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「アジアで最も男女平等」なフィリピンで、女性がのびのびと働ける3つの理由

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まだまだ「女性が働きにくい国」と言われる日本。

2015年の「ジェンダー・ギャップ指数(通称世界男女平等ランキング)」で、日本は調査対象国145国中101位

もちろん過去30年で、日本の女性の働き方にも多様性が生まれてきていますし、現在国を挙げて更なる女性の雇用促進を図っています。

しかし「男は仕事、女は家庭」という従来の男女観は男女ともにまだまだ根深いように見えます。先日保育園や待機児童が再び話題になっていましたが、働く女性が本当に「働きやすい」と感じるまでには時間がかかりそうですよね。

ちなみに「男女平等ランキング」のトップ10のうち、7カ国はヨーロッパ圏の国々。

ただ、7位にアジアで唯一フィリピンが入り込んでいるのをご存知でしょうか?

この記事では「アジアで最も男女平等」と言われるフィリピンの実態と、「日本との労働観の違い」「女性の働きやすさ」について皆さんと一緒に考えることができれば嬉しいなと思っています。

フィリピンで女性政治家、女性管理職は全然珍しくない


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▶出典)独立行政法人労働政策研究・研修機構
「就業者及び管理職に占める女性の割合(2012年)」

フィリピンでは歴代女性大統領が2人。議員の一定割合を女性にするなど、政治における女性比率を上げる政策が取られた結果、2015年時点で27%ほどが女性議員となっています。(日本は11.6%)

2012年の資料で、全就業者における女性の割合は4割弱ですが、管理職の割合は47.6%。ほぼ半分を占めています。一方、日本では女性管理職の割合は約1割(11.1%)。

全就業者の女性比率では日本とフィリピンに大差はありませんが、日本はまだまだ組織の中心となって活躍する女性が少ないことが分かります。

脅威の出生率を誇るフィリピン


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▶※筆者が関わっていた現地NPOの子どもたち。写真に収まりきらない元気さ。

フィリピンの子どもや同僚に「兄弟は何人いるの?」と聞くと、「5人!」と返ってくることも全く珍しくありません。2012年時点で、フィリピン女性1人あたりの出生率は3.08。

フィリピンの国民平均年齢は2014年時点で23.5歳。(ちなみに日本は46.1歳)

宗教上避妊の習慣があまりなく中絶はタブーなため、10代の望まない妊娠や子どもの貧困問題など、深刻な社会問題ももちろんあります。

ただ、「キャリアのために出産や結婚を諦める」「家事や育児のために仕事を妥協する」という発想は、フィリピンではあまり一般的ではないようです。

フィリピンで女性がのびのびと働ける理由


1.家事や育児を「妻の仕事」としない

日本ではキャリア志向の女性は特に、仕事を頑張りながら育児もこなす「スーパーウーマン」になることを求められ、人一倍大変な思いをしている人も多いのではないでしょうか。

一方フィリピンでは、ヘルパーさんに家事や子どもの世話をお願いすることが一般的。

ヘルパーさんを雇うのは「お金持ちの特権」という訳でもなく、一般家庭でも住み込みのヘルパーさんを雇うことはよくあります。(もちろんヘルパーさんを安く雇えるということは、裏を返せば封建社会的で貧富の差を拡大する側面もあるのですが、別議論なので一旦置いておきます。)

日本でも家事代行が注目され、育児に積極的に参加する男性も増えていますが、女性が仕事に集中するためには、当事者以上に周囲の理解と協力が不可欠。

周囲が家事や育児を「女性の仕事」「女性の責任」などと言わず、それらを含めて女性に振りかかる多くの「仕事」を、うまく家族や他の人と分担して進める。フィリピンの女性がしっかり働けている一番の理由だと感じます。

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▶※男女問わず、年齢問わず仲良し。小さい子の扱いに皆慣れている。


