【前編】人の健康を支える仕事がしたい〜マレーシアで日本茶の輸入・販売、カフェ運営会社代表 杉山亜美さん

中学生の頃から、「人の健康を支える」仕事をする、と決めていた。

中学生の頃から、「人の健康を支える」仕事をする、と決めていた

小さな頃から運動が大好きです。特にサッカーに打ち込み、中学・高校・大学は競技として、現在は競技フットサルに転向して今でもプレーを続けています。

大好きなスポーツを通して、また身近な人たちの生活習慣を見て育つ中で、将来は「人の健康を支える」仕事に就く、と中学生の頃から決めていました。

大学では体育分野を幅広く学びたいと考え、地元の静岡大学に入学するも、次第に「糖尿病療法」健康科学の分野の研究が最も進んでいる米国での勉強に興味をもつように。

そこで高校のサッカー部顧問だった恩師に相談したところ、「教え子に、健康科学をアメリカで勉強して、今もアメリカで働いている人がいる」という情報をもらいました。

すぐに連絡をとり、単独でアメリカ・ネブラスカ州を訪問することが決定。これが私の初海外となったのです。

そして、お会いしたネブラスカ州立大学の教授からは「ここなら君の学びたいことが学べるよ」という言葉をいただきました。

帰国後に留学について調べると、なんと私の通う静岡大学とネブラスカ州立大学が偶然にも姉妹校だということが判明。

交換留学プログラムへ出願し、年間1名のみが通過できる学内選考を勝ち抜くために英語の勉強を始めました。

1年目は選考に落ちたのですが、2年目の選考で無事合格。免除されるのは授業料のみで、生活費は自己負担だったのですが、留学前にアルバイトを掛け持ちし、全ての費用は自分で準備。

経済的な理由とひとりっ子のため両親の説得に苦労しましたが、家族会議の結果、アメリカの大学に通えることになりました。

アメリカで出会った「予防医学」という軸

アメリカで専攻したのは、Exercise Science(健康科学)。糖尿病と運動の関係について学びました。

語学学校ではなく、いきなり大学と大学院の授業や研究室通いだったので、ついていくのに必死。予習や復習のため、毎日図書館が閉まる24時まで勉強し、この時期が人生で一番勉強した時期だと思います。

しかし、糖尿病療法を実践の中で学んでいくうちに、「この患者さんたちは、こうなる前に予防できなかったのだろうか」と思うように。

そんな頃、たまたま新しい学期に取った「Worksite Heath Promotion- 職場の健康づくり」という授業が、私のその後を決めることになりました。

当時のアメリカでは、各企業が「医療費削減」「生産性の向上」「企業イメージの向上」の3つの理由から、職場での社員の健康づくりを促進していました。現在日本でも、「健康経営」という視点が浸透してきています。

予防医学の領域に興味を持ち始めていた私は、この分野を知った瞬間「これだ!!」と思いました。それからはアメリカ国内の企業内 Health promotion programについての勉強を深め、「日本に帰ったらこの分野に携わろう」と決意したのです。

日本国内60か所以上で、念願の「健康経営」をサポートする日々

帰国したのは大学4年生の夏だったので、周りのみんなはすでに就職先が決まっている状態。でも、私はやりたいことが明確だったので、焦らずにやりたいことができる会社を探しました。

周囲に「予防医学」に興味があると伝え続けた結果、前職である大手健康サービス提供会社へ入社。

入社後はスポーツクラブの運営やトレーナー、インストラクター業に携わったのですが、入社前から企業や自治体向けの健康サービスに興味があることを強く会社に伝えていたため、2年3か月経った頃、本社の希望部署への配属が決まりました。

そこでは日本国内60か所以上で、企業や自治体のヘルスプロモーションプログラムの企画・運営・コンサルティング・講演を行い、念願の「健康経営」をサポートする日々。

しかし、ここでの仕事を通してある根本的な悩みにぶつかり、それが現在の仕事に繋がることとなったのです。

ライター

杉山 亜美/Ami Sugiyama

マレーシア国内企業 Managing Director

1986年、静岡県生まれ。米国の大学にてExercise Scienceを専攻、卒業後は日本国内60ヶ所以上にて企業や自治体のヘルスプロモーションプログラムの企画・運営・コンサルティング・講演を行い「健康経営」をサポート。現在は、マレーシア国内企業の代表としてマレーシア法人の立ち上げ、日本茶カフェ「TEAPRESS」2店舗の立ち上げ・運営、日本茶などの輸入貿易・卸販売を行っている。女子フットサル選手としてローカルチームにも所属。

ライター

濱田 真里/Mari Hamada

ABROADERS 代表

海外で働く日本人に特化した取材・インタビューサイトの運営を6年間以上続けている。その経験から、もっと若い人たちに海外に興味を持って一歩を踏み出してもらうためには、現地のワクワクする情報が必要だ!と感じて『週刊アブローダーズ』を立ち上げる。好きな国はマレーシアとカンボジア。

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