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2018年02月05日 11時16分 JST | 更新 2018年02月05日 11時16分 JST

平昌五輪の一部競技、欧米テレビのゴールデンに合わせる。時差で普段と違う時間に選手ら苦慮

フィギュアは就寝、起床、食事時間を3時間前倒し

朝日新聞社提供
昨年2月の四大陸選手権の男子SPで演技する宇野昌磨

朝型に?夜型に? 平昌五輪代表、競技時間で対策様々

 平昌(ピョンチャン)五輪では、普段と異なる競技時間への対策に選手が追われている。欧米で人気のある競技は、テレビのゴールデンタイムに合わせたスケジュールになっているためだ。

 冬季競技の華、フィギュアスケートは午前10時に始まり、午後2時前後に終わる。

 通常は現地時間の午後か夜に競技がある。そこで、平昌では午前に体を動く状態にしなければならない。日本の選手たちは起床・就寝時間を早め、かつ、朝食の取り方を工夫して体内時計を調節する予定だ。

 選手を食事面で支える味の素の栗原秀文さんは「体内時計は光と食事・血糖値が大事。血糖値を上げると体が『朝だ』と思う」。平昌では就寝と起床の時間と共に食事時間も3時間ずつ前倒し。普段は午後7時に夕食、午前7時に朝食を食べるリズムなら、それぞれ午後4時、午前4時にする。

■食事と光を工夫

 ポイントは、寝る前の食事を避けて朝食時に空腹状態にしておくこと。そこでご飯を食べると体が目覚めるという。また、日本スケート連盟は、高照度の光を照らす機器を希望者に貸し出す。光を浴びると、起床してから出るホルモンが出やすくなるという。早ければ、午前2時、3時に浴びてもらう。

 平昌五輪のテスト大会として、五輪と同じ会場で開かれた昨年2月の四大陸選手権は、男子フリーが午後3時に終わるなど、五輪と近い時間帯に行った種目もあった。

 宇野昌磨(トヨタ自動車)は「(四大陸選手権では)朝早い試合とわかっていたので、夜、なるべく早く寝て早く起きるようにした。(五輪は)もっと早く寝て早く起きるといいかなと思います」と話す。

 逆に、欧州勢に実力者がそろうスピードスケートは普段は日中に行われるが、開始時間の多くが午後8時以降。種目によっては、最終組のスタートは午後11時前後になる。女子3000メートルなどに出場予定の高木美帆(日体大助手)は「日中の時間の使い方を工夫しないと」と話す。

 日本スケート連盟は1月中旬、本番を想定し、長野・エムウェーブで午後8時からタイムトライアルを実施した。女子500メートルの郷亜里砂(イヨテツク)は前日から起床時間を1、2時間遅くして体内リズムを「夜型」に調整。選手たちは食事や昼寝の時間を数時間遅くするなどそれぞれ試行錯誤を続ける。女子500メートルなどに出る小平奈緒(相沢病院)は選手村に入る4日から夜型にしていくという。

■東京五輪にも及ぶ影響

 五輪にとって、多額の放映権料を払うテレビは無視できない存在だ。国際オリンピック委員会(IOC)は2014年、米テレビ局のNBCが、32年までの米国向け放映権を一括で獲得したと発表。NBCは20年東京五輪までの放映権を獲得しており、新たに契約した夏、冬の計6大会とユース五輪の放映権料は計76億5千万ドル(約8374億円)に上る。

 08年北京五輪では、NBCの要求で競泳全種目と体操の一部種目の決勝を午前中に行い、米国のゴールデンタイムに合わせた。IOC調整委員会のジョン・コーツ委員長は、東京五輪でも競泳決勝を午前中に行う可能性を示唆している。(後藤太輔、榊原一生、中小路徹)

(朝日新聞デジタル 2018年02月05日 05時17分)

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