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「怨霊となり永遠に祟る」 富岡八幡宮事件、弟は“呪いの遺書”投函も 心理学者がみる家族間トラブルの難しさ

「家族間トラブルは解決が本当に難しい」

2017年12月12日 12時31分 JST | 更新 2017年12月12日 17時51分 JST

 7日、富岡八幡宮の宮司・富岡長子さんがかつて宮司を務めた弟・茂永容疑者に殺害された事件で、姉を殺した後に自殺した茂永容疑者からは神社の関係者に手紙が送られていた

 手紙の差出人は「富岡茂永」名義で、郵便印の日付は8日。事件の直前に投函されたものとみられ、手紙には「さて、先ずは約30年に亘り続きました、富岡家の内紛について、その真相を此処にお伝えさせて頂きます」と自身の主張や長子さんらへの誹謗中傷がA4用紙8枚にわたって綴られている。

 手紙によると「私が辞めれば特をする人間対、私と再婚したての妻真里子との戦い」と宮司を追われた時の様子や、「長子らが、私と妻を辞めさせて追い出したかった理由がもう1つあります」と長子さんと真里子容疑者の間にもトラブルがあったことが書かれている。

 茂永・真里子容疑者夫婦は2度の離婚と3度の結婚をしているが、最初に結婚した2000年ごろに真里子容疑者が長子さんから誹謗中傷を受け、その時、真里子容疑者は強いショックを受けていたという。当時、茂永容疑者は宮司で、夫婦そろって富岡八幡宮の敷地内で暮らしていた。

 茂永容疑者が宮司の職を追われた後、東京を離れた2人は今年7月まで福岡県宗像市に住んでいた。今年3月には、真里子容疑者の名前で長子さんを誹謗中傷する告発文書が、当時富岡八幡宮の宮司の任命権を持っていた神社本庁に送られている。一方の茂永容疑者は、関係者に「宮司に返り咲きたいからお願いします」と漏らしていたというが、今年9月、長子さんが正式に宮司に就任したことで宮司に返り咲くことはなくなった。

 そんななか、手紙の中で強く要求していたのは「自分の息子を宮司にすること」。茂永容疑者の主張によると、息子は富岡八幡宮で働いていたものの長子さんに辞めさせられたという。息子が宮司になる道も断たれたが、それでも手紙では息子を宮司にすることを強く要求し、最後には「もし、私の要求が実行されなかった時は、私は死後に於いてもこの世に残り、怨霊となり、私の要求に意義を唱えた責任役員とその子孫を永遠に祟り続けます」と綴られている。

 30年続く内紛が殺害に及んだ今回の事件。臨床心理士で明星大学准教授の藤井靖氏は家族間トラブルの難しさを次のように語る。「家族間トラブルは解決が本当に難しい。家族同士は遠慮もないし、家族だからある意味逃げられない。特に、継ぐ・継がないという話は人生に大きく関わってくる。今回は姉弟トラブルでもあるが、結婚するとそれぞれに配偶者ができて登場人物がより多くなってくる。人間関係もさらに複雑になる。そうなると事態の解決はさらに難しくなる」。

 人柄をよく知っている家族にも関わらず、なぜ仲がこじれてしまうのか。関係がうまくいく・いかない点について「差は紙一重だと思う。人が近づけば近づくほど色々なトラブルが起きやすく、家族間の口論や言い争いは家族だからこそ堂々巡りになりやすい。特に"兄弟間"ともなるとより解決は難しく、相手をよく知っているために『あの人はこういう人だ』と固定観念で接することにつながる。自分の中で相手像を作って接するのは問題の解決に繋がらないことが多い」と"家族だからこそ"の要因をあげた。

 トラブルの解決には「境界線を引いて適切な距離を保つこと」が必要だというが、藤井氏は「ここまで拗れてしまうとなかなか解決の方法は難しい。拗れた状態でそこまで対処するのは難しい」とし、兄弟間トラブルの予防的な観点として2点を指摘する。

 「過去の事例を聞くと、実は子どもの頃から(トラブルが)始まっていることがある。表面的には仲が良くて争いが顕在化していなくても、親が兄弟を比較して育てることがあるとそれが1つの火種になりうる。ありがちなことだとは思うが、親と子が1対1で絶対的な評価で向き合うこと、比較して育てないことが大事。

 もう1つは大人になってからの話。どうしても兄弟は子どもの時の関係性やイメージで接してしまう。大人になって人格的に成長し、社会的な地位について色んな意味で自身をつける中で、姉が高圧的に接したりすると弟はプライドが傷つけられる部分があるかもしれない。大人同士の付き合いができることが予防策になる。」

(AbemaTV/『けやきヒル'sNEWS』より)

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