キタサンブラックってどんな馬? 北島三郎が惚れ込んだ澄んだ目のサラブレッド

有馬記念でラストランへ 最後の祭りに注目。
第156回天皇賞・秋で優勝した武豊騎乗のキタサンブラック(2017年10月29日東京競馬場)
第156回天皇賞・秋で優勝した武豊騎乗のキタサンブラック(2017年10月29日東京競馬場)
時事通信社

12月24日の有馬記念で、キタサンブラックがラストランとなる。GI・6勝の戦績を誇る王者は、どんなサラブレッドなのか?

■父はディープインパクトの全兄

キタサンブラックは2012年3月10日、北海道日高町のヤナガワ牧場で生まれた。

父のブラックタイドは、7冠馬ディープインパクトと父母を同じくする全兄のサラブレット。母のシュガーハートは一戦も走らずに繁殖入りしたが、母の父サクラバクシンオーは、日本を代表するスプリンター(短距離馬)として名高い。

2006年11月26日、ジャパンカップを制した武豊騎手騎乗のディープインパクト
2006年11月26日、ジャパンカップを制した武豊騎手騎乗のディープインパクト
時事通信社

■北島三郎はキタサンブラックの澄んだ瞳に惚れた

キタサンブラックの馬主は演歌歌手・北島三郎が代表を務める大野商事。1歳になった2013年の秋に買われたという。

北島は個人名での所有を含めると馬主歴50年以上だ。しかし、購入した当時、キタサンブラックが最強馬になるような片鱗は感じられなかったと、毎日新聞で告白した。

「馬の業界で言うと、体が薄い。線が細くて足が長く、あまり感心されなかった」

それでも、澄んだ目と二枚目の顔で購入を決めた。

「目と顔を見て、この馬を買いました。写真を撮るときに暴れずポーズを取る。スターの素質がある」(日刊スポーツより)

第153回天皇賞・春(GI)を制したキタサンブラックと記念撮影する武豊騎手(左)とオーナーで歌手の北島三郎さん=2016年05月01日、京都競馬場
第153回天皇賞・春(GI)を制したキタサンブラックと記念撮影する武豊騎手(左)とオーナーで歌手の北島三郎さん=2016年05月01日、京都競馬場
時事通信社

■他の馬の3倍厳しいトレーニング

デビューは2015年1月31日の3歳新馬戦。単勝では3番人気だったが、最後の直線、ゴール直前で他の馬を追い抜き、優勝を飾った。

父のサクラバクシンオーがスプリンターだったが故に、キタサンブラックも当時はスタミナが不安視されていた。

しかし、2015年10月26日付の朝日新聞によると、清水久調教師はキタサンブラックに厳しいトレーニングを課したという。普通の馬なら1日1回しか走らないような上り坂を、キタサンブラックは、1日3回走っていた。これが、それがスタミナ強化につながった。

■「おまえを見損なっていたと謝りたい」

デビュー戦以降、キタサンブラックは勝利を重ねてきた。

GIでの初勝利は2015年10月25日の菊花賞だった。このとき北島は「祭り」を歌唱披露した。

この他のGIでも、2016年5月の天皇賞(春)、2016年11月のジャパン・カップ、2017年10月の天皇賞(秋)などを制した。

「これほど勝つ馬になるとは思ってなかった。今はおまえを見損なっていたと、謝りたいぐらいですよ」

そう、北島は語った

■オグリキャップ、ディープインパクトが有終の美を飾った有馬記念

ラストランは有馬記念。これまでこの大会では、1990年のオグリキャップ、2006年のディープインパクトなどが有終の美で飾っている。

この2頭に騎乗していたのは武豊騎手。そしてキタサンブラックのラストランに騎乗するのも彼だ。

武豊はキタサンブラックと共にGIに5回勝利。22日の枠の抽選会では「1番欲しかった」という1枠2番を右手で引いた

日本中央競馬会(JRA)によると、24日午後2時12分現在のキタサンブラックのオッズは1.9倍で1位となっている。

最後のレース、勝利の女神はどの馬に微笑むのか。キタサンブラックの最後の祭りに注目したい。

第 153回 天皇賞(春)

キタサンブラック

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