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「LGBT」を家族にカミングアウト。その時、父はこう言った。

日本における「AB型」と「LGBT」の人々の割合は同じくらい。

2017年10月30日 14時07分 JST | 更新 2017年10月30日 14時45分 JST

日本のLGBT当事者は全体の7.8%、AB型の比率とほぼ同じと言われています。

「自分の周囲にはいない」のはなく貴方が「気づいていない」、もしくはその当事者が「カミングアウトしたくない」と考えているから。

カミングアウトはとても繊細な問題です。

ホウドウキョク

阿部:

私はストレートなんですけど、LGBTの人たちを応援する『ally(アライ)』という立場で、仕事上でもプライベートでもLGBTの支援をしていきたいと思っています。森下さんはストレートですね

森下:

はい、ストレートです。考え方はニュートラルです。良いも悪いもわかってないので、いろいろ教えていただきたく思っています

阿部:

そして、このコーナーを立ち上げた番組スタッフの山口真弓は、LGBTの当事者です

ホウドウキョク

森下:

山口...いつも通りの呼び方をすると、『グッさん』とボクはもう16年のお付き合いがあります。彼女がADのとき僕は入社1年目のアナウンサーで、ずっと知ってたはずなのに、『知らなかった』。それだけ鈍感だったというわけですね

阿部:

大体わかるよね?

山口:

わかりますよね

森下:

全然わかんない。深夜にいっしょにラーメンを食べに行ったり、ゲームセンター行ったりしてたんですけど、気づかなかったな~

山口:

...そっかぁ...

森下:

なんで、ちょっと怒ってるの?

山口:

私はトイレに行っても『えっ?』て思われるんですけどね

森下:

あれは冗談だと思ってた

山口:

えっ何が?冗談ってどういうこと?

森下:

ほら『男が入ってきたかと思われた』とか、いろいろいろいろ言ってたでしょ

阿部:

言われたことあるの?

山口:

ありますよ。フジテレビのトイレでも、女子トイレの個室に入るところで『そこ女子トイレですよ』って言われたり

森下:

それを飲みの席とかで『ひどいね~(笑)』みたいに言うから、普通に盛り上がってたんですけど。それでも気が付きませんでした。バカです

Facebookで勝手にカミングアウトされた

ホウドウキョク

山口:

今日はひとつ言いたいことがあります。森下さんは、前回の放送後 Facebookにこういう記事をアップしましたね

ホウドウキョク

森下:

...いいんじゃないですか!?どこかに爆弾を置いちゃったのかと思ってドキドキしながら読んだわ。いいでしょ?

山口:

ただ、Facebookってすごいデリケートなんですよ。森下さんと私の共通の知り合いがいっぱいいるわけです。前回はゲストの方もいたので、この書き方だと誰がLGBTなのか、まだ分からないですよね

森下:

グッさんがLGBTかどうかね

山口:

そこに、こんな人が現れたんですよ

ホウドウキョク

森下:

この方も、ボクとグッさんとずっと一緒に仕事している人です

山口:

そしたら、この人の質問に森下さんはこう言ったんですよ

ホウドウキョク

山口:

勝手に!勝手にカミングアウトしてるんです

阿部:

そうか。なんで森下さんがグッさんのカミングアウトするの?

森下:

放送に出たからいいのかなって...ダメだった? ごめんね。じゃあ正解はどうすればよかったんですか?

山口:

まあ、アップする前に...

森下:

あっ『確認とれよ!』ってわけですね。すいませんでした

Facebookはデリケートな世界

山口:

私がカミングアウトする前に、有名なLGBTの方を取材する機会があったんですが、『Facebookの友達申請をしていいですか』って聞かれたんですね。なんでそんなことを言うんですかって聞いたら、『友達になるのを嫌がる人がいる』って言うんですね。Facebookって友達になると、周りの人にもそれが分かるじゃないですか。そこでLGBTの方との関係性が分かると、間接的なカミングアウトになるんですよ。この方は何度も断られたことがあったそうです

森下:

そういうFacebookのデリケートな世界を、ボクの一行でブッ壊しちゃった?

全員:

(笑)

森下:

笑ってる場合じゃないよね。すみませんでした

だれにカミングアウトするべきか

阿部:

グッさんはどのタイミングで誰にカミングアウトしたの?

山口:

一番最初はフジテレビの先輩社員の女性ですね。22歳で働き始めて24歳ぐらいの時に初めて言いました。20歳から初めて付き合った彼女と初めて失恋をしまして、もうこの世の終わりだと思ったわけですよ。それですごい落ち込んでて、その先輩と話しているときに、もう、言ってみようと」

阿部:

その後どうやってカミングアウトを拡散していったの?