2.家族第一主義

「ヘルパーさんを雇って家事や育児を手伝ってもらう」と聞くと、「子どもへの愛情が足りない」「両親がもっと直接関わるべき」という風に感じる方もいるかもしれません。

ただ、フィリピンに来て感じたのは「しっかり働いている=家庭を顧みない」ではないということです。

フィリピンの人の多くは、働きながらも家族を何よりも大切だと考えていて、たとえ離れて働いていたとしても、それが子どもにもしっかり伝わっているように感じます。

子どもと親の関係が近いのはもちろん、兄弟や親戚との仲も非常に良いです。

兄弟同士で「I love you!」などのFacebookポストが飛び交うこともよくあります。

「家族第一、家族は大切にするもの」がフィリピンの当たり前。そもそも働くのも「家族のため」と考える人が多く、採用面接でも志望理由に「家族を助けるため」という回答が最も多いなんて言われるほどです。


3.残業をそもそも好まない

個人差はありますが、日本と比べると残業をそもそもしない人の割合が非常に多いように感じます。

結婚していようがしていまいが、男性だろうが女性だろうが、時間になったら帰るのが一般的です。

もちろん残業を厭わない人もいますが、残業する人も「残業をしたくない、好まない人」への理解が深いように思います。「残業をしない=頑張っていないから評価されない」などという風潮もあまり見かけません。

実は産休・育休が超短いフィリピン


フィリピンは「男女平等」という面では進んでいるかもしれませんが、特に公的なサポートが手厚いわけでは全くありません。

実際同僚を見ていて大変そうだなと思ったのですが、フィリピンでは現時点で国から認められている産休・育休期間は60日。日本は「産前6週、産後8週」ですよね。

2016年に入って、100日にまで産休期間を伸ばす法案が上院で可決されるなど、サポートがもう少し良くなりそうな動きはあります。

とはいえお世辞にも手厚いとは言えないフィリピンの産休・育休制度。

ただ、ここで感じるのは「産休・育休制度が手厚い=女性が社会で活躍できる」という訳でもなさそうだということです。男性の家庭に対する理解に限らず、女性側の働くことに対する意識の強さの現れではないかと感じました。

フィリピンの働く女性から感じる、日比の労働観の違い


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2年半フィリピンで働いてみて、フィリピンの女性は「結婚する・出産する」ということを日本の女性ほど思い詰めて考えていないように感じました。

もちろん、どんな制度があったとしても、誰の協力を得たとしても、出産や育児が大変であることには変わりありません。

ただ、「スーパーウーマンにならなくても働ける」この良い意味での楽さ。

男性が女性に育児を押し付けない。家事自体をそもそも女性の仕事と決めつけず、それぞれに合うことをやれば良い考え方には勇気をもらえました。

女性が仕事と家事両方の重圧に耐えながら歯をくいしばって働いていたり、「本当はもっとキャリアアップを図りたいけど時短勤務や非正規雇用を選ばざるを得ない」というジレンマは、フィリピンでは日本ほどは見かけないように思います。

もちろん国全体で見ると、フィリピン人の平均賃金は日本の約10分の1。そもそも共働きでないと厳しいという状況もあります。

また、日本と異なる社会問題だってたくさんありますし、制度やサポートの薄さを考えても「フィリピンが女性にとって最高に働きやすい場所」とは正直感じません。

しかし、フィリピンでの「女性が出産や育児・家事を重荷に感じない環境」「女性が働くことに老若男女問わず協力的な環境」から、私たち日本人・子育て世代が学べることは、きっと多いのではないでしょうか。

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ライター
西山 七穂/Nanaho Nishiyama

香川県出身、東京大学法学部卒。サンフランシスコのbtraxでのインターンシップ後、フィリピン・セブ島の語学学校「NexSeed(ネクシード)」の立ち上げに参画し、2年半マネージャーとして勤務。週末はNPOセブンスピリットのボランティアとして、フィリピンの子どもたちに社交ダンスを教えていた。現在は、ライター・編集をしながら世界各国を旅して回っている。

Twitter: @sanuco_74

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