アート&カルチャー

SNSに思いやりって、ありますか? Instagramが"愛"のアートウォールから目指すもの

東京に真っ赤なアートウォールが出現しました。

2017年10月08日 10時31分 JST | 更新 2017年10月08日 10時31分 JST
Aya Ikuta / HuffPost
ハフポスト日本版ブロガーの那須野純花さん

SNSを使っていて、嫌な気持ちになった。自分の投稿に書き込まれたコメントがチクリと心に刺さったり、攻撃的な言葉をたまたま目にしてしまったり。

これはきっと、SNSを使っている人なら誰もが経験していると思う。

スマホによって私たちのライフスタイルは大きく変わったが、それと同時に、「SNS疲れ」や「ネットいじめ」といったネガティブな要素も浮上した。SNSが若年層のメンタルヘルスに悪影響を及ぼしているとの研究結果も発表されている

そんななか、若年層から圧倒的な支持を得るInstagramが10月4日、東京・青山に「#思いやりを言葉に」をテーマにした巨大なアートウォールを期間限定で公開した。

Instagram

このキャンペーンは、Instagramの利用者にウォールの写真や動画を撮影してもらい、「#思いやりを言葉に(英語では#KindComments)」というハッシュタグとともにポジティブなメッセージを添えて投稿を呼びかけるというもの。

2017年3月にスタートし、これまでにアメリカ・ニューヨークなど世界各都市でアートウォールが設置された。

#KindComments」というハッシュタグをInstagramで検索すると、10月4日時点で2万5000件以上の写真や動画が投稿されている。このキャンペーンを通して、Instagramにポジティブなメッセージを広めていく狙いだ。

Ryoko Tajima / HuffPost

アートウォールが公開された4日昼ごろ、通りかかった高校生がさっそく写真撮影をしていた。

アートウォールのデザインを手がけたのは、イラストレーターのChocomooさん(@yukachocomoo)。赤をベースに、キャラクターたちが"愛"を掲げているデザインにしたという。

同社はなぜこのキャンペーンをスタートさせたのか。キャンペーンに込めた思いや、Instagramを楽しく使い続けるためにできることを、同社の最高製品責任者ケビン・ウェイル氏に聞いた。

Ryoko Tajima / HuffPost

<ハフポスト日本版のインタビューに応じたケビン・ウェイル氏。東京での「#思いやりを言葉に」キャンペーンローンチを記念し、来日した。>

——なぜ「#思いやりを言葉に」キャンペーンを立ち上げたのでしょうか?

私たちはInstagramを、世界で一番思いやりの心にあふれたコミュニティーにしたいと思っています。そのためには、誰もが"安心"できるようなコミュニティーにすることがまず第一に必要です。

ネットいじめは世界中で深刻な問題です。すでにInstagramではコメントをフィルタリングできる機能や、ヘイトに該当するコメントを人工知能によって自動的に削除する機能を導入するといった対策をしています。

それだけではなく、人の「思いやり(Kindness)」がInstagramにどんどん広がっていくような取り組みもしたいと考え、今回のキャンペーンをスタートさせました。

このキャンペーンを通して、世界中のInstagram利用者がポジティブな言葉を目にして、ポジティブな気持ちが連鎖し、自ら思いやりにあふれた言葉を発信していってほしいと思っています。

Instagram提供

Instagram提供

<上からアメリカのニューヨーク、インドネシアのジャカルタで設置されたアートウォール。>

——日本のInstagramユーザーに対してどのような印象を持っていますか?

日本国内だけで、Instagramの月間アクティブユーザー数は2000万人を超えました。ありとあらゆる年齢のユーザーが、家族や友人たちに自分の人生をシェアするため、情熱を注ぐためにInstagramを使ってくれています。

今回日本に来て、はじめて『インスタ映え(instagenic)』という言葉を知りました。この言葉は欧米にはありませんが、『インスタ映え』に似た感覚というのは存在します。

ただ、日本のInstagramユーザーは、思い出を残したり自己表現をしたりするために、「何をInstagramのフィードに投稿するか」ということをすごく考えているのではないかと思います。

Aya Ikuta / HuffPost

<10月4日の「#思いやりを言葉に」のローンチイベントでは、インスタグラマーも招待された。写真撮影に応じてくれたそそさん(@_soso_american_boy_)、あーぽんさん(@a_ponnnn)、ビリまゆさん(@mayu_fancy)。3人とも、Instagramで個性あふれる、自分だけの"世界"を表現している。>

——2016年に実装されたストーリー機能も支持されています。

ストーリーズ機能(24時間で投稿した写真や動画が消える機能)が追加されたことで、さらに自分の暮らしの中のおもしろい瞬間、ちょっとくだらない瞬間なども気兼ねなく投稿できるようになりました。

日本のユーザーはもちろん、多くのユーザーがそこに安心感を抱いているのではないかと考えています。

Instagramには自分の最高の瞬間、ハイライトをシェアできる空間(フィード)と、それ以外の暮らしの瞬間をプレッシャーなくいつでもシェアできる空間(ストーリーズ)がある。それがより強みになっていると実感しています。

——私自身もそうですが、SNSを使っていると疲れてしまうことがあります。フォロワーの反応が気になってしまう、という時もあります。Instagramを楽しく使うために心がけるべきことはなんでしょうか?

Instagramをはじめ、SNSを使う上で最も大事なことは、「自分」が投稿したいと思った時に投稿するということです。

「他人」を意識して何かを投稿するべきではないし、Instagramを更新することにプレッシャーを感じてほしくありません。

Ryoko Tajima / HuffPost

私は、自分の家族や友人に自分の人生の一部をシェアしたいからInstagramを使っています。私自身の哲学ですが、とにかく「自分の人生を精一杯生きる」ということを優先しています。

いい夫であり、いい父でありたい。仕事も精一杯やって、適度に運動をして健康でいたい。

その意識を持って日々生活して、その中で「この瞬間を誰かにシェアしたい」と思った時だけ、Instagramを更新します。自分のInstagramは、自分のためにあるものです。だからこそ、自分がコントロールする、ということが大事なんです。

Aya Ikuta / HuffPost

今回の取材は、ハフポスト日本版の女子大生ブロガー・那須野純花さんも同席してくれた。

普段からInstagramを使っている那須野さんは、「他のSNSに比べてInstagramは明るい気持ちで投稿する人が多いような気がします」と話す。

「ポジティブな感情を自己流に表現できる場なので、誰もが共感しやすいキャンペーンのように感じました。身近な友人以外に投稿を機に繋がった人もいるので、Instagramは常に前向きな、解放された空間であってほしいと思います」

アートウォール設置場所:東京都港区北青山2-14-6(最寄り駅は外苑前)
公開期間は10月4日〜10月15日まで。