日本の常識は通用しない!?ミャンマーのびっくり子育て事情

生後6ヶ月になったばかりの娘もそんなミャンマーの生活をモノともせず、元気すぎるくらいすくすくと育っています。

こんにちは。日本の冬も寒いですが、私が暮らすミャンマーのシャン州も同じくらい寒くなってきました。

ここでは暖房もないので、家の中でもダウンを着て過ごしています。

生後6ヶ月になったばかりの娘もそんなミャンマーの生活をモノともせず、元気すぎるくらいすくすくと育っています。

私はというと、家事育児の合間にできるだけの仕事をしていて、バタバタと毎日が過ぎていきます。

ミャンマー人と結婚し、日本人ひとりでミャンマーに来た私はここでの育児のやり方に戸惑うことも......。

今回はそんなミャンマーのびっくり子育て事情についてお伝えします!

生後3ヶ月でスナック菓子をあげてOK!?

先日、知り合いの赤ちゃんが生まれたということで娘も連れて村へ見に行きました。

すると、生後3ヶ月の赤ちゃんが普通にスナック菓子を食べている! ちょっと衝撃的でした。

日本だったら、離乳食が始まるのは早くても生後5ヶ月くらいですよね。それなのに、3ヶ月の子がスナック菓子を食べて大丈夫なのか......?

さらによく聞くと、母乳の出が良くない場合は生後間もない頃からおかゆをあげることもあるそうです。ミルクを買うお金の余裕もないために、そうせざるを得ないとのこと。

赤ちゃんの栄養バランスが心配になってしまいます。

実は先日もこんなことがありました。

ちょっと仕事をするあいだ知り合いのミャンマー人に娘を数時間預けたのですが、帰ってくると娘の口元にスナック菓子がついている。

「まさか!」と思い聞いてみると「食べたそうだったから、少しだけあげたよ」とのこと。

ミャンマーで細かいことを気にしていたら、生きていけません。

「うちの子は何でも食べたがるけれど、スナック菓子より栄養があるものをあげたいから、次からはあげないでね〜」とやんわり釘を刺させてもらいました。

赤ちゃんはぐるぐる巻きのミノムシにされる

ミャンマーでは、赤ちゃんが生まれて1ヶ月ほどは写真のような布でぐるぐる巻きにして過ごします。

日本の「おひな巻き」に似ていますが、こちらは何重にも布をぐるぐると結構きつめに巻きつけています。村では赤ちゃんに紙おむつはもちろん、布おむつなどを使う習慣はありません。

なので、赤ちゃんがおしっこやうんちをした時はこのぐるぐる巻きの布を全部取り替えることになるのです。

毎回すべて着替えさせるのも大変だし、洗濯も多くなるし、私が見た時は熱がこもって赤ちゃんのおしりはかぶれて赤くなっていました。そして手足を固定されているから、汗をかいて暑そう......。

実際に、ヤンゴンなどの都市では手足を固定したままにするのは良くないと、このミノムシスタイルを推奨しない病院も出てきました。

私も主人から「タオルでぐるぐる巻いてミノムシにして!」と言われましたが、娘が生まれたのは初夏。暑くて娘にタオルを巻く気にはなれませんでした。

昔からある習慣を変えるのはなかなか難しいものですが、その第一歩として、村のお母さんたちに布おむつの使い方を紹介してみました。その後、使ってくれているかな?

「頭寒足熱」は間違っている?

足は温めて、頭は冷やすことを、日本では「頭寒足熱」と呼びますよね。

ここミャンマーでは、どこへ行っても赤ちゃんに帽子をかぶせるよう言われます。言われた通りにずっとかぶせておくと、熱がこもって頭に汗をかくことも。

そして、靴下を履かせていると脱がされます。確かにミャンマー人の大人もダウンを着てニット帽をかぶっているのに、足元は靴下なしのサンダルのみ......と、「頭熱足寒」が良いそうです。

日本と全く逆なので、困ってしまいます。一体どちらが正しいのでしょうか?

他人の子どもにキスしまくり。しかも口に......

赤ちゃん大好きミャンマー人たちには、私が忙しい時などにいつも預かってもらえて、本当に助かっています。

しかし、ちょっと様子を見に行くと、いつも娘にキスしまくり!

ほっぺにするのは百歩譲って許します、ミャンマーでは当たり前だから。でも、しょっちゅう口にキスしている!!

赤ちゃんの頃は口移しで食べ物をあげるだけでも虫歯菌が入るから、と私でも口にキスなんてしないのに。

その中でもしつこいくらい、娘の顔中にキスするおばさんがいます。

娘を可愛がるゆえにしている行為なので、こちらも「やめて」とはなかなか言えません。

ただ、あまりにしつこかったのか、その後、娘はそのおばさんを見ると泣き出すようになりました。赤ちゃんにして長けた防衛本能。

授乳中のママも赤ちゃんも薬を飲んでいい!?

季節の変わり目に、娘の鼻水と咳が止まらないことがありました。

病院も近くにない、鼻水吸引機なんて便利なものは私たちの住む田舎町には絶対にない。

その時、ミャンマー人たちに勧められたのは「2歳以上から」と記載のある咳止め薬など数種類。「これ、2歳以上からって書いてあるよ?」と言っても、「少なく飲めば大丈夫!」とのこと。

また私が39度の熱を出した時には、主人をはじめミャンマー人スタッフみんなで娘の面倒を見てくれました。

それは助かるのだけれど、「薬飲んで! 注射したらすぐ治るよ」とスタッフ全員に言われ、いくら私が「授乳中は赤ちゃんにも影響するから、薬は飲めないよ」と説明しても納得してもらえず......。

本当に赤ちゃんに影響がないのかどうか心配です。

結局、私は娘に薬を飲ませず、自分も飲まず、「なんて頭の固い日本人なんだ!」と思われたことと思います。

ミャンマーでは、授乳中のママも赤ちゃんも普通に薬を飲むそうです。

精神的にはハッピーなミャンマーの子育てだけれど......

ミャンマー育児の良いところは、どこへ行っても赤ちゃんや子どもをとにかく大切にしてくれるところ。

育児を楽しめているのも、仕事を少しずつでもできているのも、まわりのミャンマーの人々のおかげだと本当に感謝しています。

でも、日本のように医療が発達していなかったり、乳幼児についての知識が違っていたり、不安な部分もあります。こんなに赤ちゃんに優しくていい国なのに、知識がないために赤ちゃんをきちんとケアできていないこともあります。

ただ、きっと日本のやり方すべてが良いわけではないし、ミャンマーの人々に教わることもたくさんあります。異国の地で育児も仕事も、とっても面白いです。

ミャンマーの良いところを取り入れながら、日本の良いところもミャンマーの人々に伝えていけたらいいなぁと思っています。

今日も、ミャンマー人のおばさまたちに娘を預けるのはちょっとドキドキです。

でも、そうやって娘もミャンマーに慣れていくのかな。

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ライター

加藤 彩菜/Ayana Kato

1991年生まれ。中央大学哲学科卒業。学生時代に発展途上国の貧困問題を目の当たりにし、「誰もが自分の未来に希望をもてる世界」にしていきたいと、社会問題を解決するソーシャルビジネスしかやらない会社「ボーダレスジャパン」に就職。入社8ヶ月で単身ミャンマーに渡り、新規事業立ち上げに挑む。

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