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北朝鮮のミサイル発射 兆候をつかんでいた政府が、事前公表しない背景

なぜ?

2017年11月30日 09時07分 JST | 更新 2017年11月30日 09時07分 JST

Asahi
閣議後、記者の質問にこたえる小野寺五典防衛相=29日午前8時39分、首相官邸、北村玲奈撮影

ミサイル、兆候つかんでいた政府 注意喚起しない事情

 北朝鮮が29日に発射した弾道ミサイルについて日本政府は事前に兆候をつかんでいた。しかし、不完全な情報で不安をあおるリスクや情報収集を他国に依存している事情を考慮し、公表して国民に注意喚起することはなかった。

 「ミサイルの動きを完全に把握し、危機管理に万全の態勢をとった」

 安倍晋三首相は29日、記者団や参院予算委員会で繰り返し強調した。

 政府内では2日前の27日からミサイル発射の兆候を捉えた情報が駆け巡った。首相は官邸から車で約15分の自宅には帰らず、官邸隣の公邸に連泊した。菅義偉官房長官は衆院赤坂宿舎から駆けつけ、ミサイルがまだ飛んでいる最中の午前4時すぎに臨時会見を開き、「我が国の排他的経済水域(EEZ)内に落下するとみられる」と予測した。

 ミサイル発射後の初動は迅速だが、日本政府はこれまでもミサイル発射や核実験の兆候を事前公表したことはない。

 背景には、情報収集や分析を米国や韓国に大きく依存しているという事情がある。日本政府も6基の情報収集衛星を運用しているが、「大まかな動きは分かっても日本単独の情報では詳細は解明できない」(政府高官)のが現実だ。他国から得た情報をむやみに公表すれば信用を失い、重要な局面で情報が入らなくなるという懸念は大きい。日本政府が独自に収集した情報をもとに公表しても、北朝鮮が計画を変更するなどのリスクがある。

(朝日新聞デジタル 2017年11月29日 20時35分)
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(朝日新聞社提供)