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三式戦闘機「飛燕」がヤフオクで1500万円 「日本へ帰還させたい」と出品

パプアニューギニアで1970年代に回収⇒オーストラリアで航空機コレクターが保管していたという。

2017年10月10日 17時35分 JST | 更新 2017年10月11日 00時51分 JST

太平洋戦争で使われた、旧陸軍の三式戦闘機「飛燕」がヤフオクに出品されている。

商品説明によると、この機体はパプアニューギニアのウェワクで1970年代に回収され、オーストラリアで航空機コレクターの手によって保管されていたという。

出品者は「オーストラリアのコレクターより日本へ帰還させたいとの依頼を受けて、出品する事となりました」と説明している。

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ヤフオクに出品された「旧日本陸軍 三式戦闘機 飛燕 Ki61 機体一機」の写真

出品スタート額は1500万円。出品者によると金額の理由は、1970年代当時の「機体購入費、道路が無いジャングルからの引き揚げ作業費を含む輸送費、オーストラリアへの輸送費など実費」だという。

機体は「第68戦隊の第2中隊機」で「空戦時の機体ダメージにより胴体着陸をしたと推測」されるとしている。

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ヤフオクに出品された「旧日本陸軍 三式戦闘機 飛燕 Ki61 機体一機」の写真

主翼や主脚は損傷しているが、レストアされず保管されていたため「オリジナル塗装の状態」だという。

オリジナルのエンジン「川崎ハ-40」(プロペラ、カウリング付き)、コクピット内のレバー類などは残っているが、機銃などの兵装は付いていないという。

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ヤフオクに出品された「旧日本陸軍 三式戦闘機 飛燕 Ki61 機体一機」の写真

出品者によると、「一部の方による出品が詐欺や嘘や怪しいとのカキコミ」があったようだが、「飛燕オーナーは数年前から日本の企業や博物館に打診をしておりました。返答は置き場所がないなどの理由で断られております」と説明している。

■三式戦闘機「飛燕」とは?

時事通信社
川崎重工業の創立120周年記念事業で、精密に復元された戦闘機「飛燕(ひえん)」=13日、兵庫県神戸市中央区 撮影日:2016年10月13日

三式戦闘機「飛燕」は1943年に制式採用された戦闘機。空気抵抗を小さくするため、液冷エンジン(液体で冷却する構造)を搭載。太平洋戦争で使われた日本の航空機のうち唯一、液冷エンジンを装備した戦闘機で、スリムなシルエットが特徴だ。

ドイツの戦闘機「メッサーシュミット」に搭載されたダイムラーベンツの液冷エンジンの製造権を取得し、改良を加えながら川崎航空機(現:川崎重工業)が国産化した。

主力戦闘機として採用されると、太平洋戦争後半のニューギニア、フィリピンなどの戦線で攻撃・船団護衛に従事した。高空性能に優れていたが、液冷エンジンは動力系統の故障に悩まされた。

1945年3月には、飛燕のエンジンを直径の大きな1500馬力の空冷エンジンに変更した「五式戦闘機」も採用。本土防空などに従事した。

鉄鋼や特殊金属の資源を海外に頼った日本は、少ない資源を有効に活用するために、各戦闘機の性能向上を目指し、同じ機種でも次々に改良型を出した。飛燕はB29の本土爆撃を迎撃するために、より高度を上げても戦えるように改良を重ねた。
(2009年03月12日 朝日新聞・朝刊)

飛燕は、約3000機が生産されたとされるが、現存するのは1機のみ。経済産業省が認定する「近代化産業遺産群」の一つとして認定されている

設計者に従事した土井武夫(1904~96年)は九五式戦、屠竜、五式戦なども設計。戦後は川崎重工業の航空機部門で自衛隊の練習機などを手がけ、戦後初の国産中型輸送機「YS-11」の設計にも参加した。

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