麻原彰晃元死刑囚を「散骨したい」 四女の代理人が国の支援を呼びかける

「これが誰のところに行くかというのは、大変な問題になります」

死刑が執行されたオウム真理教元代表・松本智津夫(麻原彰晃)元死刑囚の遺骨について、松本元死刑囚の四女の代理人・滝本太郎弁護士が7月11日、東京都内で会見した

滝本弁護士は遺骨をパウダー化し、太平洋に散骨する案を明かし、その費用負担を国に要請したいと語った。

滝本弁護士は11日の会見で、松本元死刑囚の遺骨を散骨する案を明かし、その費用や作業の負担を国に要請したいと語った。

「国相手に要請いたします。助けてください。助けてください。松本元死刑囚の遺骨をパウダー化、および太平洋の不特定の地点から、船から散骨することについて、費用負担と業務をぜひ、国として支援をお願したい」

「骨をパウダー化する前に、お骨の確認、パウダー化と散骨のそれぞれについて、四女と当職が立ち会うということを、国にお願いしたい」

国に支援を求める理由について、滝本弁護士は以下のように語った。

「麻原彰晃の骨は、信者にとっては仏舎利であり、お釈迦様の骨ですから。これが誰のところに行くかというのは、大変な問題になります」

「オウムにはもう無くなってくれと言っている四女及び代理人がそれ(遺骨)を取得するとなると、そこから先、進めようがありません」

滝本弁護士は、松本元死刑囚の遺骨について四女が「オウム集団を増長させないためには、遺骨をオウムの方に行かしてはいけない、麻原家に行かせてはいけない」という意見を以前から持っていたと説明した。

現在、松本元死刑囚の遺骨は東京拘置所内に保管されているが、遺族間で引き取りをめぐって対立が続いている。

共同通信などは関係者の証言として、松本元死刑囚が刑の執行直前に自らの遺体を四女に引き渡すとの意向を拘置所職員に示したと報じている。

法務省は四女に遺体を引き渡す方向で調整。四女も「実父の最後のメッセージなのではないかと受け入れることにします」としている

一方、妻らは「特定の人を引き取り人として指定することはあり得ない」と拘置所側の主張に反発。7月7日に妻、次女、三女らが上川陽子法相と東京拘置所長に対し、遺体の引き渡しを求める要求書を提出している

松本元死刑囚の遺骨をめぐっては、信者らの崇拝対象になりかねないとして公安当局が警戒を強めている。

松本聡香(さとか)さんのペンネームで知られる松本死刑囚の四女は2017年11月に記者会見を開き、教団との決別、両親との相続関係を断つ「縁切り」を宣言した

四女は7月6日、松本死刑囚の死刑執行を受けて「一度の死刑では足りないほどの罪を重ねましたが、彼を知る人間の一人として今はその死を悼みたいと思います」と、以下のコメントを発表していた

私の実父松本智津夫が多大な迷惑をおかけした被害者の方、ご遺族の方、信者のご家族、元信者の方、刑務官の方、そして世間の皆さまに改めて深くお詫び申し上げます。

遺体の引き渡しを求める要求書を連名で提出した三女の松本麗華さんは、7月9日正午付でブログを更新

遺体の引き取り先として、松本元死刑囚が「指定した人がいる」という内容を告げられてはいたが、「東京拘置所は7月9日現在にいたるまで、父が指定した相手が四女だということを、わたしたちには話をしてくださいませんでした」と説明した。

その上で、「父が四女を遺体の引取先として指定したという話について、父が東京拘置所の職員と意思疎通ができなかったという客観的な事実からも、作られた話ではないかと感じております」との考えを示した。

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