羽生結弦さんが着た「仙台平」の袴とは? 国民栄誉賞の授与式で披露

「伊達藩の藩主の方々が使っていたということもあって、非常に素晴らしい」

フィギュアスケート男子でオリンピック連覇を達成した羽生結弦さん(23)が7月2日、凛々しい紋付き袴姿を披露した。首相官邸で行われた国民栄誉賞授与式での格好だ。

羽生さんは安倍晋三首相から表彰状や盾を受け取った。国民栄誉賞には、記念品も併せて贈られるのが通例だが、羽生さんは「皆様と取れた賞」として記念品は辞退したという。

時事通信社

■人間国宝から「直々に贈ってくださった」

授賞式後、羽生さんは報道陣の取材に以下のように答えたと、スポニチが報じている。

「袴が仙台平(せんだいひら)という、人間国宝である甲田(綏郎)さまが直々に贈ってくださったもの。伊達藩の藩主の方々が使っていたということもあって、非常に素晴らしいものですし、自分は袴に詳しくないんですけども、身につけていて本当に快適。羽生家の家紋もつけさせていただきました」

国民栄誉賞の表彰式に向かうフィギュアスケート男子の羽生結弦選手=2日、首相官邸
国民栄誉賞の表彰式に向かうフィギュアスケート男子の羽生結弦選手=2日、首相官邸
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■仙台平とは?

「事典 日本の地域ブランド・名産品」によると、仙台平は宮城県の地域ブランドで、仙台市で製作されている。江戸時代初期、4代伊達藩主・伊達綱村が京都から織匠を招き、袴・法被・能装束などを織らせたのが始まりという。宮城県産の生糸で織られ、しわになりにくく耐久性に富んだ高級絹織物だ。

仙台平の公式サイトによると、1956年に特に精巧に織った「精好仙台平(せいごうせんだいひら)」が重要無形文化財に、技術保持者として甲田榮佑さんが人間国宝に指定された。

甲田榮佑さんは1970年に死去したが、技術を継承した息子の甲田綏郎さんが2002年に親子2代にわたる人間国宝に指定されている。

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