ソフトバンク・孫正義会長に片思い 韓国・大邱東区の切ない願い

現職区長「いつか思いが伝わり、大邱東区への訪問を期待する」。

ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は、日本で生まれた在日韓国人だ。彼の先祖は代々、韓国南部の大邱に住んでいた。

朝鮮日報によると、彼の父親は、大邱市東区で生まれ育った。孫会長の親戚は、今も約50世帯が東区に集落をなしている。

孫会長の10代前から曽祖父までの先祖の墓が15基、同区の山一帯にあるという。

SoftBank Group Corp Chairman and CEO Masayoshi Son attends a news conference in Tokyo, Japan, February 8, 2017. REUTERS/Toru Hanai
SoftBank Group Corp Chairman and CEO Masayoshi Son attends a news conference in Tokyo, Japan, February 8, 2017. REUTERS/Toru Hanai
Toru Hanai / Reuters

また、大邱東区役所の区長と職員は、これまで孫会長の先祖の墓なぎ(墓の管理)を続けてきたという。9月25日、朝鮮日報によると、孫会長の先祖の墓なぎは2011年9月、前区長の任期の時からはじまったという。

秋夕(日本のお盆にあたる名節)を控え、前職の区長と課長級の職員が直接、草むしりをしたという。以降、現職の区長も2014年から墓なぎに取り組んできた。

大邱東区役所は、孫正義会長の先祖を手厚くもてなしてきたことを積極的に広報してきた。

2014年の連合ニュースの報道によると、大邱東区役所は「現職の区長をはじめとした幹部職員など20人ほどが孫会長の先祖の墓なぎをする」と明かした。

また、現職の区長は「世界的企業のソフトバンクの孫会長が故郷に関心を持ってくれることを望む気持ちで墓なぎに乗り出す。いつか思いが伝わり、大邱東区への訪問を期待する」と述べていた。

大邱東区庁

しかし、数年にわたる努力にも孫正義会長側からはリアクションがなかったという。2014年9月の大邱日報によると、2010年には孫会長に招待状を送って大邱訪問を要請し、2012年には墓なぎの場面を盛り込んだ映像を製作したが、回答を受け取れなかったという。

大邱東区役所が孫正義会長にラブコールを送り続けるのは、投資を期待しているからだ。2015年、ヘラルド経済は、大邱東区が2009年に誘致した先端医療複合団地に国内外の企業を誘致するために、全力を尽くしていると報じた。

「なかでも、孫会長に期待する東区役所の視線はひときわ切ない。大邱東区にルーツがありながら、日本最高の企業家として成功した孫会長が投資してくれれば、投資効果だけでなく、それだけ広報効果も大きいだろうという期待が背景にある」と伝えた。

ハフポスト韓国版から翻訳・編集しました。

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