日本人にとって、ライバルがカンボジア人の日はそう遠くない!

日本人にとって、ライバルがカンボジア人の日はそう遠くない!

講演時の風景

カンボジアより、スースダイ(こんにちは)! オリジナルシャツブランド「Sui-Joh」の浅野 佑介です。

気がつけば、日本はきっともう秋の足音が聞こえている頃だと思います。カンボジアはちょうど雨期の終盤を迎え、雨も最後の力を振り絞っているのか、時に大暴雨となり道路は冠水なんてことも日常茶飯事の今日この頃です。

この夏、大学のゼミ、スタディーツアー、視察で来た日本人学生さんにお話をする機会を何度かいただきました。20歳前後の次を担う世代と時間をともにできることは、僕にとっても刺激を受ける貴重な大切な時間となりました。

その中で僕が主に伝えたかったことをここでも書いておきます。

幸せの尺度について

浅野祐介

カンボジア人に触れて思うのは、毎日の中に笑顔があふれていて、幸せが傍にある。それだけで十分、素敵なこと

僕が接した日本人学生さんたちは、カンボジアに来るのが初めての人、複数回来ている人などさまざまではあったものの、カンボジアに初めての方々は「支援、援助が必要な国である」「貧困』「かわいそう」というイメージが根強い方も多くいました。

かく言う僕も、カンボジアに来る前までは内戦・地雷・孤児・貧困・かわいそうといったイメージが先行し、しかし、先行していたが故に、出会ったカンボジア人の笑顔や生きる力強さ、人と人の繋がりに愛の深さ、温かさを感じた時のギャップがとても大きく、だからそこカンボジアに恋し、戻ってきたのだと思います。

そんな魅力のあるカンボジア。

カンボジアにはここならではの日常があり、笑顔があり、幸せがあるのです。

僕ら日本育ちの人間が先入観、価値観という尺でカンボジア人を見るから、それを「かわいそう」と思い、不幸というレッテルを貼っている可能性もあるのです。

その支援、ボランティア活動は、本当にその人のためになるのか。持続性や将来については考えられているのか。あるいは、自分の就職活動の為に行っているのではないか、と思うこともあったりします。

あなたのライバルはカンボジア人かも!?

浅野祐介

僕らは彼ら/彼女らから、エネルギーをもらっている立場だと気がつく

もちろん、カンボジアにも外部の支援の手を求めている地域、分野、業種はあります。しかし、その反面で優秀なカンボジア人が世界に飛び立っているという事実もあります。

ローカルマーケット内にある馴染みの電気屋さんの息子さんは、日本の某有名私立大学に留学し、来年から某自動車メーカーへの就職が決まっています。彼は、他にも3社ほど超がつく有名企業の内定をもらっていたと聞くから驚きです。しかしそんな彼もきっと氷山の一角の存在で、他にも多くの優秀な東南アジア人学生が、今の日本の就職活動戦線に参加しているのだろうと思います。

今回、カンボジアに対し「支援をすべき対象」というイメージをもって来た学生さんがいざ就職活動する際に、就職試験の隣の席や、集団ディベートの相手がカンボジア人である可能性だってあるかもしれないのです。

せっかくカンボジアに来たのだから、そういった側面も感じ、そしてそれを自身の学生生活のエネルギーに変えてほしい。そうすることで日本を元気にてほしいですし、海外に出た僕だからこそ、日本を元気にできたら、とも思います。

現地で生活していての実感ですが、東南アジアの成長スピードは今どんどん拍車がかっているように感じます。みんなが「来年は今年より前進した良い年になる」と信じていますし、そう信じられる環境であることが幸せとも言えるのではないでしょうか(ただ、来年7月は5年に一度の総選挙が行われるので、どんな一年となるのか不安は募りますが......)。

Ambassadorのプロフィール

浅野祐介

浅野祐介

日常にHAPPYと彩りをお届けするカンボジア発のファッションブランド、Sui-Johの創設者。1981年愛知県生まれ。4人兄弟の長男。会社員を経て、2010年秋よりプノンペン市内のNorton大学 大学院へ入学。その中で、ファッションと文化の融合を目指しシャツ作りを始め、現在はトートバッグやポーチなど幅広く制作をしている。モットーは"Happiness is only real, when it's shared"。

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