「『愛』を語りながら『わいせつ性』を広げている」パキスタン、公での販売や催しを禁止。だけど...

街の土産物屋や飲食店は「ここは私的な場」
パキスタン北西部ペシャワルで7日、バレンタインデーを前に店頭に土産物を並べる店員=ロイター
パキスタン北西部ペシャワルで7日、バレンタインデーを前に店頭に土産物を並べる店員=ロイター
Fayaz Aziz / Reuters

「バレンタインデー禁止令」のパキスタン、それでも浸透

パキスタン当局はテレビやラジオなどに対し、バレンタインデーを祝うような番組や広告を流さないよう命じる通達を出した。裁判所が「公の場」でのお祝いを禁じたためだが、街の土産物屋や飲食店は「ここは私的な場」と禁止令に構わず支度を整えている。

パキスタンは国民の96%がイスラム教徒だが、近年は若い世代を中心に、バレンタインデーに花束などを贈る習慣が広がっている。7日に出された通達は、首都イスラマバードの高等裁判所が昨年2月に出した禁止令に従ったもので昨年に続き2度目。

裁判所は「バレンタインデーは『愛』を語りながら『わいせつ性』を広げている」と訴えるイスラム教守旧派市民の嘆願を受け、公の場での催しや商品販売を禁じた。フセイン大統領も「我々の文化と関係がない行事は避けるべきだ」と訴えていた。

それでも商店には花飾りや風船が並び、「贈り物 10%割引」と宣伝。飲食店は特別メニューで商機を見いだしている。キリスト教徒の料理人アシフ・ナイムさん(36)は「大切な人への感謝の気持ちは国や宗教に縛られない。今年も食卓にバラを飾り、家族を手料理でもてなす」と話す。(イスラマバード=乗京真知)

(朝日新聞デジタル 2018年02月13日 15時59分)

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