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NHKの31歳女性記者が過労死 長時間労働で労災認定

労災認定を受けてから3年余り、NHKは局内で起きた過労死事案を公表していなかった。

2017年10月05日 07時46分 JST | 更新 2017年10月05日 08時25分 JST

NHKの31歳女性記者が過労死 長時間労働で労災認定

 日本放送協会(NHK)の記者だった女性(当時31)が2013年7月に心不全で死亡したのは過重労働が原因だったとして、14年に渋谷労働基準監督署が労災を認定していたことが分かった。NHKが4日、発表した。ピーク時の時間外労働は月150時間を超えていた。

 職員が労災認定を受けてから3年余り、NHKは局内で起きた過労死事案を公表していなかった。この間、電通の過労自殺事件をはじめ、過労死問題を手厚く報道しており、公共放送としての報道姿勢が問われそうだ。

 亡くなったのは、入社9年目だった佐戸未和(さど・みわ)さん。2005年3月に一橋大法学部を卒業後、同年4月に記者職としてNHKに入局。鹿児島放送局で5年間勤めた後、10年7月から東京・渋谷の首都圏放送センターで勤務していた。

朝日新聞社

 同センターでは、主に東京都政の取材を担当。都庁の記者クラブに所属していた。亡くなる直前は、13年6月の都議選、同7月の参院選の報道にかかわった。参院選の投開票から4日後の7月25日、都内の自宅のベッドで倒れているのを親しい友人が発見した。前日の未明に帰宅した後、うっ血性心不全を起こして急死した。

 渋谷労基署によると、亡くなる直前の13年6月下旬から7月下旬まで1カ月間の時間外労働(残業)は159時間37分。5月下旬からの1カ月間も146時間57分にのぼった。労基署は都議選と参院選の取材で「深夜に及ぶ業務や十分な休日の確保もできない状況にあった」と認定。「相当の疲労の蓄積、恒常的な睡眠不足の状態であったことが推測される」とした。

 遺族によると、会社が管理していた勤務記録上の時間外労働(残業)は70時間程度だった。だが、業務用のパソコンや携帯電話の使用履歴などから、それを上回る長時間労働が判明したという。遺族は13年10月に遺族が労災を申請し、翌年4月に認められた。

 佐戸さんの父は「適切な労務管理が行われず、長時間労働が放置されていた。NHKは未和の死を忘れず、全社員で未和の死を受けとめ、再発防止に力を尽くしてほしい」と話している。

 NHK広報は朝日新聞の取材に対し、「当初は遺族側から公表を望まないとの意向を示されていたので、公表を控えていた。佐戸さんの死をきっかけにした働き方改革を進める上で、外部への公表が必要だと判断した」としている。(牧内昇平)

(朝日新聞デジタル 2017年10月04日 20時51分)
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