振袖業者「はれのひ」と連絡がつかなくなった新成人 「2年前に予約、60万円払ったのに」成人式入れず涙

「せっかく買ってくれた母親に申し訳ない」。
予約していた振り袖が届かず、着付け会場で立ち往生する新成人ら=横浜市港北区
予約していた振り袖が届かず、着付け会場で立ち往生する新成人ら=横浜市港北区
Asahi

「2年前に予約、60万円払ったのに」成人式入れずに涙

成人の日なのに晴れ着が着られない――。8日、振り袖販売・レンタルを手がける業者「はれのひ」(横浜市中区など)が連絡が取れなくなった問題で、店がある東京都八王子市や横浜市では多くの成人たちが途方に暮れた。

はれのひ八王子店はJR八王子駅口から徒歩5分のビル2階にある。八王子市の狩野由麻さん(19)は事前に店に預けていた着物で着付けをするため、午前4時に店を訪れた。「着いたときから店内は真っ暗な状態でカギもかかっておらず、中には誰もいなかった。30人くらいの人が店の前に集まっていた」と振り返る。

周辺の着付け屋を回ったが、どこも空きがない。親戚に古い着物を借りることができたが、手元になかったファーなどは近くの呉服屋を回って集めた。「人生で一日だけの大切な日。自分が選んだ日本に一つしかない着物で式に出たかった。幸せな日を悪用して怒りしかない」と話した。

「はれのひ」で着付けをしてもらう予約を入れていた別の女性(20)は、他の着付け店でレンタル用の晴れ着を着付けてもらった。成人式の始まる午前10時に間に合わず、会場に入れなかった。「2年前から予約し、着物代やヘアメイク代など60万円を店に支払った。なぜ当日にこうなるのか」と憤った。その上で「せっかく買ってくれた母親に申し訳ない」と涙を流した。

(朝日新聞デジタル 2018年01月08日 17時04分)
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(朝日新聞社提供)

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