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2018年01月09日 12時36分 JST | 更新 2018年01月09日 12時36分 JST

「お詫びのしようがない」 禁止薬物を別の選手に飲ませた問題でカヌー連盟

加害選手は鈴木康大、被害選手は小松正治だった。

朝日新聞社
報道陣に対応する日本カヌー連盟の春園長公常務理事=東京都渋谷区

「お詫びのしようがない」 薬物混入問題でカヌー連盟

 昨秋に石川県であったカヌー・スプリントの日本選手権で、日本代表候補の男子選手(32)が別の選手(25)の飲み物に禁止薬物を入れた問題で、日本カヌー連盟の春園長公常務理事が9日、報道陣の取材に応じ、「みなさまにご迷惑をかけていることをまずお詫びしたい」と陳謝した。

 午前10時半、同連盟が入居する東京都の岸記念体育館で取材に応じた春園常務理事は、取材の冒頭で、選手同士による薬物の混入があったという事実を認めた。さらに、加害選手は鈴木康大(32)、被害選手は小松正治(25)であることを取材の直後に文書で明らかにした。

 事件の詳細については、「日本アンチ・ドーピング機構(JADA)と調整がついていないのでまだ公表できない」としつつ、私どもの(成田昌憲)会長は、世界連盟でも役員をしており、ドーピングゼロを掲げてやってきた。その膝元からこういう問題が起きたことはカヌー競技のみならず、他の競技団体にも迷惑をかけることで、なんともお詫びのしようがない」と沈痛な表情で語った。

 関係者によると、薬物を混入した鈴木選手は、インターネット通販で自ら購入した禁止薬物を、レース中に放置されていた小松選手の飲水用のボトルに混入したという。動機については、「東京五輪出場が危うくなったと感じ、ライバルを陥れようとした」と説明している。

 春園常務理事は「本来であれば正式にコメントを発表するのが責務だが、今回、いわゆる単純なドーピング違反ではない。JADAとの関係もあり、JADAの最終的な裁定を待たないと私どもとしては正式にコメントできない」と話した。

 一方、スポーツ庁の鈴木大地長官は9日午前、取材に応じ、「事実であるならば大変遺憾。日本のスポーツ史上、聞いたことがないような性質のことだ。人を陥れるような、たちの悪いケースは初めて聞いた」と述べた。スポーツ庁は今後、再発防止に向けた対応を検討するという。

 鈴木長官は今回の不正の背景について「地元開催の(東京)五輪に出場したいという強い気持ちが、こういう形になったのではないか。スポーツをする意味を考え直す必要があるし、我々としてはアンチドーピング教育を徹底しなければいけない」と述べた。選手が自らの飲み物にまで注意する必要があるかを問われると、「気を使って24時間過ごすのは競技力の向上の点からもマイナスになるが、何が起こるかわからないという意味で、選手も細心の注意を払う必要がある」と語った。

(朝日新聞デジタル 2018年01月09日 11時42分)
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