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2018年01月30日 16時30分 JST | 更新 2018年01月31日 12時20分 JST

マラソン大会で中学生が心肺停止。事故を防ぐために、ランナーや運営側ができることを聞いてみた。

「体調が悪かったら、棄権も考えて」

nattrass via Getty Images
マラソンのイメージ写真

多くの人に親しまれているマラソンが、時に命の危険を伴うこともある。

1月29日に開催された京都市にある中学校のマラソン大会で、参加した中学2年生の男子生徒がゴール後に倒れ、心肺停止状態で病院に搬送された。

京都新聞によると、生徒は14キロコースを完走した後に倒れ、学校が事実関係を調査している。

こうした事故は後を絶たず、2017年3月には、名古屋ウィメンズマラソンに参加した女性3人が一時心肺停止状態となった。3人は、自動体外式除細動器(AED)を使うなどして全員が意識を取り戻したが、最悪の場合は死に至ることもある。

こうした事故を防いだり、死亡リスクを回避したりするにはどうしたらいいのか。一般社団法人日本ランニング協会に聞いた。

協会の広報担当者は、本人と大会の運営側のそれぞれが注意すべき点を示した。

「自分の体や体調をよく知って」

本人ができる対策として、事前に医師の診断を受けることや体調管理の徹底をあげた上で、「無理をしないため、事故の危険があることを認識するのが大切だ」と説明した。

医師の診断

担当者によると、マラソン中に心肺停止になったり死亡したりするケースで、後から心臓の疾患があったことが判明することがある。本人も病気の自覚がなく、危険性を認識しないままいつも通り走ってしまった場合、「防ぎようない事故が起きてしまう可能性があります」と指摘する。そうした不幸な事故を避けるため、可能であれば、事前に医師の診断を受けることが最善だ。

体調管理

また、睡眠不足や前日に飲酒したことがたたり、レース中に倒れてしまう人も多いほか、食事を抜いてレースに臨むのもよくない。万全の状態で臨むことが事故を防ぐ一因となると説明する。

「マラソンで心肺停止になる事例は多いですが、自分は大丈夫だろうと思ってしまう人が多いです。体調はひとりひとり違うので、自分の体のことをよく知っておく必要があります」

「今回は14キロという距離は、中学生のように若いと、頑張れてしまうので無理をしてしまいがちです。生徒は知識もあまりないと思うので、先生が事故のリスクがあることを説明して、本人が自分の体調に意識的になることで防止につなげてほしいです。体調がすぐれないと思ったら、参加をやめたり途中で棄権したりすることも考えてほしいです」

いかに早く応急処置をするか

一方、運営側としてはどんな対策・対応ができるのか。

万が一心肺停止状態になってしまったら、いかに早く救護するか、時間との闘いだ。日本AED財団によると、救命率は1分ごとに10%ずつ低下する。一方、救急車の到着時間は、東京都で平均7分30秒(2016年)もかかる。

つまり、いかに早く事故や症状を発見し、発見者が心臓マッサージやAEDによる応急処置をするかがカギとなる。

担当者は、そのための手段として、

コース上へのAEDの設置

十分な数の監察員を置く

救急講習を受けた職員の配置

ーなどをあげる。

「例えば大きなマラソン大会では、2、300メートルごとにAEDを設置したり、AEDを積んだ自転車でコースを回ったりしています。できる限り監察員を置いて、緊急事案をすぐに見つけられる体制づくりが大切です」

「学校のマラソン大会では人員や資材に限りがあるので難しいと思いますが、先生方が知識をつけた上で、万全の準備をして臨んでほしいです」