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ベールに包まれたミャンマー・アート最新事情~おすすめアーティストを紹介!

未知の可能性を秘めているミャンマーのアート事情。

2017年10月10日 16時41分 JST | 更新 2017年10月10日 16時41分 JST

突然ですが、皆さんは「世界で活躍するミャンマー人アーティスト」と聞いて、思い浮かぶ画家や作品はありますか? もしあるとしたら、その方はよっぽどのマニアです(笑)。

国内アート市場が活発とは決していえない状況から、ミャンマー人アーティストの人数はとても少なく、ミャンマーの現地新聞によると、国内のアーティストは正式に登録されているだけで10000人、非登録を含めても60000人ほどだとか。さらに、現在ミャンマーには美術専門の大学はふたつしかないそうです(後述する両氏談)。

加えて、伝統文化や古典芸能の保存に重点を置くミャンマーでは、国立博物館はあっても公立の美術館はまだありません。最新のアートに触れるには、民間なり個人運営の小規模アートギャラリーを歩いて回るしかありません。

ミャンマー在住者の中には、ギャラリーに行って多少なりともがっかりした経験をおもちの方もいるかもしれませんが、ギャラリーの展示作品が玉石混交なのも、そうした背景を考えればうなずけます。

実はこんなに!ミャンマー人アーティスト

大澤四季

一方で、熱帯、多民族国家、日常生活への仏教の浸透、長きに渡る軍政などさまざまな歴史と顔をもつミャンマーには、とてもユニークな作品を創るアーティストが存在するのも事実です。

例えばお土産屋さんに必ずと言っていいほどある、列になってどこかへ向かうお坊さんの後ろ姿を描いた絵。この絵は元々、Min Wae Aungという画家の作風で、彼の作品は世界中にコレクターがいるそうです(ただし著作権の概念が未熟なミャンマーでは、彼が有名になった途端、皆がこぞって彼の作風をコピーし出し、今では汎用品のようにありふれた画風になってしまっています......)。

また、今年の台北新芸術博覧会で行われたInternational Artist Grand Prize Competitionでは、1984年生まれの若手現代アーティストZweYan Naingが優勝。今後も新進気鋭のアーティストがどんどん輩出されそうな期待感を感じさせる今日この頃です。

そんな未知の可能性を秘めているミャンマーのアート事情。最近私がギャラリーでたまたま出会った素敵な作品とそのアーティストをふたり、ご紹介します。

1.Myint Aung

大澤四季

1968年モン州生まれ。ヤンゴンのThe State School of Fine Arts卒業。暗闇の中の光に焦点をあてた彼の風景画は、寂しさや暗さよりも、日常の光景の美しさを引き立てる、そんな作品です。真っ暗な夜、釣り舟、シュエダゴンパゴダなど、どれもミャンマーの素朴な日常を題材にしていて、観ていると気持ちが落ち着きます。

Myint Aung氏ご自身は、これまで東南アジアを中心に10回前後の海外遠征があるそうです。

2.Thee Zar

大澤四季

1960年ピュー生まれ。ヤンゴンのThe State School of Fine Arts卒業。熱帯らしい鮮やかな緑の色遣いと、蓮の花、釣り目の女性。きれい、かつ独特な作風に思わず見とれて、足が止まりました。蓮の花と女性をモチーフに描くことが多いそうです。

アジアを中心に7ヶ国の遠征歴があり、海外のコンペティションで入賞したことも。なんと、アウンサンスーチー氏が絵を購入したことがあるそうで(しかも2枚。うち1枚は彼女の夢をモチーフに描いてほしい、というオーダー作品だったそうです)、スーチーさんと彼の絵の写った写真をこっそり見せてくれました。

日本でもミャンマー・アートが観られる!

大澤四季

ふたりのこれからの活躍がとても楽しみですね。ちなみに両者とも日本の展示会へはまだ参加したことがないそうで、彼らの作品を観たければ今はまだミャンマーに足を運ばなければなりません(笑)!

そうはいっても、ミャンマーまでギャラリー巡りに来る時間はないな......という日本在住の皆さまには朗報!

現在、ミャンマー人のアーティスト数人を含む東南アジアをテーマにした企画展「サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで」が東京の国立新美術館、森美術館で開催中だそうです(2館同時開催)。

東南アジアまで出向くのはちょっと大変、という方、ぜひ気軽に覗いてみてくださいね(かくいう私は観に行けそうにありませんが 涙)!

(以下HPより)

「サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで」

期間:2017年7月5日~10月23日

会場:国立新美術館、森美術館

HP: http://sunshower2017.jp/

Ambassadorのプロフィール


大澤四季

大澤四季

一橋大学卒業後、森ビル株式会社に入社。住宅事業部や開発統括部で不動産管理運営、再開発、エリアマネジメント立ち上げの経験等を経た後、2015年11月、大学時代より毎年通い続けたミャンマーに移住。不動産開発プランナーとして、Yoma Strategic Holdings Ltd.(ミャンマーの複合企業SPAグループのSGX上場グループ会社)に勤務。