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『ガキ使』の黒塗り問題、日テレ「差別の意図なし。今後の番組作りの参考にさせていただきます」

外国人はどう捉えるのか、街頭でインタビューした

2018年01月12日 11時40分 JST | 更新 2018年01月12日 11時52分 JST

AbemaTIMES

大晦日恒例のお笑い特番『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで大晦日年越しスペシャル!! 絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時』(日本テレビ系)の演出をめぐって、年明けから議論・批判が続いている。

番組の中で、ダウンタウンの浜田雅功が映画「ビバリーヒルズ・コップ」で刑事役を演じたエディ・マーフィのコスプレをした際、顔が黒く塗られていた。これについて、インターネットでは「差別ではないか」とSNSを中心に議論となっている。

この問題は海外のメディアも報じ、アメリカのニューヨーク・タイムズは電子版で「日本のお笑い芸人がブラックフェイスを使って炎上」というタイトルで記事を掲載。さらに、イギリスの公共放送BBCも「ブラックフェイスの役者が出演したテレビ番組が怒りを買う」の見出しで報じた。

お笑い芸人が顔を黒く塗って黒人俳優のコスプレをしたことを外国人はどう捉えるのか。『けやきヒルズ』(AbemaTV)は浅草でインタビューを行った。

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「顔、容姿、特に皮膚の色で表現しようとするなんて、すごく繊細な問題だからやるべきではない」(白人男性・高校生)

「差別というかわからないが、傷つける可能性があるのは確か」(黒人女性・日本文化を研究する学生)

「お笑い番組での放送だから、失礼でもなかったし全く気にならなかった。番組は見たけど嫌な気はしなかった。番組全体が馬鹿げたおふざけな感じだったから、人種差別だとは思わなかった」(黒人男性・「ガキ使」を視聴)

「アメリカでは1950年代にブラックフェイスをしていた歴史がある。アフリカ系アメリカ人を馬鹿にするために新聞に載っていた。それをまたやることは無礼だと思う」(黒人女性・高校生)

「(Q.今でも人種差別はありますか?)ある。そして無知が多い。この問題に向かわなくてはいけない。重要なのは対話。逃げることはできないから」(黒人女性・アメリカ在住)

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日本テレビは、今月6日の『笑ってはいけない』の完全版スペシャルでも黒塗りシーンをカットすることはなく、画面に「浜田がエディ・マーフィ演じる刑事にふん装中」という字幕テロップを入れて放送した。『けやきヒルズ』は日本テレビに今回の件が議論になっていることなどについて質問し、次の解答が得られた。

「ご指摘のシーンについては、ダウンタウンの浜田さんが、あくまで、映画『ビバリーヒルズ・コップ』で俳優のエディ・マーフィさんが演じる主人公『アクセル・フォーリー』に扮したもので、差別する意図は一切ありません。本件をめぐっては、様々なご意見があることは承知しており、今後の番組作りの参考にさせていただきます」

日本にいる外国人からも批判的な声が多いが、日本テレビは「差別の意図はなくあくまでモノマネである」との回答となった。ではなぜここまで論争が巻き起こってしまったのか。この問題をメディアで初めて報じたハフポスト日本版編集長の竹下隆一郎氏は「黒人の肌の色を笑ったと捉えてしまう人がいた」と問題点を指摘する。

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「日本テレビ側に差別の意図はなかったと思う。ただ無自覚の差別こそ問題。お笑いというのはタブーに切り込んだり普段言えないことを言ったりして楽しむ文化や、ものまねでちょっと小バカにして楽しんだりする。ただ、黒人の方が差別されてきた歴史を考えると、お笑いでやるには重過ぎるテーマ。先ほどの外国人の方へのインタビューでは、この番組で取り上げた方達だけでなく話を聞いた人全てが、差別問題について必ずしっかりと意見を仰っていたと聞いた。それほど黒人への差別問題というのは敏感なもの。今回、エディ・マーフィをものまねしている意図はわかるが、黒く塗ったことによって『肌が黒い人をまねた』と範囲が広がってしまった。つまり『黒人の肌の色を笑った』と捉えてしまう人がいた。それがたとえものまねのつもりだったとしてもそう思われた時点でもう許される問題ではない。」

小学校・中学校とアメリカの教育を受けてきた竹下氏。歴史については繰り返し教えられてきたという。また、逆の立場を仮定し「黒人差別問題は日本だとなじみがないかもしれないが、日本だと例えば原爆に触れるのと同じこと。もし被ばく者のものまねがあったとして、お笑い番組だから許してくださいと言われてもさすがに日本人も怒ると思う。それに匹敵するようなテーマだと思う」と見解を述べた。

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インタビューに答えてくれた外国人からは、歴史への言及や「無知が多い」との指摘もある。竹下氏はそれらの知識に加えて「時代の変化」を知ることも重要だと述べた。

「日本社会も多様になり、オリンピックで注目される中で、この論争で誰かを攻撃するのではなく勉強する機会にしたい。インタビューに答えた方も『だから日本はダメだ』と一刀両断しているわけではなく、私たちのことを知って欲しいというスタンスで言っている。バラエティがギリギリのところを扱うのは重要だけど、影響を与える人やそのテーマの歴史など知識が必要。作る側は『表現がせばまる』と思うかもしれないが、今は海外の人が日本に来て、テレビの画面を撮って世界に発信できるような時代。その変化を知ったうえで(お笑いを)作って欲しい」

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

『けやきヒルズ』は毎週月~金曜日 12:00~13:00「AbemaNews」チャンネルにて放送!