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労働時間が長い&生産性が低い日本 個人でできる“働き方改革”3つ

日本の問題は“労働時間”と“休みづらさ”

2017年10月20日 11時16分 JST | 更新 2017年10月20日 11時22分 JST
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 社会全体が注目する働き方改革。今回の衆議院選挙でも各党が働き方について提示し、様々な働き方の主張を展開している。

 これから社会に出る若者は働くことについてどう考えているのか。「日本ではなくフランスで働きたい」と話すのは、大学4年生の男性(22歳)。「ホームステイをした先では、仕事が18時に終わってみんな家族との時間を大切にしていた。それがいいなと。フランス人から『日本では働きたくない』と言われて、自分もその考えは一致している。フランスでは働く時間が週35時間で、日本は週48~50時間くらい。『その環境では働きたくない』ってみんなから散々言われる。"Travailleur dur(働き者)"って」。

 では、実際に働いている若者はどうなのか。栄養士の女性2人に話を聞いてみると、「先輩達が残っていて、空気的に帰っちゃいけないのかなっていうのはある」(20歳)、「自分の仕事が終わって就労時間が終わっていても、周りを見てこれは手伝わないといけないかなっていう時がある」(21歳)と帰りづらい場面があることを告白。有給についても「取れない。(使いづらい)雰囲気が出ている」(21歳)と消化できていない状況を訴えた。

 また、システムエンジニアの男性(26歳)は「会議が多い。(週に)少なくとも10回くらい会議をやっている。(多すぎて)何の会議だろう?ってたまに忘れちゃうこともある。1日2時間だったら2回あって4時間、営業時間の半分」と会議の多さに苦言を呈した。

■日本の問題は"労働時間"と"休みづらさ"

 日本の働き方のどこに問題があるのか。『けやき坂アベニュー』(AbemaTV)では、ワークライフバランス・広報室室長の松尾羽衣子さんに話を聞いた。松尾さんによると、日本の働き方の問題点は2つあるという。

 「1つ目は、労働時間がすごく長いということ。日本は世界を見てもトップレベルで働いている。それだけではなく、生産性がすごく低くて20年連続で先進国の中で最下位。つまり、すごく長い時間働いているのに生み出す価値が1番低い。集まることが目的になっている会議などもある」と、"労働時間"の長さをあげる。

 2つ目にあげるのは"休みづらさ"。「上司が残っていると帰りづらい雰囲気があることや、休む時に『申し訳ありません』と言う人が多いのが日本。日本は有給消化率が50%と低い国で、有給が権利として認められている先進国の中でも最下位になっている。これは"長く働いた方がいいよね"という文化があるから」と勤務時間の長さが評価される点を指摘。その背景として、「元々日本は国に物が少ない状況だったので、洗濯機や冷蔵庫などを人が求めていた。他社が明日納品なら『ウチは今日納品します』とか、他社が夜8時までの営業なら『11時まで、なんなら24時間営業』というような形で勝ってきた人達が会社の中心になっている。そうなると長く働くのがいいことという風潮になって、早く帰るのが良くないことだと思われる」と経済成長の影響を説明した。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングが新入社員を対象に行った調査によると、ここ10年、「会社に望むこと」は「給料が増える」が30~40%で高く推移している一方、近年数値が高まっているのが「残業がない・休日が増える」項目。2017年度には「給料が増える」を抜き、40%を上回った。松尾さんによると、「『最近の若い人達って甘えてるよね』『ゆとり世代だよね』といったことを言う人がいるが、(若者には)違う意識が2つある」という。

 「まず、会社以外での成長を求めている成長意欲が高い人達。朝から晩まで仕事をするのではなく、新しい人と会うとか、人とは違う経験をすることでどんどん成長していきたいという人が増えてきている。優秀な学生は、会社を選ぶ時に"自分の時間をきちんと使えるか"をかなり見ている。もう1つが、ワークライフバランスの意識。例えば、お父さんが長時間労働をして遅くまで帰ってこないとか、お父さんが家に帰ってくるとその度にお母さんと喧嘩ばかりしているのを見て、『お金を稼ぐことが本当に幸せなのか』と疑問を持っている学生がいる」。

 インタビューで大学生が話した「フランスで働きたい」という言葉。海外で労働時間はどのように守られているのか。

 「フランスの労働法典を見ると、週に35時間または年に1607時間を超えてはならないということが決まっている。また"インターバル規制"というものがあって、前の日の仕事が終わってから11時間の間は次の日働いてはいけないという決まりがある。必ず休むということが守られていて、ルールで決められた労働時間の中でどれだけできるかということ。日本にも労働基準法はあるが"青天井"と言われていて、働く側と会社側で規定を決めればどれだけ働いてもいいことになっている。そこを変えようと今政府が動いている」と松尾さんは述べた。

■個人でできる"働き方改革"3つ

 企業という枠組みで考えると改革には時間と体力が必要。そこで、松尾さんに「個人でできる働き方改革」を3つ挙げてもらった。

(1)残業申請制度

 「ある会社で、残業を"かっこ悪いこと"と根付かせるために、残業を申請する取り組みをした。申請の仕方は、紫色の派手なマントをかけて、背中に『私は今日仕事が終わらないので残業します』と書かせる。まさに"恥ずかしいマント"という名前で、残業が恥ずかしいことだということを面白く捉えて、その会社は残業がかなり減った」

(2)タイマー会議

 「会議の時に話がすごく長い人がいる。特に年齢が上の方に多い。下からだと『もうちょっと短く言ってください』とは言いづらいので、タイマーを置いて"1人1分で発言しましょう"と時間を決めて置いておく。そうすると、上の方でも自分の話は長いんだということを気付いてくれる」

(3)集中タイム導入

 「人の睡眠時間は7.5時間くらい必要だと言われている。人は朝起きてから13時間経つと、その時の集中力が"酒気帯び運転"と同じくらいの集中力に下がると言われていて、15時間経つと"酒酔い運転"と同じくらい。朝7時に起きた人は、夜の8時には酩酊しているような状態になる。その人たちに残業代を払うのは企業にとってデメリットなので、朝の集中力が高い時間に重要なことをやるようにした方が良い」

(AbemaTV/『けやき坂アベニュー』より)

『けやき坂アベニュー』は毎週日曜日 12:00~14:00「AbemaNews」チャンネルにて放送!



(2017年10月19日「AbemaTIMES」より転載)