山口:

本当に仲のいい人だけに言っていきました。この業界って飲み会が多いじゃないですか。飲み会だと必ず『彼女がいるのか』って話になるじゃないですか。もう、ごまかしていくのが大変で。仲のいい先輩に言っておくと、その先輩がフォローしたり、話をそらしてくれるんです

森下:

ボクは前回グッさんが出てからいろんな疑問が渦巻いているんだけど、ちなみに一緒に仕事をしていたSさんとかOさんは知ってたの?

山口:

知ってた

森下:

え!!知ってたの?

山口:

知らないのは森下さんだけ

森下:

ひどいね~本当にもう~

山口:

みなさん、選んでカミングアウトした方がいいという話です

家族へのカミングアウト

ホウドウキョク

ネット上では去年、双子の兄弟が父親にカミングアウトする動画が話題になりました。

山口:

家族へのカミングアウトは一気にハードルが上がるんです。私は30歳の時に親に言ったんですけど、それまで結構いろんな先輩とかに言ってたから、まあ親にも言えるかな、ぐらいの感じだったんですけど

阿部:

告白慣れしてきた頃ね

山口:

実家に帰って、答え合わせするよ、ぐらいの気持ちだったんです

阿部:

答え合わせってどういうこと?

山口:

自分は昔からスカートもはかなかったし男の友達ばっかりだったし、親はなんとなく薄々気づいていると思ってたんです。だから家族みんなに答えを言っちゃうよ、みたいな感じだったんですが。最初、2コ上のお兄ちゃん話したら、全ッ然分かってなかったんですよ

森下:

そっかあ

山口:

『だって分かってたやろ?』って言ったら『いやお前、テレビで見るけど、そんなん兄弟にいるとは思わへんやけ』って大爆笑されて、これはヤバイと。滋賀県ヤバイと思って

森下:

地元ね

山口:

親へのハードルがさらに上がって。親に話すってお兄ちゃんに言ったら、『それ見たい』ってことになってみんな居間に集まったんです。そしたらもう、2時間ぐらい普通にテレビを見てるだけで、全然切り出せなくて

森下:

分かる、いや分からない...どっちなんだ?

山口:

私は、お兄ちゃんと弟がいて、一応一人娘なんで本当に言えなくて。それでもなんとか言って。実は、今まで友達を連れてきたけど、でもあれは友達じゃなくて付き合ってた人で、とか...

森下:

あ、そういうことがあったの?ご両親も衝撃だったろうね

山口:

お母さんの第一声は『それ治らへんのか?』って

森下:

それは素直な反応なんだろうね。悪気はないんだろうね

山口:

そうそう、そうなんですよ。自分は大学も途中でやめて東京に出てきてるんで『大学辞めたんもそれが理由やったんか?』って答え合わせが始まりました

森下:

お父さんの反応は?

山口:

うちのお父さんすごいかっこよくて。カミングアウトした一週間後にお兄ちゃんが電話をかけてきて『お父さんが初めて泣いたのを見た』って。お母さんはその時まだ消化できなくて、あの子はやっぱり滋賀に戻そうかって話をしていた時に、それまでずっと黙ってたお父さんが怒って

『あいつは30になるまで一人で悩んでたんや。家族にも言わず悩んでてやっと言えたのに。それをこれ以上とやかく言うな』って家族全員を一蹴してくれたらしくて、その時に泣いてたっていうのを、お兄ちゃんが大爆笑しながら伝えてくれました

阿部:

山口家、面白いね

山口:

みんながいろんな思いを抱えてて、受け入れるのに時間が必要だったでしょうね

森下:

お兄ちゃんが大爆笑してるのは悪気ないからね。そこに救われるよね

阿部:

前に世田谷区で同性パートナーシップが始まった時、ニュース番組でカップルに密着してて、やっぱりお父さんにカミングアウトするわけ。『同性の男性と結婚する』って言ったら、お父さんは『お前がそう言うなら何も言わない』って言うの。でも、彼氏を実家に連れて行っていい?って聞いたら『そりゃあダメだ』って言ったの。だから難しいよね。

これからカミングアウトする人たちへ

森下:

グッさんはLGBTの人たちから相談を受けることはないの?まだ家族にカミングアウトしてない人からすると、グッさんは先輩でしょ

山口:

相談はされますよ。そういうイベントもやってます

森下:

なんてアドバイスしていあげるの?

山口:

カミングアウトは、やった方がいいとは一概に言えないですね。自分のタイミングだけでなく、受け入れる方のタイミングもあるし、そこを掛け違えちゃうと取り返しのつかない事になることもあります。本当に慎重にやっていかないといけないんですが、ただ声を出せる人は言ってもらった方が、LGBTは世の中にこんなにいるってことが伝わることになります。でも、やった方がいいとは推奨できない、難しい問題です

ホウドウキョク×FLAG9 11/25放送分

LGBT専門情報コーナー「LGBT LIFE」より

アーカイブ https://www.houdoukyoku.jp/archives/0009/chapters/26217

(2016年12月3日「ホウドウキョク」より転載)