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「万引きされた責任」問われ給料を4割カット 理不尽な扱い受けたと社員たちが訴え

パワハラ・暴言・暴力も

2017年12月27日 07時34分 JST | 更新 2017年12月27日 07時38分 JST
Kazuki Watanabe / HuffPost
記者会見する原告のAさん

焼き物や刃物など伝統産業のマーケティング業者(都内)の社員2人が、社長からパワハラを受けたなどとして会社を訴え、厚生労働省の記者室で会見した。訴えの申し立ては12月25日付。

社員Aさん(30代・男性)は、パワハラと長時間労働による心労で2016年10月28日に倒れ、うつ病で働けなくなったと主張。社員としての地位保全と、働いていたらもらえたはずの給与分を求める仮処分を、東京地裁に申し立てた。

もう一人の原告で、直営店舗の店長だった社員Bさん(50代・男性)は、高額商品が万引きされたことを社長に叱責され、ショックで1日休んだ。すると社長から「体調不良により店長としてお仕事はして頂いていないと認識しておりますので、今月からの店長手当はとらせて頂きます」と一方的に告げられ、給料を4割カットされたという。Bさんは2017年1月に退職することになったが、「退職は無効」だとして、地位確認などを求める労働審判を東京地裁に申し立てた。

いったいどんな職場環境だったのか

Aさんと、代理人弁護士の説明によると、この会社の社員は約30人で、仕事は社長夫妻が仕切っている。

社長は、ふだん国内外を飛び回っているため、フェイスブックやメールを通じて、社員たちに業務命令を下していた。Aさんは「夜中でも、すぐに返事がないと遅いといって叱責された」「24時間365日、気が休まらない状況だった」と話した。

2015年12月7日に入社したAさんが、職場が「おかしい」と強く感じたのは、入社翌年の1月〜2月ごろ。社長が女性社員を罵倒して泣かせていたことがきっかけだったという。

女子社員を泣かせるような暴言は、日常的にあったとAさんは振り返る。2016年3月19日には、Aさんは社長夫人から「社長が暴言を言って女性社員が泣いているから」と告げられ、フォローするよう連絡を受けている。社長のパワハラは、暴言だけでなく、社内の壁に椅子を投げつけるといった行為もしょっちゅうだったという。

Aさん自身、暴力を振るわれたことがある。2016年4月26日午後7時ごろ、イベント会場内で突然後頭部に衝撃を感じ、振り返ると社長が立っていたという。イベント会場に掲示されているポスター数が少ないという理由だったという。突然、勢いよくつんのめるAさんの姿は、Bさんも目撃しており、「Aさんは社長に殴られたのだとわかった」と陳述書で証言している。

社長夫妻の命令は理不尽なものも多かったという。たとえば、Aさんは顧客への見積もりでは24000部印刷するはずになっている冊子を、13000部だけ印刷するよう命じられた。Aさんは顧客への裏切りだと感じたという。

また、別の社員は、焼き物の組合がやっている事業のパンフレットを、自治体が支出する別プロジェクトの予算で作成しろと命じられて困惑。この社員が正直に自治体に許可を求め、断られたと告げると、社長は「マジメに言ったらダメに決まってるでしょう バカじゃない あり得ない アホとしか言いようがない」「他の印刷物に上乗せしておけばいいだけでしょ!」などと叱責したという。また、社内では、航空チケットの予約が遅れたからといって、差額の数万円を自腹で支払わされた社員もいたという。

原告側代理人の増田崇弁護士は「経営者のパワハラや、違法に減給して退職に追い込むといった行為は、少なからぬ企業が行っている。こうした労働者の使い捨てに、法的に対抗できるということを伝えたい」と話した。