学校に行きたくない子は「動物園にいらっしゃい」 上野動物園のメッセージに称賛の声

「人間社会なんぞに縛られないたくさんの生物があなたを待っていますから」

東京都の上野動物園が8月30日、Twitterの公式アカウントで「学校に行きたくないと思い悩んでいるみなさんへ」「もし逃げ場所がなければ、動物園にいらっしゃい」と呼びかけた。

投稿では、アメリカバクの写真とともに「アメリカバクは敵から逃げる時は、一目散に水の中へ飛び込みます」とその生態を紹介。

その上で「逃げる時に誰かの許可はいりません。脇目も振らず逃げて下さい」「もし逃げ場所がなければ、動物園にいらっしゃい」と呼びかけた。

投稿の最後は「人間社会なんぞに縛られないたくさんの生物があなたを待っていますから」と、動物園ならではの目線で、言葉を綴った。

Twitter上では投稿に対して、「あったかい言葉ですね」「凄ーく素敵な問いかけです」など、上野動物園に対する称賛の声があがっている。

■子供の自殺、9月1日が最多

内閣府の調査によると、2013年までの過去42年間で自殺した18歳以下の子供は1万8048人にのぼる。日付別でみると、「夏休み明け」となる9月1日に自殺した子供が131人と最も多い。

こうした背景から、2016年8月末には神奈川県鎌倉市の鎌倉市中央図書館がTwitterの公式アカウントで「学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、図書館へいらっしゃい」と呼びかけ、大きな反響を呼んだ。

もうすぐ二学期。学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、学校を休んで図書館へいらっしゃい。マンガもライトノベルもあるよ。一日いても誰も何も言わないよ。9月から学校へ行くくらいなら死んじゃおうと思ったら、逃げ場所に図書館も思い出してね。

— 鎌倉市図書館 (@kamakura_tosyok) 2015年8月26日

鎌倉市中央図書館の菊池隆館長は6月、ハフポストの取材に対して「このツイートをきっかけに、学校に行くことに負担を感じている人の居場所としての役割が図書館にあることが分かったのが、大きなことだった」と、このツイート当時を振り返っている

ハフポスト日本版は、自立した個人の生きかたを特集する企画『#だからひとりが好き』を始めました。

学校や職場などでみんなと一緒でなければいけないという同調圧力に悩んだり、過度にみんなとつながろうとして疲弊したり...。繋がることが奨励され、ひとりで過ごす人は「ぼっち」「非リア」などという言葉とともに、否定的なイメージで語られる風潮もあります。

企画ではみんなと過ごすことと同様に、ひとりで過ごす大切さ(と楽しさ)を伝えていきます。

読者との双方向コミュニケーションを通して「ひとりを肯定する社会」について、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。

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