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2017年12月12日 12時47分 JST | 更新 2017年12月12日 16時23分 JST

「マタニティマークで嫌がらせ?を変えたい」電車で座りたい妊婦と譲る人、LINEでスムーズに繋ぐ実験を実施

#LINEで席ゆずり実験 東京メトロで。一般参加もできます。

車内で座席に座りたい妊婦と譲りたい人をつなぐ実証「#LINEで席ゆずり実験」が12月11日から東京メトロ銀座線で行われている。

一般社団法人PLAYERS /「アンドハンド」プロジェクトチーム

発案した一般社団法人PLAYERS​​​​​​の有志プロジェクト「アンドハンド」リーダー、タキザワケイタさんは、8年前、妊娠していた妻と満員電車に乗った経験が、このアイディアの元になったと話す。

切迫早産になった妻、席を譲ってくれたのは...

タキザワさんの妻は第一子を妊娠中に切迫早産(正常な時期よりも早く子供が生まれそうになってしまう事態)となった。

絶対安静が言い渡された一方で、通院は必要だ。妻に付き添って、タキザワさんも電車に乗り、遠方の大学病院へ。しかし、診療が長引き、帰りに帰宅ラッシュに巻き込まれてしまった。

満員で身動きも取れないほどの車内。タキザワさんは先に乗り込んで空いている席を必死に探したが見つからない。ハラハラしていたところで、30代ぐらいの強面の男性が気づいて、妻に席を譲ってくれた。

「本当にありがたかったです。と同時に、ショックも大きかった。妻が妊娠するまで、電車移動で危険な目に遭っている妊婦がいると想像していませんでした。そして、それまでマタニティマークの存在すら知らなかった自分も、人に席を譲ることができていなかったことがわかりました」

「マタニティ―マークは危険」の不安が広がっていた

タキザワさんはこの経験を覚えていた。そして、2016年に行われたgoogle主催のコンテストに応募する際に、マタニティマークに注目。しかし、検索してみると「マタニティ―マークは危険」という別の不安も広がっていることに気付いたという。

「当時、googleで「マタニティマーク」を検索すると、予測変換に「危険」「危ない」「嫌がらせ」などの言葉が並んでいました。ニュースの記事などで、「わざと押された」などの嫌がらせ体験が報告されて不安が広がり、『怖いから付けない』という人も。自分の子どもたちが大人になったときに、そんな日本のままではいけない。何かを変えなくては、と思ったんです」

実用化に向け、タキザワさんは男性や妊娠の経験がない女性に対してアンケートを実施した。その結果、8割の人が妊婦には席を譲る必要があると考えている一方で、6割の人が妊婦に席を譲る事ができなかった経験があると回答した。

理由の上位には「妊婦かどうか判定できなかった」「スマホを見ていて気付かなかった」「声を掛けるのが恥ずかしかった」などが挙げられていた。

今回のLINEを使ったシステムでは、妊婦がLINEで「席に座りたい」のメッセージを発信すると、同じ車両内にいる、「サポーター」として登録した乗客のLINEに「妊婦さんが近くにいます」と通知される。

乗客は、「席を譲る」ボタンを押して、自分の位置を入力。その位置が妊婦に通知され、妊婦が乗客のところへ移動することで、マッチングが成立して席が譲られるという仕組みになっている。

「本当は優しい気持ちを持っている人だって多い。このシステムで対話が増える社会にしたいと思います」とタキザワさんは期待している。

  ◇    ◇

参加した妊娠8カ月の女性「ITで現実的な解決に」

初日の11日の実験には、約4200人が参加。12日午前11時時点で85件の「席ゆずり」が成立したという。

実験に参加したうちの1人、妊娠8カ月の会社員の女性は普段、マタニティマークを付けて銀座線で通勤している。満員電車に遭遇した時には体力の限界を感じて涙することもあるが、席を譲ってもらえることも多いという。

今回の実験では、電車に乗り込んだ瞬間に、5人のサポーターから通知が届き、座席譲りのマッチングが成立した。一方で、電車が混みすぎていて、座席まで移動することさえ困難だったため実際には座ることができなかったという。

「サポーターの数が多くなれば、マッチング精度も上がると思います。私もマタニティマークは危険というネガティブな意見は、妊婦前には怖がってました。しかし、いざ妊婦になると優しい方の方が多いかなと感じますね。わざわざ肩を叩いて譲ってくれる方もあり『そんな勇気私にはなかった!みんな凄い』と思いながら、ありがたく思っています。ITやデザインを使って綺麗事で終わらせず、現実的な解決につながる結果につながればいいなと思っています」と女性は話している。

LINE画面
女性が実際にやり取りしたLINEの画面

  ◇    ◇

実証実験は有志のプロボノプロジェクト「アンドハンド」と、東京メトロ、大日本印刷、LINEの3社の共同事業として行われている。

大日本印刷情報イノベーション事業部の担当者は「初日から積極的にサポート頂いており、実験は順調です。需要があるか、社会にどの程度受け入れられるか確認しながら、実用化に向けて進めていきたい」と話している。

実験は15日まで。東京メトロ銀座線の1日8本の特定の車両を対象に行われており、終了後は参加者の意見を元にシステムが改良され、実用化を目指す。

期間中、LINEで「&HAND」アカウントと友達になり、登録することで誰でもサポーターとして実験に参加できる

一般社団法人PLAYERS /「アンドハンド」プロジェクトチーム

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