虫剤成分を含む疑いのある卵で作られた製品を、対象のスーパーマーケットから回収するよう指示したと発表した。仏メディア「フランス・アンフォ」が報じた。

「フィプロニル」は通常、家畜についたノミやダニの駆除に用いられる殺虫剤で、食品流通に関わる場での使用は禁止されている。大量に摂取すると、神経障害や嘔吐を引き起こす恐れがある。

フランスでは8月11日に、ステファヌ・トラヴェール農業食料相が、フィプロニルに汚染された25万個近くの卵が、4月以降、ベルギーとオランダから仏市場に輸入されたと発表していた。

「ベルギーから来た最初の一群、19万6000個の卵は、4月16日~5月2日に市場に出回りました。これらの卵はすでに消費されていて、健康被害は報告されていません」とトラヴェール大臣は明言。「オランダから来た次の一群には、ロット番号『0NL43651-01』のついた約4万8000個の卵が含まれています。それらは7月19日~28日にかけて小売チェーン『リーダー・プライス』の各店舗で販売されました」と説明した。

「フィプロニルを含む疑いのある製品がフランスのスーパーに置かれているのはあり得ることで、対象製品がやっと特定できました。回収され、結果が分析されることを期待します」と農業食料省の報道官ファニー・モラン氏は述べる。「例えリスクがないとしても、フィプロニルが入っているかいないかについて、消費者は知る権利があります」。

農業食料省は、回収の対象となる食品のブランド名や製品名については明かさなかった。「メーカー側は消費者と同じで、今回の不正行為の被害者です」。モラン氏はこう述べながら、いかなるメーカーのことも「貶める」つもりはないとし、「汚染された疑いがあるのは、ほんのわずかの製品」だと説明。トラヴェール大臣も「私たちが直面しているのは衛生スキャンダルではなく、不正行為。メーカー側もサプライヤーに欺かれたのです」と断言していた。

■限定的なリスク

覚えておきたいのは、フィプロニルに汚染された卵を食べても、少量の摂取であれば健康被害のリスクはごく限られているということだ。

「深刻な健康被害を受けずに済む汚染卵の最大摂取量は、1~3歳の子どもで1日につき1個、成人で1日につき10個」とフランス食品安全庁は見積もっている。また世界保健機関によると、身体に甚大な影響を及ぼすには1日に7~15個の卵を食べる必要があるとも言われている

ハフポスト・フランス版より翻訳・加筆しました。

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