BLOG

家に帰れない"帰宅恐怖症"の男性が急増?「自分は悪い人間なんじゃないかと…」

心を休める場所だった自宅からは足が遠のき、やがて帰宅恐怖症になっていった。

2017年12月01日 10時33分 JST | 更新 2017年12月01日 10時33分 JST

AbemaTIMES

妻の待つ家に帰ることを怖れる、"帰宅恐怖症"の夫が増えているという。ネットアンケートでは、20〜30代既婚男性の4人に1人が、帰宅恐怖症だと思っているという衝撃のデータもある。

離婚経験がある50代の男性は「家に帰りたくないなと思うことは正直あった。帰りたくない日は朝まで飲んでいた」。別の50代男性は「カミさんが強すぎるので、旦那の方が気を遣って家によりつかないということはある。飲み、漫画喫茶、車の中で過ごしたり」と話す。

■会社経営者の鈴木氏のケース

会社社長を務める鈴木氏(仮名)は、現在、働き盛りの40代。結婚して3年の妻と、3歳の子どもがいる。帰宅恐怖症になったのは1年半ほど前だ。前に勤めていた会社から独立・起業した頃。原因は、浮気を疑った妻の言動だった。「家でゆっくりしたいのに、いろいろ質問攻めにされた。例えば『今日どこ行って誰といたんだ』『一人って言ってたけど、領収書見たら一人じゃないだろ』とか、『領収書の金額から』とか。きつい。警察の取り調べをずっと受けているような気分だった」。

「帰りたくないもんだから、帰宅が遅くなる。気づけば深夜2時だったこともあって。家の前まで行くけど入らないでコンビニに寄ったりとか。浮気しているならしょうがないが、していなかったのに言われると...。自分は信用されていない、と感じることが積み重なると、自分は悪い人間なんじゃないかと思ってくる」。

AbemaTIMES

心を休める場所だった自宅からは足が遠のき、やがて帰宅恐怖症になっていった。

夫婦問題カウンセラーの高草木陽光氏は帰宅恐怖症になりやすい男性の特徴について「生真面目な人、責任感が強い人、自分の意見を伝えるのが苦手な人。何か夫婦関係で問題があった時に自分が我慢してしまうとか。そういった方はやはり帰宅恐怖症になりやすい」と説明する。鈴木氏も、まさにこのタイプだった。「思考停止する。鬱っぽくなる。動悸とかまではないけど、物事が考えられなくなる」。

しかし、妻の行動はその後もエスカレートした。鈴木氏がどこにいて何をやっているか、スマートフォンを使って監視するようになっていった。「妻名義の2台目の携帯を持っていた。『iPhoneを探す』などの機能で位置が分かったらしい」。

帰宅することに恐怖を感じた鈴木氏が逃げ場所の一つとして通っていたのが、新宿にあるカラオケスナック「スーさん」。長年通っていた店だったからか、マスターの鈴木睦広さんは鈴木氏が帰宅恐怖症であることに気付いていたという。「落ち込んでいる時もあったような気はする。話し込む内容を聞いていると、悩んでいるというか何か考え込むことがあるのかなという感じにみえた」と当時を振り返った。

AbemaTIMES

帰宅恐怖症は1年半におよび、奥さんとの関係はもはや修復不可能になったと感じ、別居して離婚調停が始まった。しかし、それが逆に思わぬ結果をもたらした。

「離婚調停が進む中で、何で自分たちはこうなったとか、何がいけなかったのかを話し合うタイミングがあった」。本音で話し合ったことで、互いのいい部分を改めて認識し合い、和解できた。結果、帰宅恐怖症も克服。「前みたいに帰りたくないという気持ちはない。話し合うことが大事だが、話し合えないのが夫婦だと思う。帰宅恐怖症になる家って。不毛な話し合いにするのではなく感情的にならずに話す。お互いルールを決めて、守っているうちは互いを責めない」。

■母・息子の関係を引きずっている!?

イラストエッセイストの犬山紙子氏が「男の人は、女の人が話し合いを持とうとしても流しませんか?」と感想を漏らすと、男性学が専門の田中俊之・大正大学准教授は「母親って、息子のことに介入してくる。男性は、おそらくその母・息子の関係を引きずっていて、女の人に何か言われると『俺の生活に介入してくるな』というバリアを作って、『怒られる』『指導される』と構えてしまう」とコメント。

AbemaTIMES

「"論破禁止"というのは良いと思う。信頼感をお互い高めていかないと。対話してより良い方にもっていく、信頼を築くというプロセスを何十年もかけてやっていくのが結婚というもの」。

慶應義塾大学の若新雄純・特任准教授

「男は女性よりも劣化するのが早い気がするし、弱い部分も多いと思う。そこで昔は男性に刀を持たせるなど、社会的な仕組み作って弱さを隠してきたんだと思う。次第に男女がフェアになってきた結果、それが現れてきているのではないか。でも、男性はどこかで負けちゃいけないみたいな気持ちを捨てきれずにいるのではないか」

と指摘すると、田中准教授は

「生物学的には、大人になったときに1対1になるよう、女性が100生まれるのに対し、男性は103生まれるという説がある。戦後、戦争があったので一時期は男性が少なかったが、1975年以降は男余り。アラサーの世代では女性に対して男性が12万人余る状態が続いている。ただ、50歳を過ぎると死にだすので、長生きすればするほど男性が足りなくなってくる。80歳くらいでは女2に対して男1くらいになる(笑)」と説明した。

AbemaTIMES

■「こっちが要求する以上はこっちも要求される」

 街の男性に「理想の妻像」を尋ねると、

 ・何も文句を言わず、常に笑顔を絶やさない

 ・へそくりをFXや株式投資でお金を増やして生活費の足しにしてくれる

 ・絶対味覚を持ち、一度食べた料理を自宅で再現できる

 ・セックスを要求してこない

 などの要求が見られた。

AbemaTIMES

田中准教授は

「こっちが要求する以上はこっちも要求される、ということにならないと話にならない。こっちが不機嫌だけど、お前は笑っていろというのは通らない。基本的には2人のチームで進んでいくプロジェクトなので、お互いにとって自分がやられたら嫌なことはやらないようにしようとか、一方的に何かを要求して、相手がそれに反応するのを期待するだけでは、やはりちょっとうまくいかないし、発想としては少し幼い」と指摘。

AbemaTIMES

犬山氏は「離婚率が高いというデータがあって、じゃあどうやってそれを回避できるのかな、ということを結婚前に徹底的に話し合った。チームとしてどっちが得意で、何を分担するのかを話し合った」と自身の経験を紹介していた。

▶『AbemaPrime』は月~金、21時から放送中!

(2017年11月30日「AbemaTIMES」より転載)