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2018年02月14日 11時48分 JST | 更新 2018年02月14日 12時49分 JST

スノボ平野歩夢、19歳。 命の危機から決勝の舞台に立つまで 弟が見たものとは【平昌オリンピック】

医師には「(落ちる場所が)あと1センチずれていたら、死んでいたかもしれない」と言われた。

時事通信社
スノーボード男子ハーフパイプで銀メダルを獲得し、競技後のセレモニーで日の丸を掲げる平野歩夢=14日、韓国・平昌

スノボ平野、命の危機越えて 弟が見たリハビリ中の闘志

 (14日、平昌五輪スノーボード男子ハーフパイプ)

 命の危機を乗り越えて、五輪の舞台に平野歩夢(木下グループ)が帰ってきた。

 昨年3月、米国で開催されていたプロ大会の試合中に空中でバランスを崩し、ハーフパイプの縁に落下。左ひざの靱帯(じんたい)と肝臓を損傷し、全治3カ月と診断された。医師からは「(落ちる場所が)あと1センチずれていたら、死んでいたかもしれない」と言われた。

 スノーボード人生で初めての大きなけがに、「やってきたことが全て消えたかのように感じた。自分が折れそうになった」という。

 それでも、弟の海祝(かいしゅう)さん(15)は、復帰に向けた平野の闘志を見ている。「リハビリ中、気づけば実家の自室でビデオを見て滑りのイメージを膨らませ、研究をしていた。全然落ち込んでなんかいなかった」。平野は言う。「動けない時に何をするか。人一倍考えられるこの時間を使って、『けがをしてよかった』と思えるようにならないといけないと思った」

 再びスノーボードを履いたのは去年5月。最初は緩やかな小学生用の緩斜面を恐る恐る滑り出した。翌日には大きなジャンプ台でマットへ飛び始める。「すぐに高難度の技の練習を始めるようになって、本当にけがしていたのかなと思った」と海祝さんは振り返る。動けなかった間に膨らませていたイメージをどんどん形にしていった。

 わずか4カ月後、復帰戦となった9月のワールドカップ(W杯)開幕戦で2位に食い込むと、第2戦からは2連勝。勢いを保って平昌入りした。「本当にここまで長かった。でも、けがした時間を無駄にしないように自分をプッシュしてこられた」。逆境をバネに、19歳は高く飛ぶ。(吉永岳央)

(朝日新聞デジタル 2018年02月14日 11時07分)

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